パンドラの火花 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101165622

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  • 死刑制度が廃止になった未来において、政府はすでに死刑判決が確定済みの死刑囚の処理に思い悩む。
    課されたのは死刑囚自身にタイムトラベルをさせ、犯罪を犯す以前の自分を説得させるというミッション。猶予は3日間。その間に若い自分を思いとどまらせることに成功し、犯行を未然に防げたら未来の自分が釈放される。ミッションを選ばなければその場での死刑、失敗しても待っているのは死。かくして死刑囚たちは過去の自分を説得する旅に出るのだが。

    16歳で家族6人を皆殺しにし、その後少女たちも強奪目的で次々殺した横尾。ゲーム感覚で動物を殺すアニマルレースでは物足りなくなりヒューマンレースで子供たちを焼き殺した三日月。疎外感から自身が勤める会社を爆破し、多くの人を死に至らせた氏家。それぞれの説得は成功するのか。

    ドラマ「モリのアサガオ」のような、やるせないお話だと勝手にイメージしていたら全く違った。
    時空監視官の十九番が自我を持ちだすあたりから、ラストへの持っていき方が唐突過ぎて混乱する。続編を出すのでなければ中途半端すぎる終わり方。

  • ある年老いた死刑囚は言い渡された。16歳にして極めて凶悪な一家惨殺事件を起こした自分の過去に戻って72時間以内に犯行を阻止しろ。という物語にて始まったわけだけど読んだ後にかおが青ざめるほど気分が悪くなりました。おかんにどうしたのと心配されるほど。内容の割りに結末は残酷で呆気ない。第?章をよみおえた直後に吐き気をもよおしました。この作者恐怖症。最初の方はどんどんはまれたのですが途中の16歳の頃の自分とのくだりなんかはもうグダグダに見えて。。仕舞いにはあんな終末。こんな気分の悪い小説売れるんですか…

  • タイムスリップものははまらないことが多いがこれは、過去の自分を説得する心情、その言葉にはまった。
    自分に会う時点で未来に矛盾がたくさんでてくる、とは思ってしまう。終盤はわかりにくい。

  • 死刑制度が廃止された世界で,刑罰として過去に戻って,自分に犯罪を起こさせないように説得することになった3人の話。
    途中までは好みの展開で先が気になったが,終わり方が好きではない。

  • 死刑囚が、政府の施策によりタイムトラベル(タイムスリップ)で過去に飛び、罪を犯す前の自分を説得する話。成功したら未来が変わり釈放されるが、失敗したら死刑執行。選ばれた死刑囚は各々自分自身を説得できるのか…。

    設定がすごく面白かったから読んでみた。しかし、内容は拍子抜けというか、あまり面白くない。
    最後の急展開もいまいち乗れないし、半オムニバス形式で3人の話を書いたのは欲張りすぎたのではないかな。
    対象を1人にして、説得期間を長くしてじっくりと死刑囚の人生ドラマを書いた方が面白くなりそう。
    この本の設定で、誰か別の作家に書いてほしいなあ。

  • 久々のヒットです。タイムトラベルものだけど、軽くはなくいろいろ考えさせられました。

  • 死刑囚が、過去の自分が凶悪犯罪に手をそめるのを止めにいく、という発想が面白い。

    設定も細かいところまで作り込んであるようで、もっとこの世界の話を読みたい。

    続編が出ることを期待。

  • 途中でよく判らなくなって来た。

  • 自分の犯した罪を未然に防ぐために自ら過去に戻り説得する話。ほかの作品に繋がるようなラストがちょっと、とってつけたような印象。

  • 死刑制度が廃止され、死刑が既に確定している死刑囚の扱いに困った政府は、彼らをタイムマシンで過去へ送りこみ、それぞれの犯罪を未然に防ぐことを命じる、という設定からしておもしろいサスペンス。
    コメディ要素はゼロに近く、常に底辺には緊張が張り詰めている物語なので、誰にでもお薦めできる作品ではないですが、人間の弱さと希望がリアルに描かれているなあ、と思いました。
    最後はまあ、うん (笑)
    それなりに頷けるオチではありました。

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