天魔: 剣客商売 (新潮文庫 い 16-49)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156491

作品紹介・あらすじ

音もなく小兵衛の前に現われ、「秋山先生に勝つために」、8年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は?次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。愛弟子に〔なれ合い試合〕の許しを求められ、苦衷を察して許可を与えた小兵衛が、皮肉にもその試合の審判を引き受けることになる「雷神」など全8編。シリーズ第4作。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第四作。天魔では笹目千代太郎、約束金二十両では平内太兵衛という強敵が登場。

  • 諧謔サービスが目立つようになってきた。

  • これからの大治郎と佐々木三冬に期待。

    天魔で笹目千代太郎を討った大治郎、かっこよかった。
    大治郎がどんどん成長して、今後が楽しみ。

    また、今までの登場人物が、ところどころで登場してくるのが、剣客商売の楽しさでもある。小兵衛の人徳だなぁ。

  • この巻で大二郎が一気に成長したように思える。
    そして三冬との距離も縮まりつつある。
    旧友、敵討ち、念者、詐欺、なんでもござれ

  • やっぱり面白い。
    シリーズ4作目。登場人物などはお馴染みだが、関係性が濃密になってきて、読んでいて心地いい。いつまでもこの世界を読んでいたい、と思わせます。

  • 小兵衛の剣友の息子、千代太郎との勝負は、さすがの小兵衛をも、勝てぬかもしれない、と思わせた。親子の決意と、父に似ていく大治郎の変化が面白い。
    男色女房約の弥五七の話は、珍しく小兵衛がおもしろ半分に始まった件で、最後は悲しい結末に。

  • さいとうたかを先生の漫画では弟子の八百長エピソードで完結していたので続きが読めて嬉しい次第。

  • ひたすら面白い

  • 剣で人を殺すことを厭わない、恐れない、それどころか愉しんでいるものは、すでに人ではなく鬼だ。
    ましてや天狗のように跳々と舞い、並外れた剣客が幼い姿をしている不気味。
    表題の天満から始まる、シリーズ四冊目。少しずつ変わってきた大治郎の変化が面白い!

  • 作者の筆にいよいよ勢いが出てきた感じ。
    シリーズ中、第四作目となるこの巻が
    私の中ではベスト1、2を争う。

    この巻に収められている作品一つ一つが、
    大変な個性を持ち、どれも面白い。
    小兵衛が、愛弟子に許した「なれ合い(八百長)試合」を、
    皮肉な事に自分が審判役を務めることになってしまい、
    そこには思わぬどんでん返しが待ち受けていた
    「雷神」や大治郎が、知人の見舞いを父に頼まれて
    行った先の箱根で、起こった事件が描かれた「箱根細工」、
    鬼熊酒屋にやってくる奇妙な人々の事が描かれた
    「夫婦浪人」、「鰻坊主」など題名を見ただけで
    どんな話なのだろうと興味をそそられる面白い作品が
    沢山入っている。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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