おとこの秘図(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156163

感想・レビュー・書評

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  • まさかの堀部安兵衛も登場。続きを早く読みたい!

  • 「何事も、己のことは己ではわからぬもの。(中略)なればこそ、人は他人のいうことに耳を傾けなければならぬのでございます。他人の目に映るわが身を忘れてはなりますまい」。

    元禄時代、旗本の妾腹の子として生まれ、父から疎まれ、剣の修行をし、剣士として生きようと決めた男の物語。

  • 主人公は剣の道に走るが 親におわれることに成る

  • 2010/03/03完讀

    旗本徳山家妾腹子・権十郎。自小不受父親喜愛,但兄長死後還是繼承人。對父親態度桀傲不遜,其實卻是客氣誠實的好青年。這本書寫他的成長過程,小時候受堀部安兵衛影響,在用人柴田宗兵衛和乳母的教養下長大,。由於小時去訪母親娘家的關係,也學會商人待人接物的柔軟。

    権十郎長大後受劍客堀內言教與身教,努力修習劍術。後來由於不想繼承徳山家,十八歲時出奔前往大坂找劍客佐和口,在東海道救了神秘的喜平治父女,因而一路上受到喜平治友人諸多照顧(這些人應該是盜賊吧?)。遍尋不著佐和口,権十郎回到京都,沈迷於お梶的肉體。此時父親重俊正陷於危篤的生死關頭…

    由於我先讀了さむらい劇場,覺得這本書好像它的更長篇版…應該說さむらい劇場是這本書的縮小版,おとこの秘図寫得更鉅細靡遺,目前是一個男孩長成男人的過程。

    **

    「男には…いや、武士(もののふ)には、初一念と申すものがござる。」「初一念とは、最初から強い決心をもって志した念願…これから、一個の武士として自分が為すべきことは、この一事のみ。つらぬき通すまででござる。」
    「男の進退はおのれ一人にて決するものでござる。余人の意見は、それぞれに違うものにて、また、世間のうわさ、評判などというものも千差万別でござる。そうしたものに、いちいち耳を貸していたのでは、自分が消えうせてしまいまする。」
    「人と申すものは、かならず死ぬるものでござる。このことを、絶えず、胸に思い浮かべなされ。さすれば…おのれが生くる道が、しかと、おわかりになりましょう。」
    「男と申すものは、大声に泣ける生きものでなければならぬ。」
    (武芸の鍛錬にできた勘について)「そうした勘のはたらきは、すべて正しきものとおもいこむと、取り返しがつかぬことになる。人間の勘のはたらきは、天地の動き、その移り変わりのかかわりあいを、あまりにもするどく感じ取るがために、かえって間違いを起こしやすいものである。おのれの勘のはたらきをたのむということについては仕方もないことではあるが…そのうちにもいちぶの余裕(ゆとり)をもっていなくてはならぬ。」
    「何事も、おのれのことはおのれでわからぬもの。それが人という生き物の性(さか)なのでございましょうな。ならばこそ、人は他人のいうことを耳をかたむけねばならぬのでござります。他人の目に映る我身を忘れてはなりますまい。」

    (610page)

  • 池波正太郎は
    鬼平犯科帳、真田太平記、剣客商売などで映画化、テレビドラマ化されている大衆に支持されている大作家です。

    私の持っている「おとこの秘図」は文春文庫版でして、昭和50年代の初めに発行されたものです。
    「鬼平」の前の8代将軍徳川吉宗の時代に盗賊改方長官を務めた「徳山五兵衛」を主人公に、若いころの放蕩な生活と、絵(秘図)に没頭した生活から、将軍吉宗との係わり、そして盗賊改方長官としての縦横無尽の活躍など本当に面白い作品に仕上がっています。

    第1巻の途中ではちょっと変な本かな?と思う人もいるかもしれませんが、読み終わったときは、やっぱり面白かったと思ってしまう本だと
    思います。

    新刊本では入手しにくい本かもしれませんが、第1巻を読んでしまうと
    どうしても続きが読みたいと思ってしまう本です。

    どちらかというと男性向けかなと思う本ですが、鬼平ファン、池波ファンの方には男女問わず、お奨めの長編作品だと思います。

  • 誰にもいえない趣味を持っていますか?剣客として武士として生きた盗賊改方・徳山五兵衛。私は持っています。(笑)

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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