あばれ狼 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156514

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  • 全七編の短編集。
    前四編は、連作短編。
    後三編は、真田家もの。
    ひとつひとつの物語は、池波正太郎らしさがあるが、これを一緒に収録するのは、少し無理があるかもしれない。
    前四編の連作短編で一冊にしても良かったのではないだろうか。

  • 手越の平八郎を中心にした話、真田太平記の話。全7編それぞれ読み応えあり。2度読みしてしまった。

  • もっと期待したが、時間つぶし+アルファ。

  • 角兵衛狂乱図(樋口角兵衛)、幻影の城(沼田氏三代)、男の城(鈴木右近)のみ読了。角兵衛…は、真田信幸の、「公儀の隠密なぞ、いささかも恐れることはない。来たければ来い。わしの為すことをすべて公儀の耳へ知らせよ。わしは只、世の平穏をねがい、領国の繁栄に心をつくすのみじゃ」(p.253)という気概と凄みを感じさせ、角兵衛が幕府隠密としてその仕組みを認めた遺書により、幕府からの難癖を打ち破る決定打を放てたという見立て。母久野が口走った、お前は大殿のご落胤ということば、死の前にそれを覆すことば、いずれも角兵衛の人生を翻弄し哀れを誘う。幻影の城は、妾腹の子を後に据え直そうとする隠居が英邁な当代を殺したことから巻き起こる混乱。男の城、は、鈴木右近の幼少から、真田氏に仕え、二度の出奔後、無二の忠臣として仕え、最後は信幸に殉死したところまでを描く。十年にも及ぶ牢人生活を不自由なく過ごさせた父鈴木主水の遺産とそれを管理した忠臣のエピソードが印象に。右近を通じて小野お通とやりとりしていた信幸が、妻の死の床で、右近ほどの家臣は松代に戻すべき、と釘を刺したシーンも。お通は徳川の間諜だったから松代には来られなかったという見立て。ストーリーはオールドファッションな学説に乗って描かれるが、そこで動く登場人物たちは魅力的で躍動感に満ちている。

  • 間違いなく池波世界なのですが、1冊にまとめるには若干無理のある短編集。後半の真田家の物語は一緒にしない方がすっきりします。

  • 真田太平記を読み終えてから、4編の真田のわき役の話を読みました。
    どちらが先か分かりませんが、本編との重複が多く、また設定が異なっていて混乱したりと、真田太平記を先に読まれた方にはお勧めしません。

    他の男の友情?任侠ものが3編ありましたが、少し退屈でした。
    池波さんは長編の方が、お勧めなのかもしれません。

  • 20140706 疲れて元気が出ない時、池波小説は薬になる。

  • この「あばれ狼」に描かれている短編は後に姿を変え舞台にも登場している。いいねぇ。
    後半の短編は池波さんの代表作である真田物の一品。
    この後半を理解すれば、「真田太平記」が楽しめる。

  • 真田親子と鈴木右近の短編がおもしろい。12.9.30

  • 共七篇短篇小說。這本裡面有三篇後來構成真田太平記的短篇小說(我是池波真田物的粉絲,雖然情節都很熟了,再看還是覺得很棒),三篇池波代表的「股旅物」,還蠻值得一讀。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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