梟の城 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.69
  • (262)
  • (477)
  • (574)
  • (43)
  • (9)
本棚登録 : 4042
感想 : 287
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152011

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 司馬遼太郎 菜の花忌
    菜の花みたいな黄色花が好きだったみたい。
    「中外日報」連載 1960年

    織田信長により一族惨殺された伊賀忍者。
    忍者の夜行性と単独性を梟と見立てる。
    伊賀者として生きる重蔵と武士への道を模索した五平。対照的な生き方を選んだ二人の忍者。
    豊臣秀吉の暗殺の依頼を受けた重蔵は相弟子だった五平と敵対する事になる。
    戦乱の世のスパイ合戦。
    戦国末期の暗闇の争い。
    伊賀と加賀の忍者の気質の違い。
    金で動く表に出ない忍者を小説の中央に置く。
    この二人に二人の女性がたびたび絡むのだけど、思いの外、女性に甘めなのではと思ってみたり。
    ラストは、五平を囮として秀吉を追い詰めた重蔵。孤高の伊賀風を貫いた重蔵が振り返る人生。

    司馬遼太郎は、ひまわり師匠にお任せしようと思う。よろしくおねがいします。

    • ひまわりめろんさん
      連続殺人ミステリーの三番目の犠牲者になるタイプやな
      連続殺人ミステリーの三番目の犠牲者になるタイプやな
      2024/02/13
    • みんみんさん
      モブキャラは仕方ないわね笑笑
      モブキャラは仕方ないわね笑笑
      2024/02/13
    • 1Q84O1さん
      主要キャラにはなれないタイプ…_| ̄|○ il||li
      主要キャラにはなれないタイプ…_| ̄|○ il||li
      2024/02/13
  • 重蔵と小萩の恋の行方が気になって、一気読みした。50〜100ページほどは時代背景と人間関係の整理で多少時間はかかったが、誰と誰が対立関係にあるかが分かれば、スラスラと読み進めることができる。

    初めての司馬遼太郎。おすすめされて読んだ。自分が司馬遼太郎を読んだことがないと言うと、この『梟の城』を教えてくれたのだ。

  • 「梟の城」司馬遼太郎著、新潮文庫、1965.03.30
    660p ¥1,045 C0193 (2023.07.31読了)(2023.07.26借入)(2022.06.25/132刷)(2002.11.10/95刷改版)
    家康関連の物語と思って、読んでみたのですが、秀吉関連でした。とはいえ、伊賀、甲賀の忍者たちの物語でした。司馬遼太郎さんは、このような物語を書いていたんですね。

    【目次】
    おとぎ峠
    濡れ大仏
    白い法印
    木さると五平
    羅刹谷
    忍び文字
    聚楽
    京の盗賊
    甲賀ノ摩利
    奇妙な事故
    伊賀ノ山
    吉野天人
    水狗
    修羅
    五三ノ桐
    甘南備山
    尾行
    石田屋敷
    伏見城
    解説:村松剛

    ☆関連図書(既読)
    「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「時代の風音」堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿著、朝日文芸文庫、1997.03.01
    (アマゾンより)
    司馬遼太郎伝説は、ここから始まった! 直木賞受賞作。
    信長、秀吉……権力者たちの陰で、凄絶な死闘を展開する二人の忍者の生きざまを通して、かげろうの如き彼らの実像を活写した長編。
    織田信長によって父母と妹、そして一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。相弟子で、忍びの道を捨て仕官をし、伊賀を売って、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。
    戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。

  • 司馬遼太郎の実質的なデビュー作で直木賞受賞作。
    忍者ものは然程好みでなかったのでこれまで手に取らずにいたが、いよいよ未読作品が減ってきたので手に取った。

    敵味方が入り乱れて、気を抜くと筋が追えなくなりそうだったが、何とか読み終えた。

    ラストの方で、伊賀忍者の葛籠重蔵が太閤秀吉を弑するのではなく、ポカリと殴りつける場面は、それまでの緊迫感からのズレにニヤリとしてしまった。

    最後の四頁を読む迄、石川五右衛門をモチーフとした話と気付かず。。(途中、風間五平が「石川五右衛門」と咄嗟に偽名を出す場面があっても)

    気持ちよくしてやられた感あり。

  • 豊臣秀吉の時代の伊賀忍者が主役の物語。堺の豪商今井宗久に秀吉暗殺を依頼された葛籠重蔵、忍者として生きることに飽き武士として出世することにした風間五平、近江の佐々木氏の子であるが甲賀忍者にやって育てられ石田三成に間者として宗久に送り込まれた小萩が主な人物。重蔵は忍として幸せな生活よりも仕事を優先する考えだったが小萩とあい小萩の愛に触れることで少しずつ考えが変わる。秀吉のところまでたどり着くも殺さなくてもそれに相当する暴力で自身の憂鬱が晴れることに気づき重蔵は生きて伊賀に帰り、最終場面では小萩と共に生活をする。伊賀を裏切った風間は重蔵を捕まえることで出世を企むも伏見城で捕まってしまい秀吉暗殺の首謀者として殺されてしまう。その際使った偽名が石川五右衛門で作者は風間五平が石川五右衛門なよではないかと考えているっぽい。
    忍の術とかほんとに存在したのか不思議だけど作中ではとても鮮明に描かれていて面白かった。太平の時代では忍びの活躍できる場はないから廃れるのもしょうがないかな。

  • 2人の忍者がでる。
    秀吉がらみ。

  • 読み応えのある程よい長さ。

  • はじめての歴史小説、はじめての司馬作品。
    最初はうんうん言いながら読んでいたけれど、途中から加速度的に面白くなって、一気に読んだ。
    色々な人の立場になって考えてみると、人間らしくあることも仕事人として生きることも、ただの特徴であって、場面で瞬間的に使い分けないといけないな、って勉強になった。

  • 登場人物の腹の中が不透明な状況で敵味方が次々と入れ替わる展開は、理解するのに苦労を要した。しかし読む進めていくと共に、全体像を掴めない感覚そのものが忍者という存在を象徴しているのかなという思いが込み上げ、不思議と納得のいく読後感だった。忍者としての生き様をひたむきに貫いてきた重蔵がクライマックスで選んだ言動は人間味が感じられて温かさがあった。戦いの場面の凄惨さとのコントラストが巧みである。真っ黒なキャンバスに様々な濃淡の同色を重ねたような奥深い色彩を感じる本作品は、とても読み応えがあった。

  • 純粋にエンタメとして楽しめる。構えたところもないし、だらだらと無意味に長くもない。「坂の上の雲」に比べて読むのに疲れない。

全287件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×