三国志(十) 五丈原の巻 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101154602

作品紹介・あらすじ

いよいよ諸葛亮と司馬懿、二人の天才による対決が始まった。勇将・姜維を得るも、趙雲や関羽の遺児らを亡くし、期待されていた馬謖は街亭で痛恨の敗北を喫するなど、蜀漢は人材不足に悩んでいた。だが諸葛亮は、三年の内政で国を建て直し、孫神算鬼謀の限りを尽くして、秋風の五丈原における最期の決戦に挑む――。宿命と永訣の最終巻。

感想・レビュー・書評

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  • 孔明奮闘するも、滅びに向かっていく、歴史のうねり、大きな力のようなものに押し流されていく蜀を描いた最終巻である。
    緩やかに国が滅びに向かっていく物語なだけに、今の日本と重ね合わせて、孔明のセリフや、筆者の述懐に、ハッとさせられたことがあった。孔明が生きていた時代はもちろん、筆者がこの本を書いたのもかなり昔のことであるが、人間はかくも変わらないものなのか。
    とにかく孔明を恐れまくり、死んだと聞くやいなや喜び勇んで進軍しようとする司馬懿仲達が、不思議に、可愛らしく感じた。

  •  秋風五丈原。孔明の時も終わり、ついに終幕です。歴史ものなのでしょうがないですが、やはり寂しさを感じます。孔明死後も三国志の物語は続きますが、本作ではそこは流しています。ただ、やはり孔明没後は寂寥の思いが募るので、小説としてはここで終了するのも一つだなあと改めて思います。

  • 孔明は優秀な人だったが、やはり一人では力不足だった。四人の義兄弟が揃い、優秀な将が集ってこその蜀だったんだなぁ。

    なんだかんだで、半年以上かけて読了。
    三国志を読んで中国を見る目が変わった気がする。

  • これだけの長編を読み終えると、感慨深いものがある。主要な人物は鬼籍に入り、残った者たちが先達たちが残したものを守ろうとして行く姿。
    それでも歴史は歩みを止めないし、どんな国でも滅ぶべき時は滅ぶ。
    何かに似ていると思いながら読んでいたが、平家物語に似ているのかも知れない。

  • 最終巻。蜀の諸葛亮孔明と魏の司馬懿仲達による火花散る軍師対決が繰り返されるも、天命には逆らえず、孔明は没し、よって三国志の幕は閉じる。
    終盤、魏もこれといった武将は現れず、蜀も趙雲は歳をとり、存在感があったのは姜維ぐらい。
    劉備と孔明が目指した漢復興は潰え、また次の時代の物語となっていく。孔明の死去=事実上の三国志の終焉と言って過言ではないでしょう。
    関羽・張飛をはじめ、たくさんの武将や軍師に出会えることができました。
    本当に有意義な読書時間を過ごせました。

    一度途中で挫折し、再び約2年をかけて読み終えています。充足感はあるものの、やはり少し寂しいですね。
    他にも北方三国志や宮城谷三国志などもありますし、老後にじっくり読み直したい。
    まあ、一応ミステリマニアなんですが(笑)

  • 諸葛孔明の最後がとても感動しました!
    三国志の最後を飾るに相応しい終わり方でした!

  • 時間掛けましたが漸く完読。忠義だったり、自身の理想だったり、何か強い思いと信念で最後の最後まで戦い。又後の準備をしっかりしていた事に感服。また少し時間をおいて、読み返したり。違う著者のものも読もうと思います。

  • 諸葛孔明が堕ちて、三国志読了。
    なぜ戦ったのか、理解できないけど、大義を抱いて全知力を戦いに注いだ姿に感動。
    久しぶりに読書した、という感じ。

  • ついに吉川英治版三国志を読了。
    八門遁甲の深謀を駆使する諸葛孔明もついに死を迎え、そこでこの大河小説は終結しますが、諸雄が活躍していたのが孔明が登場してからは彼を中心に描かれるようになってしまうのが、画竜点睛を欠いて残念です。

  • 諸葛孔明と司馬仲達の争い。ついに蜀は魏を抜けず、孔明は病没。なお死後の蜀を憂え、細かく指示するところが凄まじい。10巻読み終え満腹感がある。2015.3.15

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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