- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101164519
作品紹介・あらすじ
大きな目は少し緑がかって睫毛が長く肌は薄いシナモン色をした日系ペルー人の青年ヒヨヒトは、暴走族との乱闘事件に巻き込まれ伊豆高原の家に逃げ込んだ。そこでは恋人との夢のような想い出に生きる女・糖子が疑似家族を作って暮らしていた。自分の居場所が見つからないふたりが出逢い触れ合った数日間を、サルサのリズムにのせて濃密に鮮やかに艶かしく描く。三島由紀夫賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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完全にタイトル買いしたが良かった。
かっこよくて情緒的な本だった。夢と現実が混ざり合って何がなんなのかわからないけど、わかる、と思った本だった。読んで良かった。
また人魚に呼ばれたら読みたい。
ちなみに古本屋で買ったのだがら前の持ち主の2002年のスキー旅行の写真が挟まってた。えもい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと風合いの違うロマンティックを感じる…何なんだろうな…
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世俗と離れて暮らす中年女性の家に、恋人とともに逃亡してきた日系ペルー人の若い男性。心の支えを失った者同士が繰り広げる濃密な3日間を描く。
強烈に愛した人への思いを忘れられない女性と、日系ペルー人として日本人にもペルー人にもなりきれずアイデンティティの欠落に悩む青年。埋められない空洞を抱えた二人が、サルサのリズムに乗って踊る様は、南米が舞台の映画でも観ているかのようだ。
それも、開放的な明るさではなく、むせ返るような暑さとうんざりするような閉塞感、熟れきって停滞する倦怠感というような。かつて観た映画『予告された殺人の記録』を思い出した。
内に残り続ける女性と、不安ながらも外に踏み出す男性との対比もいい。
作者のまだ青いけれど確かな言葉の積み重ねに、現実と幻想とが入り交じった場所に心が連れ去られるのが心地よく、才能を感じる一冊だった。 -
【213】
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とにかく読みにくい。誰一人登場人物に共感できないけれど、圧倒的な筆力でぐいぐいと引き込まれてしまう。偏執的で気持ちが悪い人物しか出てこないし、得体のしれない気持ち悪さがずっとつきまとっていて、不快なんだけど読むのをやめられない。この違和感はなんだろうとモヤモヤしながら読み終える。
角田光代さんの解説が個人的にとてもしっくりと来た。異国への旅とは全く思わなかった、気持ち悪い他人の夢に悪酔いさせられているようだったけど、それでもこの異様さを描けることは秀逸な筆力なんだと思う。 -
川崎から静岡の丘の上へ。逃げてきたカップルと擬似家族を楽しむ関係。どろどろと熱帯の暑さと記憶の混淆、暴発寸前の感情と溶け合い、そして、サルサが聞きたくなる。
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早稲田。三島賞、野間文芸賞。
冒頭からめっちゃ「文学」してる。
伊豆高原。疑似家族。ペルー人、サルサ。
ふーん。ぼやんとした読後感。
「読んでも得しなかったなー」が本心。
良くも悪くも文芸誌に載ってるような作品。
もう星野さんの本は読まないだろうな。
合縁奇縁。それが無かった。 -
う~~ん、難解な小説。
タイトルの意味は?? -
どうも文体の相性が悪かったのか、しっくりこなかった…。