真田太平記 (八) 紀州九度山(新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (626ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156415

感想・レビュー・書評

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  • まあタイトル通り山場は九度山だろうけど、草のものの動きが結構激しかったよね。

    いつもの猫田のお江ストーキングからおくにとの密会、印判屋と足袋屋だったかな?からの伊平との色々から、頭領の色々から、幸村に暗殺の提案。

    てか他では「忍びは同族を臭い(雰囲気的な)でわかる」みたいなのを醸し出してるのに、長い間隣で商売をしててもわからんもんなんじゃね。

    猫田与助と頭領の変貌が私的には山場だったかな。
    気持ち悪いくもあり可哀想でもあり感情が入り乱れた。

  • 八巻「紀州九度山」
    真田昌幸・幸村親子は紀州九度山に流罪になります。
    見張り役は、豊臣家五大老も務めた浅野家のため、扱いは決して悪くありません。

    さて、私は「豊臣家家臣たちは、家康が豊臣家のために三成と合戦を起こしたと本気で思っているのか?!」と思いましたが…
    本気で豊臣家を乗っ取ろうとしているのは石田三成で、徳川家康はそれを排除するために立ち上がったと信じていたようですね…。
    そのため、その後わずか数年で家康が将軍になり幕府を開き、驚いたり後悔したりもしますが、こうなったからには家康に従わざるを得ません。

    昌幸・幸村親子は、いつか必ず関東(徳川)と大阪(豊臣)には戦が起こると読み、その時は必ず九度山を抜け出し駆けつけようとその日を励みに流刑地で暮らします。

    この巻は天下の情勢を描きつつ、真田家の草の者の活躍が描かれます。
    戦が無くなり、忍びの活動も平常時のものに変わりつつあります。
    そんななかで真田昌幸についていた草の者たちは、豊臣と徳川の戦になったら昌幸と幸村が存分に戦えるように準備を整えます。

    話しとしては時代変換の説明のような第八巻。

  • 真田家よりも草の者たちのシーンが面白くて、何度も読み返してしまう。草の者にも色んな感情があるんだな。人間だから当然の事なんだけど、もっと淡々と主の命令にのみ従うイメージだったので新鮮でした。昌幸の命が燃え尽きようとしている最後。次巻も楽しみ。

  • 名文を引用します。

    うなずいた五郎右衛門が、にっこりと笑った。
    それは、春の陽を受け、凪わたった海原を海原をおもわせるような微笑であった。
    このときの柳生五郎衛門の笑顔を、滝川三九郎は生涯、忘れなかった。(新潮文庫181ページ)

  • 一大イベントの関ヶ原後のちと寂しい巻。
    草の者も活躍の場もなく全てがひっそりと、だが、したたかに蠢動。

    ささ次巻へ

  • 真田昌幸・幸村がひっそりと暮らす紀州(和歌山)九度山が基本的な舞台に。
    関ヶ原で敗戦後、処分があるかと思いきや
    本多忠勝・真田家長男の信幸の口添えもあって九度山へ。
    でもまぁそれでも草の者もチャンスを伺うわけですよ
    徳川家康の首をとれるのだろうか…とか。
    しかしながら男、本多忠勝。
    こればっかりは実写版で演じれる人がいないのではないかと思うくらいに
    素晴らしい。
    こうゆう人が上司や先輩だったらいいのに。ねぇ。
    そしてお江もまだまだ活躍してくれそうですな。

  • 今度、九度山まで原付で旅に出ようと思っています。

  • 物語も重要な局面に差し掛かる、著書は歴史の観点からも著シリーズの展開からも「静」の状態が続く、八巻はこの時代をしっかり描かれており、この流れが後の徳川幕府三百年の礎となる!関ヶ原の合戦以降ある意味事が起こらない、いわゆる平和ボケが諸大名の牙を抜いていく、家康は戦国武将が相次いで没する中ジワジワと足場を固め、逆らっても仕方がないという感情を植え付けていく、裏では自分の目の黒いうちに二代目将軍を確立、信長、秀吉が出来なかった長期政権の基礎を確立、その中にあり真田父子も大きく揺れ動く、登場人物それぞれが歳を重ね考え方の変化や動揺、個人的には非常に楽しめた、最終局面を向かえるにあたりどう力を溜めていくか?次の展開に期待したくなる一冊であった。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=39376

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA87460455

  • 最後、昌幸大丈夫かな…

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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