真田太平記(二)秘密 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101156354

感想・レビュー・書評

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  • 【再々読】
    血沸き肉躍る
    秘密 ― 真田太平記㈡
    2010.10発行 大活字文庫 真田太平記㈡第1巻~第3巻。
    大活字文庫「真田太平記㈡」の底本は、新潮文庫です。このため登録は「真田太平記㈡ (新潮文庫) 」で行います。

    信州の弱小大名家の真田家が、家を、領地を、そして一族の者たちを存続させていくための戦いの物語です。

    織田信長による天下統一の動きが、明智光秀によって止まったいま。
    上州・信州の小大名である真田安房守昌幸は、関東の北条氏直、三河・遠江・駿河・甲信州の徳川家康、越後・北信州・上州の上杉景勝、上州・信州の小豪族と戦い、または共闘して共に戦いと、三勢力につかず離れずしながら信州・小県から上州・沼田までの勢力圏を維持しなければならない。いま最大の懸案は、北信濃から上州に進出してきている上杉勢である。その為に信州・上田平に真田家の本城・上田城の建設を急いでいます。

    上杉が北信州で勢力圏を拡大しだした。また上州でも上杉に味方する小豪族が、北条が、真田に攻めかけて来る。真田は、戦いながら昌幸が陣頭に立って上田城の建設を急いでいる。
    そんな中で、昌幸の子を孕んだお徳を、正室・山手殿が殺そうとする。次男・源二郎が、お徳を上州・名胡桃城へ送りとどける。その城で源二郎は、佐平次に源三郎兄上とは、母が違うが同じ年に生まれた、異母兄弟で有ることを明かす。
    21才の佐平次と、19才のもよが夫婦となった。その幼さない夫婦を見ていると、微笑ましいです。佐平次は、思い返せば、2年前に高遠城よりお江により助け出されなければ、今日は無かったのである・・・。
    声を出して読んでいると、血沸き肉躍るという表現がぴったりの本です。

    徳川家康が織田信長の次男・信雄に味方して、羽柴秀吉と小牧・長久手で戦う。
    家康が、北条に沼田を引き渡すと約束する。真田昌幸の承諾なしにである。家康は、北条を味方につけておかなくては、秀吉と戦が出来ぬ。北条は、どうしても沼田が欲しい。家康が、昌幸に沼田を北条に渡すように言ってくるが昌幸は断る。とうとう、徳川と北条が、上田に攻めて来るかと思われた。
    真田昌幸は、北条、徳川、上杉に攻められては守りようがない。いままで苦杯をなめさせた、上杉景勝に和睦の申し入れのために、上杉の本城・春日山城へ和睦のために、命がけで最愛の息子・源二郎信繁を連れて対面に行った場面では涙が出て来ました(涙)

    【読後】
    まさに戦国の後半を飾る、羽柴秀吉と徳川家康のにらみあいです。その間で、真田家は家を、領地を・・・守るために戦っている様が手に取るようにわかる描写です。情報が命です、遅れれば領地を守れません、壺谷又五郎、お江たち真田の草の者(忍び)が持ち帰った情報を、昌幸が判断し、指示を出します。特に音読していますと、感情が・・・、もう笑いと、涙がと大変です。あすからの真田太平記㈢が楽しみでなりません。

    【音読】
    誤嚥防止のために、音読を行なっています。読みなれた大活字文庫「真田太平記」を借りて来ました。
    音読は6月27日から再開しています。舌を噛み、舌の先に出来た口内炎が大きくなり食事もままならなくなり7月4日で一時中断しましたが。再度8日から再開しました。また舌を噛み16日から中断し、20日から再開しました。31日から舌を噛んでいないのに、舌が少し痛くなりました。8月2日から音読時間を10分台に少なくして続けます。4日から音読時間を、通常の30分台に戻しました。原因は、不明です。

    8月7日(金)で新潮文庫の真田太平記㈡に相当する。大活字本の真田太平記㈡第1巻~第3巻を、音読で読み終りました。
    2020.08.07読了

  • お江が魔性の女過ぎる。

    まず読みやすいんだよなぁ。色気を短く的確に配置してるのも勿論だし、あまり出てこない人物が再登場した時の1文程度解説があったり。 膨大な登場人物だから凄くこのシステム良い。

    後、「心得まいた」とか言うの謎にかわいい

  • 天下は豊臣秀吉の物になります。
    豊臣と徳川の小牧・長久手の戦い。豊臣秀吉と、徳川家康それぞれの思惑。
    真田家は周辺を大国の上杉、北条、徳川に囲まれています。
    豊臣と徳川が和睦したため、真田家にまた危機が。
    真田昌幸は、目に入れても痛くない次男坊の源次郎信繁を上杉の人質に出すことにします。
    昌幸と信繁は上杉家当主景勝から人質以上の扱いを受け、景勝に対して強烈な印象を持ちます。

    二巻副題「秘密」は、真田家の若者たちの出生のこと。
    こちらの小説では、真田昌幸の長男源三郎信幸は昌幸正室山手殿の子、
    一つ年下の源二郎信繁は別の女の子供となっています。
    そして次男が源二郎、長男が源三郎と言うことから、実は…と場内でも囁かれています。
    さらに彼らの姉の母は別の女性?…さらに物語には出てこない子供たちもいる様子。

    そして小説内では重要な人物として、信幸と信繁兄弟の従兄弟樋口角兵衛がいます。角兵衛は、真田兄弟の母山手殿の妹、久野とその夫の息子。しかし本当の父親は真田昌幸です。十代の頃から体が大きく力に溢れ、怒り出すと手が付けられない。
    NHKドラマでは角兵衛は榎木孝明さん。初期に自分の父は昌幸と知り「俺も大殿の息子なんだから城持ちになってもいいはずだ!それなのになぜ俺ばかり差別される!」…という理由があって暴れているのですが、小説では自分の出生を知らないのでただただ生まれ持っての性質として狂いの要素があったようです。

    真田家が迎えようとする戦闘の予感を含ませて二巻終了。

  • #3269ー9ー92

  • 信長亡き後、秀吉が勝家、一益、信孝・信雄、家康と対峙する中、真田も徳川・北条間で睨み合い、ついに上田城築城を進める。
    そんな中、お徳の懐妊から角兵衛騒ぎが起きる。
    源三郎と源二郎、昌幸それぞれの関係の変化も見え隠れしつつ、続きが気になる。
    313冊目読了。

  • 昌幸さん、お盛んだったのね…。昔は当たり前だったのかもしれないけど、疎ましいから殺してしまおうと思われる正室の悲しさ。まぁ、山手殿もなかなか凄まじい所があったのかもしれないけど。己の子供をそんな理由で愛したり、愛せなかったり…昌幸さん、悲しい人だな…。お江の出番も多くて楽しく読めました。なるほど名作、次も楽しみです。

  • 時代背景、地理、登場人物相関図どれをとっても名作と呼ばれる所以と深く感じいる、また場面場面の描写が素晴らしい武将の息遣いが伝わってきそうな気がするくらいの緊張感はついつい読みふけってしまう。特に著書(シリーズ)においては会話が魅力的で他の作品と違う世界観を醸し出しており、登場人物の魅力を際立たせている。そして著書(シリーズ)の特徴として文章の区切りが明確で読み易く、わかり易い!どんどん引き込まれていく。続けて続けて読んでしまう!

  • 戦国時代を1つのムービーのように眺めてられるのが楽しい。父子やその周りの人間模様、他国の武将との関わり合いなども生き生きと描写されていて、おもしろい。ラスト50頁から怒涛の展開で、次巻が気になる。

  • まだ好みの登場人物が登場していない。
    この後に期待。
    ストーリーは文句なしに引き込まれる。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=39376

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA87458475

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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