真田太平記(四)甲賀問答 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101156378

感想・レビュー・書評

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  • 【再々読】
    血沸き肉躍る!!
    甲賀問答 ― 真田太平記㈣
    2010.12発行 大活字文庫の真田太平記㈣第1巻~第3巻。

    上信州にまたがる真田家の領地を守るため、真田昌幸、長男・信幸、次男・幸村の活躍の物語です。

    第1巻
    お、お江が…、お江が…、甲賀の地に入って、甲賀の忍びの頭領・山中俊房の忍び集団に囲まれて、傷を負い…もう駄目かと思って…ひやっとしました。
    お江は、秀吉の御伽衆で山中俊房の又従兄弟・山中長俊のあとをつけ甲賀に入りますが。甲賀忍びに囲まれて瀕死の重傷を負い、甲斐で亡父と一緒に忍び働きをした田子庄左衛門によって助けられ、山中俊房が設けた忍びの隠し小屋の地下蔵で養生しています。

    第2巻
    お江は、甲賀の田子庄左衛門の地下蔵で体の回復を待っている間に、お江の亡父・馬杉市蔵と庄左衛門との交わりを聞き…、2人が武田信玄に仕えていた時の約束が今お江を助けている事を知りました。
    豊臣秀吉が名護屋に城を作り、朝鮮へ兵を進めます。陸地では、勝ち続けるが、名護屋から釜山への海路は朝鮮海軍が強く、物資の輸送がままならない状況であります。
    真田昌幸と長男・信幸が久しぶりに会いますが、両者の間に考え方の違いが有るように見受けられます。

    第3巻
    真田忍びお江が瀕死の重傷を受け、田子庄左衛門の隠し道の忍び小屋で傷の養生をして2ヶ月が経ちます。お江は、狭い小屋の中で半刻(1時間)ほど歩けるまでに回復し、甲賀からの脱出計画が始まろうとしいます。
    お江が、甲賀を決死の覚悟で脱出しょうとした時、そこを通りがかったお江たち真田忍びの頭・又五郎の躰が…震えだし、お江が呼んでいるように甲賀へ向かいます。
    豊臣秀吉は、我が子を亡くし、大政所(実母)を亡くしと、たて続きの不幸が重なり、心身ともに衰弱し、何かをしていなくては心が保たれなくなっています。

    【読後】
    お江が、甲賀忍びに囲まれて瀕死の重傷を負い、それからの脱出までが今回の山場でした。音読しながら、体に力が入り、声が大きくなり、自然と手が、足が、動いて行きます(笑)
    まさに血沸き肉躍る場面でした。

    【音読】
    誤嚥防止のために、大活字文庫「真田太平記」で音読を6月27日から行っています。
    舌を噛み、舌の先に出来た口内炎が大きくなり食事もままならなくなり何回か中断しましたが、何とか継続しています。

    大活字文庫「真田太平記㈣」の底本は、新潮文庫です。このため登録は「真田太平記㈣ (新潮文庫) 」で行います。
    8月30日~10月2日で新潮文庫の真田太平記㈣に相当する。大活字本の真田太平記㈣第1巻~第3巻を、音読で読み終りました。
    2020.10.02音読で読了

  • まあ、お江だね。
    お江の脱出劇なんだけど、どうせお江が主役ならそういうことになるんでしょ?まだ?まだ?はい、なった…みたいな予想通りな魔性ぷり。

  • この先にまたあるのかもしれないけど、ここまで読んだ今時点ではお江の巻というべき内容。
    (正直、昌幸父子のシーンより今回はお江のシーンの方が気になって読んでた)
    21冊目読了。

  • 真田家に仕える忍び、壺谷又五郎や、お江の父の出身は甲賀忍者です。
    甲賀における忍びのあり方が描かれます。
    そして物語では、秀吉に仕えていた甲賀忍びの本家と、家康に仕えていた甲賀忍び分家が手を結びます。
    真田忍びのお江は甲賀に深く入り込み、脱出の際に大怪我を負います。
    この四巻は、ほぼ全部を掛けてお江さんの甲賀脱出物語です。

    天下人豊臣秀吉は朝鮮攻めに出ます。
    上杉の人質源二郎信繁は、豊臣秀吉の元に移ります。「どうせ人質ならわしが預かろう」
    真田家は海を渡り朝鮮に戦に行くことはないのですが、陣中で真田昌幸は上杉景勝、秀吉の奉行の石田三成からそれぞれ思いやりや義を受け感じ入ります。
    …つまり関ヶ原でどっちに着くかこういうことで決まったんだよ~という理由づけですね(笑)

    終盤で千利休が死にますが、作者の考察のようなものが記載されています。
    歴史小説は、たまに作者の論文や感想みたいなものが出てくるのが楽しめます。

  • 甲賀忍者と草の者との戦いを手に汗握りながら一気読みでした。昌幸って…実は知略に長けてる感じで、でももしかして迂闊なの?とも思った巻。信幸と幸村がいなければ…と思わないでもない。お江が生き延びたことに私も感動してしまった。男女のシーンは私はあまり要らない派だけど、何にしても目の敵にされてるお江の今後も楽しみです。

  • 史実のストーリーにあまり動きはないが、忍同士の緊迫したやりとりが楽しめた。

  • お江が無事でよかったー!

  • この巻は、甲賀に潜入し窮地に陥った真田の忍びお江とそれを助けた田子庄左衛門の物語。忍びの者たちの生の苛酷さと哀切。池波正太郎、よくぞこんな世界を作りあげたものだ。 そして徐々に精彩を欠き狂気すら垣間見える天下人秀吉。次巻はどう物語は動いていくのだろうか。

  • #2780ー15ー75

  • 草のもの活躍巻。
    忍者のアクションシーンが楽しめた。

    ささ、次の巻へ

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=39376

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA87458726

  • 副題の「甲賀問答」の通り、忍び達のエピソードが中心のこの巻。お江や又五郎にはまだ隠された謎がありそう。解き明かされて行く展開が楽しみ。
    昌幸・信幸・幸村だけじゃなく佐平次やお江・又五郎など、幾重にも重なった群像劇。
    読み応えがある。

  • 忍びの戦闘シーンは読み応えがあり、一気に読み終えてしまった。秀吉の晩年は読むに堪えない。後継者が不在であるが故に引き際を得られなかったことによる悲劇なんだろう…

  • 処分

  • 草のものお江の甲賀潜入と戦い、逃れ得ぬと思い極めた時に差し伸べられた手、甲賀の本拠地で半年におよび匿われ療養し、追手と戦い脱出するまでがメインストーリーの巻。真田家としては、朝鮮の役への参加がもとめられ。/家康につかえる山中大和守と秀吉につかえる山中内匠が、ともに家康のために働こうと会談/「笑いたくなくとも、先ず、笑ってみるのがよいのだ」(馬杉市蔵。お江へ)。エヴァの名台詞にもつながる痕跡がこんなところに。(つながってはいないだろうけど)/お江の行方不明を幸村へも信幸へも告げず。”いまは昌幸も、肚を打ち割ることが不可能になった長男なのである”/信幸への通報が遅れたと、知らせてきた徳川の家臣に腹を切らせようとした小松/「太閤殿下が天下人となられて、世が治まったか?」(昌幸)/「殿、名護屋へおもむかれましたなら、めったに、草の者をつかわれてはなりませぬぞ」(矢沢頼綱)/柳生宗章へ刀術指南を懇願する鈴木右近/「沼田へは、お前に行ってもらったほうがよかったのかもしれぬ」(昌幸、幸村へ)/理屈や五感ではたらくようになってしまっては「もはや、忍びではない」/死ぬるなら働いて死ね(山中大和守、お江を逃してしまった杉坂重五郎へ)/幸村といい佐平次といい、これほどお江のことを絶えず気にかけている人びとがいるとは(又五郎)/与助よ、馬杉市蔵の娘を討ち取れ(山中大和守)

  • 我らがお江の大ピンチ。
    忍者もの風味が強い四巻。
    あと、太閤さんがぼけてきてる。

  • 本筋も進みつつ、裏で動く忍の戦いがメインの巻。創作パートはハラハラして楽しい。右近の行く末も気になるところ。

  • 歴史の裏で闘う忍びの活躍が描かれていて、息を飲むシーンが何度もありました。物語が進むにつれて浮き彫りになる彼らの繊細な感情の変化に、胸を動かされました。

  • この巻では、忍びの者が暗躍。
    現代でいう、いわゆるスパイ。
    人間離れした、忍び同士の壮絶なしのぎあい。
    歴史の表には出てこない、裏の顔が垣間見える。

  • 『真田太平記』は、表と裏の話が同時進行する、というスタイルであるが、本巻は裏、つまり忍び同士の闘いが中心。

    物語で描かれているような、いわゆる“忍び”の術が事実であるかどうかは知る由もないが、忍び同士の闘いは、手に汗握るような感じで読み進められる。池波の表現力が見事なのだろう。

    もちろん、表の話も展開されているが、メインは朝鮮出兵のうちの文禄の役。このあたりから、豊臣政権に綻びの兆しが出始めてくる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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