剣客商売 一 剣客商売 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.96
  • (321)
  • (288)
  • (309)
  • (21)
  • (3)
本棚登録 : 2423
感想 : 285
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101157313

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 剣客•秋山小兵衛は鐘ケ淵の隠宅で歳の離れたおはると共に暮らしている。息子•大治郎は近くに道場を構え独立している。ここに時の老中•田沼意次の妾腹で美貌の女剣士•佐々木三冬が関わって、様々な出来事が起きる。小兵衛はもちろん、大治郎の剣技は尋常の域を超えており、二人が恐れるものは何もない…。

    第一話は1972年に連載が始まり、以降大人気シリーズとして書き続けられた。言わずと知れた池波正太郎の代表作の一つ。テレビドラマは見たことあったけど、読んだことはなかった。
    読みやすい。サクサクと読める。"大衆時代小説"とは、やはりこれだ。これが大事だ。登場人物のみならず、地の文までが時々「伝法口調」になったり「語り調」になったりするのは、著者の江戸っ子気質が存分に発揮されているからだろう。そしてとりもなおさず、講談などの"語りもの"の流れの先に大衆時代小説があったことの、一つの証明なのではないだろうか。そんなことを感じた。

  • 老剣客の秋山小兵衛と道場師範の秋山大治郎、女剣士の佐々木三冬を中心に巡る人生が描かれる時代小説の第1巻です。
    女武芸者、剣の契約、芸者変転、井関道場・四天王、雨の鈴鹿川、まゆ墨の金ちゃん、御老中毒殺が収録されています。
    かつては凄腕の剣客であった秋山小兵衛は、孫くらいの歳である百姓娘のおはると男女の仲となっています。
    息子の秋山大治郎は太平の世における剣客となり、父の小兵衛は敵討ちに生涯付き合っていく剣客の生き方を息子が歩んでいくことに虚しさを覚えるのです。
    女剣士の佐々木三冬は小兵衛の剣技に惚れ、老人であるにも関わらず男性としても好くことになります。
    様々な生き様が紡がれていきますが、刻々と過ぎていく日々の中でこの三人とおはるの関係性も熟していくところに人間味を感じました。
    2巻にも期待します。

  • 剣客商売 一

    「鬼平犯科帳」に続き、こちらのシリーズにも手を出してしまいました。
    主人公の秋山小兵衛は、御年60歳。小柄で飄々とした佇まいですが、剣術は滅茶苦茶強いスーパー爺さんです。
    息子の大治郎は巌のようにたくましく、超ストイックな若者ですが、こちらも剣の腕は一流。この凄腕父子を中心に話が展開します。
    酸いも甘いも嚙み分け、40歳も年下のおはると同居して悠々自適に暮らす小兵衛は、男装の美少女剣士で、老中・田沼意次の妾腹の娘、三冬からも熱い視線を送られるなど、“オヤジドリーム”を体現しまくっているのですが、生真面目な息子・大治郎との対比が面白いですね。
    今後秋山父子がどのような事に巻き込まれていくのか、次巻以降を楽しみに・・・。と思っていたら、巻末の解説で今後のネタバレが書かれていて、ちょいと興ざめでした。

  • スーパー爺さん登場!!
    最近は時代小説ばかり読んでいて、読みやすく楽しいシリーズ物を探しててオススメされた作品。
    短編形式で読みやすい。
    秋山小兵衛=スーパー爺さん

  • 2003/04/25
    親子、夫婦、友人と江戸を舞台に人間関係が時に切なく、時には爽快に描かれるシリーズ。
    才能、やりがい、何を幸せと思うのか。今は恵まれている環境と思うけど、それに胡座をかいている日々かも。楽しい毎日だけど、何かをはじめたい!

  • 2019年7月20日、読み始め。
    2019年7月25日、読了。

    これが剣客商売か、という一種の新発見をした感じ。
    テレビ時代劇や映画にもなった作品だが、内容はほとんど知らず、で今まできた。
    が、ここにきて、時代小説にはまり気味で、ようやく読んだ。

    • やまさん
      seiyan36さん
      こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      「取次屋栄三」は、栄三郎の人柄が一番の読みどころです。
      取次屋栄三は...
      seiyan36さん
      こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      「取次屋栄三」は、栄三郎の人柄が一番の読みどころです。
      取次屋栄三は、2010年10月~2019年08月までで20冊書かれています。
      これだけ長く続くのは、それだけ売れているのだと思います。
      いい本を見つけたと思っています。
      しかし、貸出期限が迫っているので2作目を読むのは、少し先になると思います。
      やま
      2019/12/05
  • 初めて読む方は、解説を絶対に読まない方がいいと思います。

  • 「鬼平犯科帳」を一気読みして1年。

    杏さんのエッセイで三冬の話を読み、このシリーズも読んでみよう!と手を出した。

    初め、なんとなーく読み進めるのが遅い感じがあり、設定にのめり込めず。
    鬼平犯科帳の平蔵さんは、ドラマで観ていたので、頭の中で作品通りに自由自在に動いてくれるが、今回の小兵衛は、うまく想像ができず、頭の中で動いてくれない。
    動き出してくれたのは、「剣の誓約」から。
    そこから一気に読みすめたら、とまらない。

    小兵衛さんと、息子の大治郎は、剣の技術は同等くらいと見えるのに、女性に関しては真反対。
    「雨の鈴鹿川」では、辛かっただろうなー(笑)

    女武芸者
    剣の誓約
    芸者変転
    井関道場・四天王
    雨の鈴鹿川
    まゆ墨の金ちゃん
    御老中毒殺

  • シリーズものに手を出してしまった。
    これほど胸躍る時代小説だとは露知らずに。

    剣の腕が立つ親子の活躍を描く短編集。
    ミステリあり、サスペンスあり、アクションあり、官能あり。
    およそ思いつくあらゆる娯楽小説の面白さが詰め込まれている。

    石田衣良のIWGPが好きなら、このシリーズにもハマること間違いなしだ。
    二作目も読みたくてウズウズしてしまう!

  •  痛快の娯楽時代劇。剣の道に生きる秋山親子の周りで起きる、いろんな出来事に老練な小兵衛と真っ直ぐな大治郎が立ち向かう。

     登場人物たちも魅力に溢れ、物語の中に惹きつけられる。

全285件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池波正太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×