塩狩峠 (新潮文庫)

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  • 本 ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101162010

感想・レビュー・書評

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  • 一粒の麦、

    地に落ちて死なずば、

    唯一つにて在らん、

    もし死なば、

    多くの果を結ぶべし。

    (新約聖書 ヨハネ伝 第一二章 二四節)


    続いておびのりさんの本棚から

    冒頭の一文は本作の冒頭に書かれている新約聖書の言葉です
    超有名な言葉で、キリスト教の信者でなくともどこかで聞いたことあるかもしれませんね
    もちろんこの小説の主題となっている「犠牲」についての言葉です

    イエス・キリストが十字架にかけられる前夜に弟子たちに残した言葉とされています

    意味は「麦が自分一個にこだわって死ななければ、それはただの一粒の麦にすぎない。 しかし、土の中で死ねば他の多くの実を生ずる」ということです

    そこから「一粒の麦」ということわざにもなっていて、こちらの意味も「人を幸福にするためにみずからを犠牲にする人。 また、その行為。」となっています

    つまりこの物語は「一粒の麦」となった人の物語なんですな

    無理よな〜って思う
    わい無理よ「一粒の麦」は「一杯の麦茶」も無理よ(なんだそれ)

    でも、あれやな
    素直に感動したもんね
    すごいな〜って思ったもんね
    なんかちょっと人のために出来ることってないかなって思ったもんね

    まぁ、とりあえず今のところはそんな程度で良しとしましょうよ
    どんなもんでしょう?イエスさん

    • bmakiさん
      娘の読書感想文の本で、本が全く読めない娘の為に代わりに読んだ作品でした。

      とっても良い本で、こんな本に出会わせてくれて、読書感想文あり...
      娘の読書感想文の本で、本が全く読めない娘の為に代わりに読んだ作品でした。

      とっても良い本で、こんな本に出会わせてくれて、読書感想文ありがとう!!という本でした。

      去年だったか、一昨年だったか、塩狩峠を通る機会があって、おおー、ここかぁー!って感動しました。
      2024/12/31
    • ひまわりめろんさん
      まきちゃ

      実話が元になってるみたいだからね
      リアルな感動があるだろうね
      わいも塩狩峠行ってみたいな〜
      まきちゃ

      実話が元になってるみたいだからね
      リアルな感動があるだろうね
      わいも塩狩峠行ってみたいな〜
      2024/12/31
    • ひまわりめろんさん
      一Qさん

      やかましわ!( ゚д゚ )クワッ!!
      一Qさん

      やかましわ!( ゚д゚ )クワッ!!
      2024/12/31
  • よく「新潮文庫100」で見かけていた小説。
    あらすじはなんとなく知っていたが、どんな過去がそうさせたのかなと気になっていた。
    感動した。永野信夫という青年の生きかたに。
    幼少期からの多くの出来事や出会いが影響し、生きかたについて深く考えた末に行き着いた答えだったんだなぁ。
    やっぱり、信じるものを持つ人は強い。それは、宗教だけに限らずとも。
    親がそうだから、ではなくて、自身が信じたいと思ったから。だから、より想いも強かったのだろう。
    彼は、聖書の言葉を実践していき、どんどん人間らしさとはかけ離れていったように感じた。
    あまりにも美しすぎて、まるで神様みたいで。
    「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん」という聖書の言葉。
    他人のために自分の命を捧げることが、はたして自分にはできるだろうか。
    彼のような人がこの世にいたということ、こんな生きかたをした人がいたんだということ、胸に刻んでおこう。
    この先、塩狩峠に行くことがあれば、必ず思い出すだろう。

  • 懐かしい1冊。
    私は中学生の時、全寮生の学校だった。
    同じ部屋だった中3の先輩が、良い本だからと押し付ける様に貸してくれた。私はまだ中1だった。今考えると、よく読み切ったと思う。

    主人公は、列車の運転手。そして、桁外れな意志の持ち主だった。それが、彼を
    大変な行動へと・・・・
    ・・・・何と言い表わすのがふさわしいのだろうか。このままだと、悲惨な大事故になってしまうと判ったからといっても、彼の精神力は並大抵ではないと思う。
    ・・・・これから待っていたであろう未来は彼の頭を掠めなかったのだろうか。
    そんなはずはない。もしも、彼があのような行動を起こさなかったら、列車は
    どうなっていたのだろう。やはり、思わずにはいられない。

    本屋で「塩狩峠」を見つけると、あの時の先輩の姿を思い出す。
    ・・・・それは、中1と中3の姿のままで。

    • 淳水堂さん
      ゆうママさんこんにちは。
      私のレビューの方にコメントいただきありがとうございます(^o^)
      私は読んだ後にレビューを書き、他の方々のレビ...
      ゆうママさんこんにちは。
      私のレビューの方にコメントいただきありがとうございます(^o^)
      私は読んだ後にレビューを書き、他の方々のレビューに目を通して、いいね、させていただきました。

      ゆうママさん中学生の時に読まれたのですね。
      うちも中学生の娘から回ってきたのを読んだのですが、中学生でこれを読むってすごいな−と思います。娘は「婚約者かわいそう」とだけ言ってましたが(苦笑)

      また機会がありましたら〜(^−^)/
      2021/05/22
  • 若い頃、この本に出会った。
    クリスチャンではない私だが、この本をきっかけに三浦綾子さんの世界に誘われていった。
    同僚に教会で上映会があるからと誘われたので出かけたら、この塩狩峠だった。
    小説でも映画でも最後が鮮烈だった。
    「真っ白な雪の上に、鮮血が飛び散り、信夫の体は血にまみれていた。」
    塩狩峠を家族で訪ねたのも冬だった。
    この一文が浮かび、身体は凛とした。
    娘もこの本を読み、感動をおぼえたという。

    世代を超えて、この小説は問う。
    本当の愛とは何か。
    最後は辛い。

    • ぐっちょんさん
      こちらでもコメント失礼します
      ブクログを始める前の前の若い頃、三浦綾子さんは、よく読みました。私もクリスチャンではないのですが、三浦綾子さん...
      こちらでもコメント失礼します
      ブクログを始める前の前の若い頃、三浦綾子さんは、よく読みました。私もクリスチャンではないのですが、三浦綾子さんが描く、純粋すぎる人物像には、惹かれてしまいますよね。
      塩狩峠は、氷点の次に読んだ作品だった気がします。
      自分を犠牲にすることの難しさ、是非…
      考えさせられますよね。
      生きていると、さまざまなこと、人に影響され、良くも悪くも少しずつ、染み込み、汚れることもある心。洗い流したくなりました。
      2024/07/06
    • まいけるさん
      今は時代が違い過ぎますが、三浦綾子さんの描く心を確認しに読みたくなります。穢れを落とすために。
      ぐっちょんさん、コメントありがとうございます...
      今は時代が違い過ぎますが、三浦綾子さんの描く心を確認しに読みたくなります。穢れを落とすために。
      ぐっちょんさん、コメントありがとうございます。
      2024/07/06
  • ブクログを始めて記念すべき100冊目。

    亡くなった祖母が好きだった三浦綾子さんを初読。
    この本も祖母の本棚から拝借してきた。

    三浦綾子さんは難しそうなイメージがあり
    なんとなく敬遠していたのだが、
    まもなく祖母の四十九日なので
    まだこっちにいるうちに読んでみたくなった。

    結論、全く難しいことはなく
    かなり読みやすかった。

    先が気になる!というような話では無いのに、
    読む手が止まらず時間が溶けるようだった。

    物語は実話を基にしたフィクション。
    永野信夫の生涯を描いたもの。

    キリスト教が疎まれていた時代背景だが
    信夫が死や生きる意味について考える中で
    キリスト教に触れ、次第に信仰するようになる。

    あらすじがネタバレみたいになっているので、
    事前情報なしで読んだ方が楽しめたと思う。

    自分もキリスト教に関わったことはあるが、
    聖書の抜粋程度にしか読んだことはなかった。
    大人になってから聖書を読むと
    また違った視点で見えるかな。

    • ハニロビさん
      こんばんは⭐︎

      夏の文庫フェアの対象本になっていたので、購入しようか迷いましたが…辞めてしまいました。

      いつか読みたいです♩

      私は遅読...
      こんばんは⭐︎

      夏の文庫フェアの対象本になっていたので、購入しようか迷いましたが…辞めてしまいました。

      いつか読みたいです♩

      私は遅読なのに、欲しい本をどんどん買ってしまうので読むスピードが買うスピードに全然追いつきません。笑
      2024/11/01
    • MATSURIさん
      普段読み慣れない作家さんやジャンルだと
      なかなか手を出すのに勇気入りますよね。
      自分も祖母が好きじゃなかったら、
      手を出してなかったかもです...
      普段読み慣れない作家さんやジャンルだと
      なかなか手を出すのに勇気入りますよね。
      自分も祖母が好きじゃなかったら、
      手を出してなかったかもです!

      それは自分もです!
      誘惑されないように本屋に行く頻度減らしました(笑)
      2024/11/01
    • ハニロビさん
      こんばんは⭐︎

      本屋さんに行く回数を減らすのは正解ですね!行くと必ず何冊か連れて帰ることになりますので。笑

      まわりに本好きがいないので、...
      こんばんは⭐︎

      本屋さんに行く回数を減らすのは正解ですね!行くと必ず何冊か連れて帰ることになりますので。笑

      まわりに本好きがいないので、本について色々お話しできて楽しいです♩いつもありがとうございます!
      2024/11/08
  • 人はなにか芯になるものが必要であり、その”芯”にどうやってたどり着くのか。
    「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん」『ヨハネ伝』の第12章24節

    ===
    明治十年の2月に永野信夫は東京の本郷で生まれた。
    母はすでに亡く、父の貞行は一見穏やかだが芯の通った人物ではあったが、仕事のため信夫の養育は祖母のトセに任されていた。
    祖母トセは、武家筋であることを誇りとし、信夫を厳しく育てていた。そして折に触れて信夫の母の菊を侮蔑する。だが信夫は、会うことのできない母に密かに慕情を感じているのだった。

    だがその祖母トセが死んだときに、ある女性が家に来た。
    この女性こそ、死んだと聞かされていた信夫の母の菊だった。
    菊はキリスト教だったため、ヤソ教を忌み嫌うトセにより家から追い出されていた。
    しかも信夫の父の貞行は菊のもとに通い、妹の待子まで生まれていた。

    信夫は混乱する。
    密かに憧れていた母は、優しく穏やかで、父とも妹とも心から結ばれている。だが自分は?母は幼い自分よりもヤソ教を取ったのか?妹だって?信夫は自分の家族を慕いつつ、素直になれない気持ちも持つ。

    信夫が小学4年のときに同級生の吉川修、そして吉川の妹ののぶ子と知り合う。
    吉川は北海道に引っ越ししていったが、距離が離れても信夫と吉川とはこの後生涯の親交を結ぶことになる。

    思春期を迎えた信夫は自分自身について思い悩む。
    人はなぜ死ぬのか、自分の言葉と行動は本心なのか着飾っているだけなのか、自分は平等なつもりで他人を見下しているのではないか、家族が好きなのに素直になれない気持ち、自分自身のヤソ教への理不尽な反発心、そして触れたことのない”女の人”への憧れと後ろめたさ。

    そんな折に父の貞行が死ぬ。貞行は、思い悩んだり精神的傲慢さを見せる信夫に対して穏やかに、だが力強く、人としての道を示してきた。

    母菊と妹待子のために働き始めた信夫は、10年ぶりに吉川と再開する。
    文通を重ねてきた彼らは、お互いに本心を話せる、お互いの考えを深め合う間柄となる。

    数年後、信夫は東京での務めを辞めて北海道の鉄道会社での職に就く。
    吉川のこと、それよりもその妹である病床ののぶ子への慕情の想いだった。
    吉川に「のぶ子さんと結婚したい。病気が治るまでいつまででも待つ」という信夫だったが、実はのぶ子はキリスト教信者になったのだと知らされる。

    人の救いは?人は他人の罪を我が身と思えるのか?人は誰かの”隣人”になれるのか?
    ある時キリスト教宣教師の言葉を聞いた信夫は、これまでの反発心や心の迷いやわだかまりすべてを超えて、キリスト教の教えへに心を囚われるのだった。

    キリスト教徒になった信夫は、その人柄、人への平等性、普段は穏やかだが芯の燃えるような伝道で、鉄道会社の職場でもキリスト教教会でも、特別な人に慕われる人物になる。

    だが決して信夫は昂ぶらず常に考えていた。
    自分は本当に聖書の教えそのものを実施できているのか?人は他人のために死ねるのか?

    吉川の妹ののぶ子の病も回復の兆しが見え、信夫との結婚の話も進む。
    信夫は、自分の務める鉄道で、吉川とのぶ子の元に向かう。
    だがその車両が塩狩峠を登っているときに暴走し、転覆の大危機が訪れるのだった。

    ===
    中学生の娘の課題読書(の中の1つ)。娘が「私課題提出したからお母さんも読みなよ」と回ってきた。中学生でこれを読むってすごいなと思う。みんなどんな感想を書いたのだろう。

    実在の宣教師の行いを聞いた作者の三浦綾子さんが、その信仰の深さに感銘を受けて、宣教師をモデルにし、人の愛と勇気の根源、信仰を持つ人間の強さを書いた小説。
    最期の場面は、実際の記録だと、事故っぽく書いてあるようですね。小説のように自ら犠牲にだと自殺っぽくなってしまってキリスト教精神に背くからなのかな。

    信夫の子供の頃からの気持ちの複雑さが語られて、なぜ彼が信仰を持ち、それほど強くなれたのか。
    最初は反発したキリスト教であり、なぜ反発したのかも(母は自分より宗教を取ったのだとか、宗教が違うからと言って祖母の仏壇のお世話をしないなんて、とか)、けれどなぜ信仰にたどり着いたのか。
    お話としては、キリスト教徒になってからの迷わなさよりも、そこに行くまでの思い悩みの語られ方が印象深いです。

    私が以前友人から聞いた話で(キリスト教徒の人⇒私の友達⇒私 で聞いた)「人間関係は横糸。他の人に引っ張られて自分がズレてしまうこともある。神様との関係は縦の糸。自分がズレそうになったときにまっすぐに引っ張ってくれる」ということがあります。
    その縦糸は宗教だったり、道徳心であったり、人によって違うのでしょう。では私にとってそれは何?と言われると答えずらいのですが。。

    • アールグレイさん
      こんばんは、初めまして!
      ゆうママと申します!
      本にいいねを頂きありがとうございます。
      淳水堂さん、今日レビューを書いたのでしょうか。しっか...
      こんばんは、初めまして!
      ゆうママと申します!
      本にいいねを頂きありがとうございます。
      淳水堂さん、今日レビューを書いたのでしょうか。しっかりと読ませて頂きました。私のレビューは、昔の記憶を手繰り寄せながら、やっと書いたもの。淳水堂さんのおかげで、
      「こういう本だったんだな」と、思うことができました。ありがとうm(__)m 夜遅くに大変失礼しました。
      これからも機会がありましたら・・・・
      おやすみ(-_-)zzzなさい
      2021/05/20
  • 1976年に開始された『新潮文庫の100冊』で、47年間選ばれ続けている常連作品。

    この三浦綾子の『塩狩峠』と同様に、開始時から毎年選ばれている日本人の作品は、夏目漱石『こころ』、太宰治『人間失格』、井伏鱒二『黒い雨』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の4冊のみ。名作と言っていいでしょうね。

    東京の本郷で生まれた主人公は、母が生まれて間もなく亡くなったと祖母に聞かされて育ちます。士族の家系故に厳格な祖母は、事あるごとに亡き母を例に上げて母を侮蔑していました。しかし、逆に少年は、もう会うことが叶わない亡き母を思い慕う日々を過ごしていました。

    そんなある日、父に連れられて団子坂に菊人形を見に行くと、1人の少女が父に近付いて「おとうさま」と声をかけます。事情が分からない少年は、家に帰って祖母にその時のことを話してしまいます…

    ここまでで約30ページ。裏表紙にあらすじが書いてありますが、それはラスト30ページのこと。その間には主人公が成長するにしたがって、様々な経験と共にキリスト教への信仰に目覚めていく過程が描かれる心の成長記です。

    この話しは「あとがき」にもありましたが、実際にあった事故が下地にあり、事故の事実以外は、自己犠牲のキリスト教の精神に感銘を受けた著者の創作です。著者は小説を通して、はたして敬虔な教えをもとに行動し、私的な人生を省みずに人命を救うことができるのかという自己犠牲について問いています。自分が同じ立場になったら、残される人のことが脳裏に浮かんでしまい、おそらく無理でしょうね。

    主人公は、クリスチャンになった後は、人間味溢れる人物描写が少なくなっていき、まるで聖人のようになっていくので、無理と考える自分が宗教と関係のない日常を過ごしているせいかもと思いました。しかし、聖人になるより、自分は日々を誠実に生きていきたいとは思いました。

    • 雷竜さん
      高校1年性の頃読んだのですが、とても感動して友達に渡したら、なんてくだらない本だと言われた記憶があります。そしてそれから50年後に年寄りにな...
      高校1年性の頃読んだのですが、とても感動して友達に渡したら、なんてくだらない本だと言われた記憶があります。そしてそれから50年後に年寄りになって、オーディブルで聴いたのですが、あまり集中できませんでした。夏目漱石は何度読んでもジンときますよね。
      たぶん、自分の心が汚れてしまったのか?キリスト教の歴史を知ってしまったからなのか?
      そんな思い出を思い出させてくれて、ありがとうございます。
      2024/03/22
    • Marさん
      この事故は、あとがきの補遺の藤原氏の発言にもありますが、氷に足を滑らせて線路上に真っ逆様に転落し、客車の下敷きになったのが真相だと思います。...
      この事故は、あとがきの補遺の藤原氏の発言にもありますが、氷に足を滑らせて線路上に真っ逆様に転落し、客車の下敷きになったのが真相だと思います。客車の重量を考えると、人一人が飛び込んだところで止まる訳がないですからね。それまでのハンドブレーキが効いていたのでしょう。

      事故で殉職された方は、立派な聖職者だったみたいなので、自ら飛び込んだという美談に仕立て上げられたのが真相と思われます。

      と、自分もそんなことを思いながら読み終わったので、そう思いつめない方がいいですよ。本を読むタイミングも、その時々で変わるものなので気にしないことですね。
      2024/03/22
  • ブクログのお勧めということで読んでみました。

    塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った青年の物語ということで、ハラハラドキドキの物語かと思ったら、想定とはかなり違ったお話でした。
    そりゃそうよね。本書は昭和48年の発行だし、物語の舞台は、明治時代だし...

    キリスト教の教えを中心に、生き方を語る物語

    厳格な祖母に育てられた信夫。祖母の死後、現れたのは、死んだと思っていた母親の菊と妹。
    菊はクリスチャン故に祖母から家を追い出されていた。
    そして、信夫の親友となる吉川、その妹ののぶ子
    キリスト教との出会い、当初は毛嫌いしながらも、その気持ちが変わっていきます。

    同僚への献身的な思い。信仰。そして、のぶ子への愛
    正直、この人、崇高すぎてついていけない。

    そして、驚愕のラストへ
    ようやくかなったのぶ子との結納に向かうその列車で、自らの命を犠牲にして、他人を救うのか?
    とても、重く切ない

  • ダメ母の私は、娘の読書感想文を書く為にこの本を購入して読んでみた。

    課題作品だから仕方なく、、、だったが、、、

    これは娘にお礼を言いたくなる程の良書!
    あっという間に物語の世界に引きずりこまれ、没頭してしまう。

    主人公、永野信夫の生涯を丁寧に描いている壮絶、壮大な物語。そしてその誠実な人柄には、読み手の気持ちがぐっと掴まれてしまう。

    身分や宗教、病気など日常繰り返される差別を色々な方向から映しだしている。

    学ぶべき点が多く、読後の感動も半端ない!

    何でこんな良い作品を知らなかったのだろう?

    是非前面平積みで売って欲しい!そんな素敵な作品だった。

    この本に巡り合わせてくれてありがとう。読書感想文のおかげですm(_ _)m

  • 信じる心の強さ、尊さ、恐ろしさを感じました。
    私はキリスト教信者ではありませんし、信者になるつもりもありませんが、宗教を信仰する気持ちがわかる気がしました。人は弱いし、何かを信じ、なにかに救いを求めたいものだと思うのです。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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