イエスタデイ・ワンス・モア Part2 (新潮文庫 こ 10-27)

著者 :
  • 新潮社
3.56
  • (3)
  • (9)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 74
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101158273

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • でるわでるわお宝的描写の数々。
    主人公が18歳でタイムスリップした1959年は何を隠そう、私が18だった。

    妙な気分になるのはもっともであるよ。これじゃ、思い出じゃん。
    堪能したけれど、感想?いやん、懐かしいというより赤恥もの。

    もちろん主人公のように現代の(といってもこの物語の時代が1989年だから、これでももう古い)洗礼を受けていないからうぶな高校生だったものだ。

    ありました、都電。観ました映画の数々。読みましたその本。聴きましたその流行の曲を。
    トランジスタラジオ!!で。あーあ、まんまの世界。

    サックドレスにAラインのワンピース。くるくる変ったファッション。Gパン。

    そう、高速道路も新幹線もなかった。空が広かった東京。
    銀座は新しいものと古きよきもとの、ごたごたごみごみしていたよ。
    しかし、活気はものすごくあった。明るかった。

    皇太子(今の天皇様)美智子さまご成婚の馬車パレードを白黒TVで観て、東京オリンピック開催が決って、それにむけてのいろいろな工事が始まりかけていたのだと思う。

    そして受験。やたら学生の人数が多かったなー。

    安保闘争で明け暮れたのはその翌年だった。

    私の年代なら懐かしさの奇妙な感じに戻り、後世代は完全なるタイム・スリップ(笑)のものがたり。でも、どこか懐かしいと思うよね昭和30年代。

    と、わたしの青春時代(笑)を振り返ってしまう時間旅行の本である。楽しかったよ。

    ところで

    今、私が東京で漠然と感じているのは、空の見通しは狭まったけど空気が戻ってきた気がする。特に冬はね。長い間スモッグが凄かったのだから…。

    暗い時代といわれているけれど(経済の閉塞感、政治の仕組みの不備、社会の悪など)すくなくとも科学の発達と自然保護のおかげで環境改善努力の成果は東京にある。まあ、高度経済成長期とその後のバブル景気の時よりはだが。

    その証拠にお盆休みやお正月はほんとに東京の空気が違ってきている。それがタイム・スリップのようであるということに気づいた。戻ってはいないんだけどね。

    *****

    カーペンターズの「イエスタディ・ワンス・モア」はなんどもなんどもリバイバルする。
    思わず古いカセットテープのを探し出して聴いた。いいねぇー。ここでも思い出に浸ってしまったわ。

  • 時代の空気がよく伝わる佳作である。ビートルズに対する評価の違いと、突撃インタビューへの熱意。暗殺計画阻止と、仕込みは様々。この後、もうタイムスリップをしないのか?続編があってほしい。挿画は、吉田秋生。雰囲気が出ている。

  • 前作の続編的位置づけ

    購入する際、私は2冊まとめて買いました。
    この作品も舞台は1960年代、前作の6年後へタイムスリップする設定
    ここでも、自身の亜場が登場、そして、将来自分の母親になるべき人も登場してきます。

    来日するビートルズを自分の父親になる人が殺害しようとしており、それを阻止しようと今回はタイムスリップをしてきたという流れになっています。

    読むことで、その60年代のオリンピックから高度経済成長期の街の様子などが伝わってきて、日本の強さ

    たくましさを再認識で来たり、一方では人間模様が想像しやすい描写がなされていて・・・


    読んでいて、人間臭さがあって何とも温かみのある作品です。
     

  • 過去にとどまろうと決心した前作。
    1959年からさらに、ビートルズ来日時にタイムスリップ。
    当時の喧騒ぶりとビートルズメンバーのプロフィールを加え、わくわくする話になっている。

  • ビートルズのファンタジー

  • 設定されている時代を見たわけではないけど、
    これは丁度自分の親の世代かな・・・?
    なんだか懐かしいような自分の親にもこんな時代があったんだろうな・・って小林さんの作品はいつもそんな気持ちにしてくれます。

  • イエスタデイ・ワンス・モアの続編。面白かったです。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

小林信彦 昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞受賞。平成18(2006)年、「うらなり」で第54回菊池寛賞受賞。

「2019年 『大統領の密使/大統領の晩餐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小林信彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×