格闘する者に○ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167510

感想・レビュー・書評

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  • 三浦しをんさんのデビュー作

    冒頭、ジャングルの塔に暮らす王女の物語から始まる。
    何だか不思議な話なのだが、これの意味は後に明かされる。
    そして、この不思議なタイトルの意味も。

    就活、家族、恋。
    女子大生可南子が様々な事にぶつかりながら志望する出版社の就職試験に挑んでいく。

    しをんさんの体験に基づいて書かれたそうだ。
    なるほど、エッセイと小説どちらとも言える雰囲気だ。
    上手くいかない就活に思いっきりツッコミを入れ、妄想を炸裂させるところは可笑しくて笑ってしまった。

    これがデビュー作なのだ。
    強烈なインパクト。
    三浦しをんさんが好きと言いながら今まで読んでいなかった事を後悔した。

  • 三浦しをんさんのデビュー作!
    就活を軸にして、家族や恋愛についても描かれていて、とても共感しやすい物語。デビュー時からこんなに勢いのあるボケとツッコミをしていたのかと驚いた。
    最初の文章がここに繋がって、タイトルはここで回収されて…というように、物語の構成がおもしろい。


  • 頑張っている人もいれば、のんびりと生きている人もいる。どちらも肯定され、楽しそうに生きている描写が好きでした。

  • 好きなことを仕事にしたい、という誰しも一度は考えたことであろう理想と実際の就活の厳しさ。
    非常にバランスよく描かれています。
    全体的に就活に対して、ゆったりと構えている登場人物達に癒されました。

  • 出版就活をしていると、孤独で、正解がわからなくて、不安でしょうがないです。でもかなこちゃんの少しゆるい向き合い方見てると頑張ろうと思えました。ありがとう!あと少し、出版就活がんばるぞ〜

  • 就活って大変そうだな、と思っていた中学生の時に読んだ本。それをまた読み返して、絶句。
    状況一致。精神一致。恐るべし。

    さすがに面接会場でカクトウ、と言うオトナはいなかったけど、(いたら戦慄。この本思い出してニヤケてしまう)それ以外、主人公可奈子の様子は驚くくらい私に馴染んで、感情移入できてしまった。

    就活だけではない。家族との向き合い方もこの本の大きな軸になっている。どこかいびつな家族関係は、少しずつ精神や性格に滲み出る。孤独と割り切ってしまえばそれまでだけど、そうではない。その微妙で複雑な緊張と機微のバランス感覚が、三浦しをんさんの魅力だと思う。やっぱり好きだなあ。

    あとは自分の就活がこうならないようにしよ...。

  • ごく普通の大学4年女子。考えてないようで考えてる就活、友達、家族、恋愛、日常がふわっと…いつも読みやすい三浦しをんさん。

  • え!!そこで終わっちゃうの??!!

    っていうくらい、突然終わった笑

    この作品がデビュー作だったんだ!!
    安定のおもしろさ☆
    しをんワールド大好き♪

    久しぶりにBANANA FISHが読みたくなった♪
    漫喫行くかなwww

  • 大好きな漫画雑誌の編集者を目指して就職戦線に乗り出し悪戦苦闘する陽気な女学生・藤崎可南子の多感な青春の日々をユーモアたっぷりに描く三浦しをんさんの記念すべき長編デビュー作です。K談社・集A社・S学館、に続く丸川書店の最終合否の結果は?でも精神的にタフな彼女は「毎日が夏休み」でも大丈夫で相変わらず呑気にダラダラと暮らして行くでしょうね。義母と弟・旅人(たびと)との家族の絆も深まったし、親友の二木君と砂子との友情は永遠ですね、でも中国に旅立った七十歳の書道家・西園寺さんとの別れは辛く思わず貰い泣きしましたね。

    男勝りで酒豪のヒロイン可南子は会社に是が非でも受かろうとして程度の低い面接官達の機嫌を取って迎合したりしない気概を持っていますし、そんな彼女の良さを理解しない出版社は全く見る目がなくてろくなもんじゃねえなと思うのですね。町中の人々が揺れ動く政治家の名家の跡継ぎを迫る親族連中のプレッシャーにも全く動じない彼女は最高ですし、家出から帰還した弟とも仲良くやって行くでしょう。ギャグでは萩〇〇一をショーケンと欽ちゃんで勘違いするズッコケと妄想で嫌な男にプロレス技をぶちかます場面が傑作で妙なタイトルもグッドでしたね。

著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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