関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)

著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1974年7月2日発売)
4.01
  • (362)
  • (312)
  • (323)
  • (12)
  • (1)
  • 本棚登録 :2430
  • レビュー :189
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152141

関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 男の仕事ってカンジの読みたいと言ったら後輩が貸してくれた作品

    日本史の年表だと数行で終わる関ヶ原の合戦ですが
    合戦前の根回しでほぼ勝負がついてたのかと思うと不思議な気がします
    今も昔も情報って大事なんだなと思いました

    結末は分かってるのに「義」の為に戦っている三成に有利な所にくると思わず
    そのまま行ってくれ!っと肩入れしてしまいます(笑)
    司馬さん、さすがです
    無知な私は読んでいると言うよりは勉強してるって感じだったけど
    大谷吉継と島左近の最後はウルッときました

  • 戦いの結末は分かっていた。
    しかし、石田三成を応援せざるをえなかった。

    ひとつは、徳川家康の描かれ方による。
    狸親父などという可愛らしいネーミングが許せず「クソジジイ」と罵りたくなるほど、謀略巧みな人物であった。
    上巻を読み終えた後は本気で腹が立ち、なかなか寝付けなかった。

    もうひとつには、三成の不器用さがある。
    「クソジジイ」である家康に対して三成は、正義感をこじらせた「クソガキ」といったところだろうか。
    頭は良い。
    だが、何事においても言い方が良くない。
    態度も良くない。
    当然嫌われてしまい、孤軍奮闘する。
    読者としては応援せざるをえないではないか!
    この作品を読んで最も学んだことは、社交性の大切さである。

    そんな三成だが、自らの家臣や領民には愛されていた。
    利を欲する諸侯。
    言ったもん勝ち、やったもん勝ち、早い者勝ちの世界。
    それでも、義を説く三成。
    態度が一貫している人物が好きな人には、この『関ヶ原』の石田三成はおすすめである。
    三成がひたすらに説いた義は、その生き様の最期に分かるはずだ。

  • 2018年1冊目読了。
    やっと下巻まで読み終わったー!
    年末から読んでるから長かった…。
    *
    戦国武将たちの思惑とか信念とか忠義心とか色んな物が混ざり合って日本中を巻き込んで、関ヶ原という場所での決戦…。
    この下巻は、合戦の様子が描かれてるから後半すごく興奮した。
    *
    なんかしら、気の利いた感想を書きたかったけど…私には無理だな。
    …兎に角、上巻から下巻まで島左近は格好良かった!
    大谷吉継の最期も格好良くてちょっと泣きそうになった。
    そして、黒田如水が恐い!色んな意味で!
    *
    大河で黒田官兵衛は誰がやったんだっけ〜?って思って調べたら岡田くんだった!
    そして、関ヶ原の映画版石田三成も岡田くんなのね〜。
    大河とか見ないから、知らなかった…!
    *
    *
    この後、徳川幕府は300年続いて倒幕の時に活躍する薩摩と長州は関ヶ原が続いてるっていうのが、歴史好きには堪らないエピソードだよね。きっと。
    更に昨日Twitter見てたら、島津家が敵中突破した時に船を出して助けた境商人たちを太平洋戦争の時に島津家が「関ヶ原のお礼です」って言ってお米を送って助けてあげたっていうエピソードが流れてきて、読んだ瞬間また興奮した!
    *
    そんなわけで、次の司馬遼太郎作品はこの流れで『竜馬がゆく』を読みたい!
    8冊もあるから読み終わるのいつになるか分からないど…。

  • 何だろうか、文庫にして3分冊の大作なのだが少し物足りない。

    上杉の動きや真田の事に、あまり触れられてないからかもしれない。

    司馬さんはおそらく家康より三成の方が好きなのではないだろうか。司馬さんが描く三成は酷薄な人間ではなくむしろ優しい人間である。ただよくある話だが、正論が世の中を、組織を動かすわけではない。司馬さんはそれがよく分かっていたのではないだろうか。

  • 天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った10数万の戦国将兵たち…。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか?両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか?戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。

  • 「いやさ、実のところは太閤手飼いの大名とはああも無節義な連中かと思い、それを悦ぶ反面、心の冷える思いをいたしておる」(P15)周到な準備と忍耐をしても、家康の心中は疑心。結果を知る現代では、西軍は負けて当然だったと考えるが、関ヶ原の決戦はただのイベントではなかった。戦闘中、裏切り者たちの動きでどう転んだものか。三成が最後に「義」を感じたのは、かつて声をかけた農夫・与太郎大夫だったことが皮肉な巡り合わせに思った。

  • 香港映画。チョウ・ユンファ映画。
    高倉健のやくざ映画。ワイルドバンチ。
    …なんですよね。
    娯楽物語快感曲線?とでも呼ぶべき印象で言うと。

    悪役・徳川家康に果敢に戦闘を挑み、散っていく男たちが好きなんだろうなあ、という。

    終盤、当然ながら関ヶ原の戦いが始まる訳です。
    そこで、島左近が、大谷吉継が、戦闘レベルで家康にあと一歩と迫るんですね。

    で、そこまでで、とにかく家康さんが悪役として、しかもタダの悪役じゃない…巨悪、として描かれています。

    まあ、厳密に言うと、「悪」というモラル次元では描かれないんですけど。
    ただまあ、陰険、陰湿。スカっとした感じは一切なくて、猫が鼠をいたぶるように政権を狙う感じ(笑)。

    という訳で、なんていうか、読み手の側は、不快感でむかむかしている訳です。

    (これが、この小説が「燃えよ剣」「竜馬がゆく」ほどの人気を得ない理由ですが)

    で、やっとこさ、その家康が負けて苦しむ描写が出てきます。最終的には勝つんですけどね。
    そして、家康をかなり追いつめて、美しく散る男たちが出てきます。

    もう、そこのところの文章的カタルシスなんですね。
    そりゃあ、やっぱり文章表現的にうまいなあ、と。
    映画で言えば、スローモーションで両手拳銃、マシンガンを撃ちまくりながら、同時に撃たれて吹っ飛んでいくチョウ・ユンファみたいな…(例えが古いかもしれませんね)。
    それが文章レベルでうまいなあ、というのは、描写的に写生的には成立していないんと思うんです。
    戦闘の様子、その中の挿話、そういったことが、実に文章だから表現できる。実際にどういう状況、ビジュアルなのかって検証していくと、なんだかぼんやりして良く判らなかったりするんですけどね(笑)。

    そして結局は、最後の最後は。
    滅んでいく男たちの、べたに言っちゃえば「滅びの美学」。
    ただ、そこまでの文章の積み上げが、司馬さん独特の客観性が担保されているから、その分、山場の泣かせの浪花節がキクんですよね…。

    そして、石田三成の没落と亡びは、ほんとに司馬さんの小説の中でも、もっともギリシャ悲劇的に痛くて残酷に、淡々と描かれますね。

    それは、「秀吉時代」から「家康時代」へと、時代がどうしようもなく転換する時期の、軋みであり痛みみたいなもので。

    どうしてもその渦中で、「裏切り」「転向」「諦め」といった気まずさや淋しさを秘めていく大名たちの、夕陽に焼かれた背中が印象に残る大群像劇な訳です。

    最終章。
    淡々と、枯れた英雄・黒田官兵衛と、架空の人物・三成の恋人の初芽との場面が、しみじみと味わい深い、センチメンタルな良い感じですね。

    しかし、この「関ヶ原」だけで読むと、司馬版・黒田官兵衛という人物。もっと読みたくなりますね。

    そして。
    裏切りと復讐とギリシャ悲劇の、対家康レジスタンス風の香港映画的快楽は、「城塞」へと引き継がれていく訳ですね。

    「城塞」下巻の、後藤又兵衛、木村重成。そして何より、文字通り家康を壊滅的敗走に追い込む、真田幸村。彼らの散り際の描写。
    この「関ヶ原」の島左近、大谷吉継の散り際とも含め、なんとも男臭い司馬遼太郎節。実は浪花節だし講談調。

    歴史エッセイ風の俯瞰性でコーティングした、コテコテの娯楽歴史物語の豊饒さを味わうのも、読書の快楽ですね。

  • 歴史上有名で誰もが知ってる事件。この戦いに勝利するために、徳川家康、石田三成、島左近、福島正則、黒田如水と長政父子などそれぞれの立場での駆け引きは凄い。
    石田三成の義は素晴らしいが、観念が強いために見通しが甘くなり、最後は徳川家康に負けてしまう。やはり、徳川家康が役者が何倍も上だったなと思いました。
    この小説を読んで、ものごとを成功するには冷静な視点でものごとを考え、段取りを着実にする必要があると感じました。

  • 解説にもあるが、関ヶ原の合戦というのは、その合戦に至るまでの長い政治活動・多数派工作が重要な位置を占めているようだ。
    つまり、現代にも通じる活動が中心だったのだ。
    ただ、現代と違うのは、負ければ首が本当に飛ぶということだ。

    死をかけて己の信念を貫く男達、また死を恐れ、内通・裏切りを図る男達。
    こんな恐ろしい戦国時代では、卑怯者などとは簡単に括れない。

    以前、関ヶ原の古戦場を訪れたことがあった。
    厳かな、何ともいえない趣がある土地だった。
    しかしこの物語を知っていたなら、さらに興奮していたはず。
    あの空間に何万もの兵がひしめき、殺し合いをしていたなんて。
    再訪を願うオイラです。

  • 上中下読了。
    日本最大戦の一つである関ヶ原の戦い。

    戦を起こす前の派遣工作、謀略、謀反調査に時間をかけた家康。
    慎重がゆえ「動かざるごと山のごとし」
    武田信玄のように慎重に事を進めた策略は読んでいて感嘆する。

    調子に乗る石田三成。

    戦において何が重要で、どういう戦い方をすれば勝てるか、、、
    家康はそれを示したといっていいだろう。
    司馬遼太郎の人様の描き方も素晴らしく、何度も読みたい作品です。

    さて、「勝って兜の緒をしめよ」は家康にぴったりの言葉ですね。
    確かに、私が一人の兵卒だったらこの言葉には驚きますね。

    以上★5つ。

全189件中 1 - 10件を表示

関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)のその他の作品

関ヶ原(下)(新潮文庫) Kindle版 関ヶ原(下)(新潮文庫) 司馬遼太郎
関ヶ原 下巻 単行本 関ヶ原 下巻 司馬遼太郎

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
司馬 遼太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

関ヶ原〈下〉 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする