国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1971年12月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152042

作品紹介

世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「智恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を"国盗り"の拠点と定めた!戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守土岐頼芸の腹心として寵遇されるまでの若き日の策謀と活躍を、独自の史観と人間洞察によって描いた壮大な歴史物語の緒編。

国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 一介の油売りから身を起し美濃一国を手に入れた「斎藤道三」とご存知「織田信長」の物語。特に斉藤道三の方が面白い。あらゆる手を使って成り上がっていくところが逞しい。

  • 司馬遼太郎先生の戦国四部作の初作。他の三作品は既に読了したので、残すは本作品だけである。本来は、国盗り物語→新史太閤記→関ヶ原→城塞の順に読むべきなのだが、新史太閤記から読み始めてしまったため、順番が狂ってしまったのだ。まあいい、私の得意な時代だから、頭が混乱することもないだろうと気を取り直して読み始めた。
    単純に面白い。要因は二つ。
    一つは、サクセスストーリーが痛快であるのだ。僧侶から京の油商人になり、そして美濃一国を分捕ってしまう話の展開は分かり易くて楽しい。まるで「わらしべ長者」のようである。この点、新史太閤記で描かれている豊臣秀吉の話と共通するところである。
    もう一つは、舞台が私の故郷、岐阜(美濃地方)であること。所々に出てくる場所は馴染みがあり、「あの辺で仕掛けたのか」「あそこに城があったとは…」など新鮮な思いで故郷を振り返ることが出来るのだ。

    以下に、興味深かった記述を引用したい。

    ・庄九郎が美濃を選んだのは天才的な眼識といっていい。美濃に天下分け目の戦いが行われたのは、古くは壬申の乱、のちには関ヶ原の戦いがある。徳川時代は美濃に大大名をおかず、この国を制せられることをおそれ、一国のうち11万7千石を直轄領とし、残りを大名、旗本に細切れに分割して互いに牽制させた。それほどの領国である。
    →我が故郷をそう表現されると気分がいいものだ。土地は肥沃だし、京に近く、東海道、東山道など様々な街道が出ており要衝の地なのである。

    ・庄九郎よりもやや後年に出た黒田官兵衛如水の先祖は、一時、この備前福岡の市に居ついていた。黒田家が筑前一国に封ぜられ、博多の西方に築城したとき、先祖にゆかりの備前福岡の地名をとって「福岡」と名付けた。今の福岡市がそれである。
    →こうした由来話は私は大好きである。福岡がもともと岡山県にあってそれが派生したとは驚きである。果たして、このトリビア、福岡県民の何割の人が知っているのだろうか。

    ・庄九郎は売り子の悪徳を見つけた。売り子は油をマスで計って客の壺にいれてやるのだが、最後に一滴をたくみにマスの中に残すが商い上手とされた。その一滴ずつをためておいて、自分が着服するのである。一日溜まると馬鹿にならぬ量になる。庄九郎は「それはならん。一滴残らず客のものである」と厳しく禁じた。「奈良屋の商法に嘘があってはならぬ。マスから壺へは客の手で移させよ。奈良屋の商法はこれじゃ、と言えば客も喜ぶだろう」
    →現代でも通じる商法である。私も飲食店で食事をしたとき、似たような経験があった。「ちゃんと全部よそえよ!」と腹正しさが生ずることもあるのだ。これをきっちりやる店、セコさのない店は信頼できる。

    ・「絵具でございますな。旦那様がおかきになりまするか」「いや、わしは浮世に絵をかくのだ。絹の上に絵などをかいている暇はない」
    →小姓の杉丸に問われて返した言葉。「浮世に絵をかく」・・・。ロマン溢れる表現!(笑)。

    ・旧家というのは、迷信の因習が累積してそのあくのなかで人が育つ。ろくな者ができるはずがない。
    →合理主義的価値観を持つ司馬氏ならでは論理である。もちろん、本作品の主人公:庄九郎も合理主義者である。

  • 斎藤道三〈前編〉
    名前だけはうっすらと知っていた「蝮の道三」
    のっとり、追い出し、二重の人生、壮絶すぎてビックリ。
    お万阿さんの心中を察すると悲しくもあり。
    でも、こんな風に豪快に生きられる人がいた時代が羨ましくもある。

  • 何回も読んでいる。司馬作品の中でも特に好き。庄九郎の行き様、かっこいい!

  • 道三の成り上がりの過程が描かれる。颯爽としている様子が面白い。

  • 本屋でパラパラとめくっていて、なかなか面白そうな書き出しだったので読んでみたところ、、、斉藤道三、つい最近までまったく知らない人だったけれど、一瞬ではまりました。
    いやあ、このぐらい読んでいて安心できる人ってなかなかいないよね。次、三、四巻に期待。

  • 禅僧から還俗し、油商から美濃の領主となった梟雄・斎藤道三。松波庄九郎と呼ばれた若き日を描いた第一巻。
    史実に基づいているかは置いといて娯楽小説として抜群の面白さ。庄九郎という規格外の男の立身出世が存分に描かれている。
    切れ味鋭い頭脳と自らの才覚を全く疑わない自尊心。そして好機を逃さない実行力。人を道具として利用しながらも風流を愛する文化人。女たちは戸惑いながらのその身をあずけてしまう。
    間違いなく悪人、しかし小悪党ではなく途方も無いほどの唯一無二の大悪党。
    神仏すらも家来と考える高慢な姿は危うさと清々しさが同居する不思議な魅力に溢れている。

  • 斎藤道三のことは殆ど知らなかったので、非常に楽しんで読める。(小学生の頃、横山光輝の「片目猿」は読んだことがあったけど。)
    まだ、1/4しか読んでないけど、絶対お勧め。
    やることなすこと全て当たるのは、周到な計算があってこそ?

  • 斎藤道三目当てに読み始めましたが、そこから連なる系譜がよくわかり、大変楽しめました

  • 司馬遼太郎原作、さらには大河ドラマにもなったことがあります。

    前半は斎藤道三が主人公であり、後半に信長が登場する構成。当初は信長まで描く予定はなかったそうで、好評だったからでしょう。

    それだけに、斎藤道三がめちゃくちゃ魅力的に描かれています! 貧しい油売りから立身出世。美濃国の国盗りへと乗り出します。女性にはモテるわ、成りあがるための策は当たるわ。とにかく痺れます。ちょっと後半の信長が霞むくらいでした。

    そして、道三、信長、さらには明智光秀、この三者の物語でもあるんですね。道三は、信長と光秀に戦国で生き抜く術を教えました。

    さらに信長の妻である濃姫は、道三と小見の方の娘。小見の方の甥である光秀と、濃姫は血縁関係にあります。

    道三の意志を受け継ぐ信長と光秀、この2人の対決だったというわけです。

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