- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101164045
感想・レビュー・書評
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野間文芸賞と川端康成賞のダブル受賞という地味に凄い作品。
特攻隊から生還したという特異な経験が、当時の感情を交えて静かな筆致で描かれる。
幾度もキャリアで使われた本テーマが、晩年での想起という点も感慨深い。 -
毎年8月は戦争ものが書店にならぶ。今年はこの一冊を購入。
主人公(著者)は海軍予備学生として特攻隊を志願。
少尉に任官、終戦間際の島に赴く。
出撃する多くの戦友、部下を見送った心境、葛藤などとともに
海軍特攻員の生活が詳細に描かれている。
数々の戦争ものを読んだが、これほど特攻隊員をつぶさに描いたものは初めて読んだ。
戦争文学の傑作と言っているが、同世代の私は切なさだけが残った。-
10月1日に知覧特攻記念館にカミサンと行ってきました。5時間じっくり見ましたが時間が足りませんでした。 隊員の写真、手紙、遺書を涙ながら見ま...10月1日に知覧特攻記念館にカミサンと行ってきました。5時間じっくり見ましたが時間が足りませんでした。 隊員の写真、手紙、遺書を涙ながら見ました。 本当になんとバカな戦争をしたんでしょうか、人間を人間と思わない戦争。
平和ボケした現代の日本人にはぜひ知覧には行って欲しいですね。
島尾さんはたしか沖縄の人だったと思いますが人間魚雷の将校だった人ですよね?
早速探してみます。2011/10/07 -
arrows7banさん,知覧は私の今もっとも行ってみたいところですが、高齢になり難しくなりました。
先年「無言館」へ行きました。涙が止ま...arrows7banさん,知覧は私の今もっとも行ってみたいところですが、高齢になり難しくなりました。
先年「無言館」へ行きました。涙が止まりませんでした。
おっしゃるように今の若者に読ませたいですね。
島尾作品はこれが初めてです。
島尾さんは鹿児島出身?かも・・・
学徒出身で短期間の訓練で部下を率いる特攻隊長でした。2011/10/08
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不思議な世界観。
Sさんが強いンだか弱いンだか読んでいてわからなくなる。
特攻を言われた人の開き直り方の一種かもしれない。
そういう意味で興味深い。
文中で小さな戦艦という単語が出てきた。
駆逐艦程度だと思われるが、何か気になった。
もう少し、士官とか階級をしっかり覚えなくては。 -
海軍予備学生となった主人公の青年が、創設されたばかりの魚雷艇を志願し、特攻隊として戦争にくわわることを予定された彼の日々の訓練をつづった作品です。
ほかの学生たちにくらべてやや年上の青年は、予備学生となった当初から、周囲から浮いた存在として、彼らのようすを観察していることがえがかれています。それでも、彼もまた戦争へと向かう状況から離れた立場に立っているわけではありません。彼は、特攻隊に身を置くことになりながらも、そんなみずからの運命をどこか遠い所からながめるように記しています。
こうした著者の独特のスタンス、たとえば次の文章によく示されているように感じます。「私は勢い荒々しく声を張りあげて叱咤する結果にならざるを得なかったが、考えてみればつい一、二箇月前までは、魚雷艇の操縦もままならず、魚雷の発射操作に至ってはまるきり飲み込めずに、教官から罵声をあびせられ、指揮棒代わりの棍棒でこづき廻されていた私ではなかったか。それはおかしな具合に意識の中で現在と二重写しになりながら、震洋隊一個艇隊の艇隊長としての配置を与えられただけで、滑稽なくらい自信に満ちた態度で彼らに訓練を施す姿勢が執れている自分を見つめているもう一人の私もいたのだった。」不思議な感懐であるようにも感じますが、戦争において死がせまりつつある状況というのは、あんがいこのようなものであるのかもしれません。 -
海軍士官学校から入隊し、特別攻撃隊に配置され、出撃までの、作者の体験を基にしたフィクション(記録?)。
独白で話が進むが、作者の言いまわしのせいか、酷く読みづらかった。
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ベニア板製モートーボートの特攻隊隊長、という極限状況でありながら、淡々とした記述に終始するのは、戦地赴任前かつ後年の作だからか。島尾さんの本は初めて読んだが、有名な「死の棘」も読んで見たい。
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2017.02.26
著者プロフィール
島尾敏雄の作品





