幼児狩り/蟹 (新潮文庫 こ 9-1)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 98
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101161013

感想・レビュー・書評

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  • 「幼児狩り」を読んでさっぱりわからなかったのが高校生のころ。今回読み返してまず面白く感じたのは、倒錯的な嗜好を持っている人の、ヘンタイでありつつも地味に普通に暮らしているところ。当人も「わたしはちょっとヘンなんで!」と(こっそりとでも)威張っているわけではなくて、なんだか持て余しているようなところが、かったるいけど生きてるんだから仕方ないという点でなんだか共感してしまう。

    どの短編も、一種の愛について語っている。本書を閉じた後は、程度の差はあれ、どのような愛も歪んでいるんだろうなと思わずにいられない。気晴らしの愛情、本当はその人になってしまいたい自分、愛されたいがための愛情、そのために抱え込まずにいられない苦痛。あんまり自分のことは考えたくないですね。でも自分はノーマルだからと安閑としていられないことはわかります。

    「塀の中」は★★★★★。「雪」は★★★★☆。あとは★★★☆☆。

  • 幼児狩り,蟹 (新潮文庫 こ 9-1)

  • What is it like that you don't have a kid when you are in your 30s being a female??

  • (1973.05.10読了)(1973.05.06購入)
    *解説目録より*
    他人の子どもに異常な関心を示す子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」、波打ち際で甥と蟹を求めて戯れる中年女性の屈折した心理を描いた「蟹」、夫婦交換による嗜虐的な男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」「劇場」、ほかに「塀の中」「雪」。日常の欺瞞性を剥ぎ取り、歪みの中に人間性の把握を試みた短編集。

  • 「幼児狩り」以下、6編を収めた短篇集。
    どれも何だか不思議な世界だ。たとえば「幼児狩り」は、未婚の女性である主人公が男子児童に寄せる異常な執着を、「劇場」は、これまた未婚の女性がふとしたことで知り合ったせむし男と美女という異様な組み合わせの夫婦に対する執着を描く。
    一番印象的だったのは「塀の中」。戦時下の工場で働く女学生達が、圧迫された生活の中で、監視役の中尉の目を盗み、迷い子の男児の世話をし始める。彼女達のある意味高ぶった感情は分るような、分らないような。
    ☆新潮社同人雑誌賞(幼児狩り)・芥川賞(蟹)

  • 新潮社の同人雑誌賞を受賞した作品。伊藤整が授賞式の時選者代表でスピーチをした。

  • 2009/2/5購入

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