- 本 ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101156408
感想・レビュー・書評
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ついに関ヶ原の決戦が始まる。
西軍についた真田昌幸と幸村は徳川秀忠率いる大軍を上田に釘付けするも、結束のはかれなかった西軍は敗れてしまう。
真田昌幸と幸村の運命はいかに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【再々読】
第7話は、上杉景勝を攻めるために会津に向かっていた徳川家康について行っていた真田昌幸と次男の幸村は、大阪で石田三成が反徳川の旗を上げて挙兵したのにこうおして上田城に帰って、徳川秀忠を大将とした徳川方の第二軍を上田城で翻弄するところから始まって、最後は、石田三成率いる西軍が敗れて高野山へ流されるまでを書いています。関ヶ原の戦いで真田忍びの「草の者」たちが、三度にわたって家康を殺そうと襲いますがことごとく失敗します。
【読後】
真田太平記は、再々読です。何度読んでも、真田一族の生き方が好きです。特に、真田太平記では、真田忍びの「お江」がとても好きです。大活字本は、1巻~6巻までしか発行されていません。このため真田太平記が読めずにいました。
此度、「ブックオフの棚で真田太平記を見つけて、何度も中身を見るが字が小さいので棚に戻す。が、何度も手に取る。読めるかどうか分からないので、7巻目だけ買おうと思ったが、値段を見ると7巻と8巻だけが110円のため2冊買う。なんとか読んでみたい。」との思いで、この本を買いました。
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真田太平記シリーズ一覧
12.雲の峰
11.大坂夏の陣
10.大坂入城
09.二条城
08.紀州九度山
07.関ケ原 2024.09.19読了
06.家康東下 2020.11.05大活字本で音読で読了
05.秀頼誕生 2020.10.17大活字本で音読で読了
04.甲賀問答 2020.10.02大活字本で音読で読了
03.上田攻め 2020.08.30大活字本で音読で読了
02.秘密 2020.08.07大活字本で音読で読了
01.天魔の夏 2020.07.22大活字本で音読で読了
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「購入」
関ケ原 ー 真田太平記シリーズ7作目《文庫本》
1987.12発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
2024.09.16~19読了。★★★☆☆
ブックオフで110円で購入2024.08.12 -
関ヶ原だから一応山場の一つの巻になるのかな?
三成は味方を怒らせ、他の味方は愛想をつかし、それが空回りと自分でもわかってるから余計に周りが見えなくなって結果愚策を取り、関ケ原の戦いでは味方に裏切られとかは言われ尽くしてるんだろうけど、昌幸の上田城の受け渡しの策とかの場面も面白いよね -
ついに関ヶ原の合戦に突入。
信幸との対面からすでに鮮やかな策略。
上田では真田父子が秀忠・正信を翻弄する。
そしてお江、又五郎の家康襲撃。
74冊目読了。
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第7巻「関ヶ原」
三成側についた昌幸、幸村親子は上田城に篭ります。
もし三成が勝ったら真田家は豊臣政権の中心に抜擢されるかもしれません。
真田親子は、距離的に三成と家康がぶつかり合う合戦場に行くことはできません。
だから家康の嫡男、徳川秀忠の率いる徳川本体を家康の元に行かせないための時間稼ぎをします。
信幸は徳川側についたので、父のもとに城明渡しの使者として訪れます。
昌幸は安房守、信幸は伊豆守です。
NHKドラマで丹波哲郎さんが渡哲也さんを「ずしゅう(豆州)」「ずしゅうどの(豆州殿)」と呼ぶその呼び方が何とも印象的でその声と口調で頭に浮かびます。
昌幸と幸村親子は知略と武力を尽くして徳川本体を足止めしたので、あとは石田三成率いる西軍に任せるしかありません。
真田家の草の者、壺屋又五郎やお江さんたちもそれぞれが主家と離れ自分の意思と知略で家康暗殺を謀ります。ここが真田家の忍びが一般と違うところ。普通は忍びが主家から離れて独自の頭脳で動くことはあり得ないという立場。
しかし徳川軍と石田軍は前哨戦を経て思いがけず関ヶ原にて野戦となり、石田方は7時間の決戦で大敗します。
ここでも真田家草の者は家康本陣に詰め寄り家康の首級にあと一歩と迫りますが…、
講談?か時代劇のお約束?で「家康の本陣に七人の刺客が切り込んできた!」というものを聞きますが、それを元にした池波エピソードですね。
関ヶ原大戦後の勢力図の変更の様子が描かれます。
後世から見るとどう考えても家康が天下を狙ってるだろうとしか思えないのですが、この当時の武将たちはあくまでも家康は秀頼のために三成を排除し、今後は皆で秀頼を盛り立てると本当に思っていたようで。
しかし関ヶ原後明らかに天下人のようにふるまう家康。
そこでやっと何かが違う…と思いだす豊臣家家臣たち。
しかしこうなっては家康に従うしかありません。
さて。
この巻は著者の個人的見解と言うか好感嫌悪がよく表れています。
まず著者が優れているとしている人物の描き方。
昌幸と幸村親子のこと
「この時代のすぐれた男たちの感能はくだくだしい会話は理屈や説明を必要とせぬほどに冴えて磨き抜かれていた」
「人間と、人間が住む世界の不条理を極めて明確に把握していたのだろう。人の世は、どこまで行っても合理を見つけ出すことが不可能なのだ。合理は存在していても人間と言う生き物が”不合理にできている…”のだからどうしようもないのだ。人間の肉体は誠に合理を得ているのだが、そこへ感情と言うものが加わるため、矛盾が絶えぬのである」(P127)
関ヶ原の激戦の最中、家康は「小早川の裏切りはまだか~~~」とうろうろしして「小早川はどっちに付きそうだ?」と問う使者を出しまくるのですが、それを一喝したのは黒田長政。
「おれはいま敵勢と戦っておるのだ。ならば何としても駅の本陣を突き崩さねばならぬ。小早川がことはその後の事じゃ。しかと申し伝えるがよい。よいか、うろたえるなよ!」「内府もどうかしているのではないか、戦っているわしに松尾山の様子が分かろうはずはない。内府ともあろうものがなんたることだ、かくなれば運を天に任せ、戦って戦って戦い抜くよりほかに為すべきことはない」(P301)
さらにさんざん迷った小早川秀秋が、結局家康に味方し三成を裏切り西軍を攻めることにした…ことに対しての小早川家老。
「裏切りがいかぬと申すのではない。裏切るからには裏切る頃合いがある。今この時、東西両軍の乱戦を目の前にして、味方を裏切るとは何事か。これによって小早川の家名に深い傷がついてしまうことが分からぬのか。裏切りはならぬ。かくなればどこまでもこの松尾山から動かず戦の終わるのを待てと申せ!」(P135)
そのほか、勝敗が決まった時に敵中突破で退却した島津隊、居城に戻り立派に立て籠もった後開場に応じた立花宗茂などは、敗戦側とはいえ清廉な一念を通したということで敬意を持たれています。
反対に著者がいらだちを感じているのは、優柔不断で自分で決断できないような武将たち。
石田三成は、まさに清廉な一念を通してはいるのですが、決断が遅い!事前調整ができない!人に任せない!完璧な計画でないと実行できない!リーダーなのに細かいこと気にし過ぎ!リーダーなのにうろちょろしすぎ!…などと著者のいらだちを感じます(笑)。
著者としては、関ヶ原で石田三成が大敗したのは味方の裏切りとは別儀で、「七時間も戦ったのだからその間に家康本陣に攻め入ることができなかったとはよほど采配が悪かったのか?」と、幸村に言わせております。
さらに関ヶ原合戦真っ最中に西軍でありながら日和見を続けた武将たち、裏切った武将たちに対しても著者は「裏切るのは良いけれどタイミング悪すぎなんだよ!大決戦しているその場で、どっちかが完璧に勝つとわかるまでは裏切りさえできないってどういう奴らだ!」「○○軍が動かないから自分も動けない…って子供の使いか!」などイラついている(笑)
そして大阪城に入った西軍リーダー毛利輝元が、関ヶ原後に一戦挙げるどころか余りに容易く家康への大阪城明渡したことへ「大阪城を明け渡すにしても事前交渉も碌にせずに甘い口約束に乗っかってただで出て行っちゃって、そのおかげで難癖付けられ所領削られ、輝元を丸め込むのは赤子の手を捻るより容易い」と言う様子。
また著者は官僚タイプで机上の戦論には厳しい目線を向けているようで、
東北で戦を繰り広げている上杉景勝へは敬意を払いつつ、その重臣直江兼続に対しては「著者は世上にもてはやされているほどに直江山城兼続を買っていない」んだとまで言っている。三成も兼続も「一か八かの激烈な闘志に揺り動かされて大局を見ることができない」のが低評価みたい。
そして真田家への処遇。
本家の昌幸と次男幸村は石田方について徳川秀忠の軍を足止めし、家康と秀忠を激怒させていたのですから、死罪が妥当と思われていたようです。
そして分家した長男信幸もいくら徳川方に附いたからと言って非常に覚えが悪いです。
そこへ信幸の舅であり家康の重臣本多忠勝の説得。
「かくなるうえは、それがし伊豆守殿とともに沼田城に立て籠もり、殿を相手に戦つかまつる」
脅しでも駆け引きでもなく、一貫して家康への忠義を貫いた真田信幸に命懸けで応えようと腹を括った説得に、家康も折れるしかなく、真田昌幸・幸村親子は流罪となったところで七巻終わり。 -
関ヶ原の戦い、真田の草の者が何度も家康に迫るも討取れず西軍は敗北。
本田忠勝の必死の助命により真田親子は一命を取り留める。
関ヶ原の細部が分かって面白い。
吉川広家や小早川秀秋など旗幟を鮮明にしない者は滅びゆく運命か。 -
徳川第二軍と戦い、上田城で関ヶ原の決戦に遅れさせた真田昌幸と幸村。そして草の者達の家康への必死の攻撃。しかし、西軍のまとまりの無さ!
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ついに又五郎が逝ってしまった。関ヶ原の表の武将たちの生死よりも、草の者達の命をかけた戦場における疾走感がたまらなく面白く、それだけに散った事が悲しかったです。秀忠を進軍させなかった真田親子はさすがでした。追い返した小松殿、決戦覚悟で庇う岳父 忠勝。石田三成は戦いに向かないにも程がある。負けるべくして負けたの感が否めない。小早川秀秋はどうぞ冷ややかな目で見られ続けてください、と思う。それぞれの武将に感じることが多々あった巻。面白すぎました。この後、これ以上面白くなるのかしら?と思いつつ次巻へ。
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真田家が東西に分かれて、臨んだ関ヶ原の戦い。
どちらが勝っても真田家は生き残る。
西軍側の愚ばかりが浮かび上がり、家康の優れた部分がクローズアップされる。
敗れた真田本家は、高野山に封じ込められてしまう。
ここから、昌幸、幸村父子がどうなってしまうのか、次巻からが楽しみである。 -
意外とあっさり終わった徳川の上田城攻め。
そんな中での幸村突撃シーンに燃え。
ささ次巻へ
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池波正太郎の作品





