峠 (下) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1997年1月1日発売)
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感想 : 15
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  • 本 ・本 (626ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152165

感想・レビュー・書評

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  • 歴史の妙、奇跡的な相互の関連性、特に時期、興味深く読んだ上下巻1000ページ超だった。どこかでなにか一つ違えば、全く違う歴史になったポイントがいくつもあったように感じた。

  • 峠 司馬遼太郎

    雑記
    ・河井継之助
    ・陽明学
    ・長岡藩
    ・河井々々(可愛い可愛い)と 今朝までおもい いまは愛想も継之助
    ・ものには時期がある。時期が来なければどんな名案でもものにならぬ。
    ・江戸300年の間、同じ制度が続いていたことによる形骸化。石高制度など。
    ・「人間のいのちなんざ、使うときに使わねば意味がない」
    藩主牧野忠訓が病気を推して京都にのぼろうとする。それを止めようとする医者に対しての一言。
    生は生そのもののためにあるのではない、生は事を行うための道具にすぎない。
    ・福沢諭吉「人間の自由はその権理である。人間は生れながら独立して束縛される理由はなく、自由自在な存在である」
    →西洋の文明が開花した根源にあるリバティとライトを日本人で初めて理解した点が鬼才。
    ・日本の技術は玄人向け。剣術や槍術を身に付けねば使うことができず、そのことが武士と百姓・町人を分けている。
    一方の西洋では道具や機械をすべて素人があつかえるように工夫し仕立てる。西洋人のあいだに道具や機械が発展したのは、ひとつにはそのようなことにもよるのだろう。

  • 歴史小説というのは、史実に作者の想像が補完されて紡がれる物語であるので、好き嫌いはあるけれど、この作品のいわゆる司馬史観は嫌いじゃない。

    でも、、、「こまるな」という作中の福沢諭吉のセリフに、どう突き詰めても主人公の印象がなる。難しい。困る。

    史実としては、長岡・見附にとっては不幸でしかない。人間様式のひとつの結晶としての物語としては、とかく美しい。

    先の時代を正確に見ていながらも、長岡藩士として長岡藩を最優先に考え実行した武装中立。小千谷で立ち尽くす河井継之助が哀しすぎる。。。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00271991

    【スタッフコメント】
    峠“最後のサムライ 

    徳川慶喜による大政奉還も奏上された幕末。
    小藩・越後長岡藩の河井継之介。
    彼の壮大な信念は、混沌を迎えた日本を変えること

    彼を支え続けた妻との深い愛情。
    そしてリーダーとしての彼を信じ、運命を共にしようとする男たちの熱い絆の物語

  • 『燃えよ剣』に匹敵するくらいのこの作家の代表作と言えるかも。滅びの美学とでも言うんでしょうか、何かこう日本人の心をくすぐるものが確かにここにはありますな。
    ただ、この主人公にはなかなか入り込めない部分もあるかもしれない、土方のような劇画的爽快感がこの人物には無いからねぇ。地味に見えるのはそのせいだろうけれども、この作家特有の「お喋り」が抑制されていて、小説として十二分に楽しめる作品かと。

  • 幕末の頃の話は教科書レベルでしか知らなかったから、この本に書かれているような細かいところまでは全然知らなかったけど、北越戦争って相当激しかったんだな。長岡藩に河井継之介がいたからだろうけど。勝てるわけがないとわかっている戦でも立場上戦わなければならなかった河井継之介はすごいもどかしかったんだろうな。あくまで薩長と幕府の戦いの中で中立を願っていて、そのためにも武器など近代化していたのに、結果戦うことを余儀なくされ、長岡藩が譜代大名の立場だったゆえ、幕府側に仕えて戦わなければならなく、地元を焼野原にしてしまったのは本当かわいそう。中立の立場を維持するには長岡藩は小さすぎたか。河井継之介はそもそも国の首相にもなれるほどの器だと思うけど、この時代って本当に立場とか身分というものの影響がでかい。生まれたところが悪かったとしかいいようがない。関係ないけど、福沢諭吉と河井継之介のやり取りが好きで、福沢諭吉の軽さがすごいよかった(笑)てか福沢諭吉やっぱすごい人だな。薩長をイギリスが支援して、フランスは幕府側を支持して、アメリカは南北戦争の影響で出遅れたため奥羽越列藩同盟を支持せざるをえなかった的な内容が少し書かれていた気がするけど、そういう世界情勢の支持ってあったんだなって知った。
    いずれにせよ革命っていうのはやっぱり大義名分がないと成立しねえんだよ!!笑

  • 文学賞受賞作家

  • 最後の自分を焼く火や棺桶を見ながら彼は何を思っただろう。継之介のような人物は味方も多いけど、敵も多かったんだろうな。そしてそんな敵と対峙して味方にしてしまう魅力をもった人物だと思う。時代の流れに逆らってしまったのは悲しいが、実に優れた彼が大成出来なかったのも悲しい。読み終えた達成感とともに悲しみだけが残った。

  • 自分の生まれ育った町でかつて起きていた北越戦争。
    河井継之助の生き様に感動。
    河井継之助記念館にも行ってこよう。

  • 長岡藩家老河井継之助の一生

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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