風が強く吹いている (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 11414
レビュー : 1715
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167589

感想・レビュー・書評

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  • 痛快駅伝小説。
    スポコンともまた違う、どこか懐かしい感じの青春小説。

    高校時代脚を故障した長距離ランナーのハイジが、ある日偶然万引き犯に出会う。
    万引き犯は走って逃げるのだが、ハイジはその走りに魅了され、自転車で追いかける。

    その万引き犯は同じ大学で、住む場所も無いという。
    ハイジは自分の住むアパートへその万引き犯を誘う。

    これでアパートの住人は10人。
    10人居れば箱根駅伝を目指すことが出来る!


    何て設定なんだ!!!(笑)
    最初から普通ではあり得ない設定だが、あり得ない仲間が、それぞれのポテンシャルを最大限に引き出し、箱根駅伝を目指す!

    じわり勇気づけられる一冊。
    仲間っていいな!

    最後はじぃ〜んと心温まる、そんな素敵な小説だった。

  • 駆け抜けるように読みきりました。
    ほぼ陸上初心者の竹青荘の住人たちが箱根駅伝に挑戦する青春物語にどんどん魅了され、ページをめくる手が止まりませんでした。その反面読みきるのが寂しい気持ちもあって、とにかく爽やかで最高な一冊でした!

    • しんべいさん
      どのキャラクターに一番共感できましたか?
      どのキャラクターに一番共感できましたか?
      2019/02/02
  • 2015年、記念すべき第1冊目。

    箱根駅伝、もちろんお正月にテレビで目にした事はあります。
    子供の頃はひたすら退屈で、早く終わらないかなぁ、他のテレビが観たいんだけど。。
    と思っていました。
    大人になった今でも印象はそれ程変わらず。

    今年だって家族が駅伝の中継を観てる中、私はこの本を読んでいたくらいですから。
    読み終わって少し後悔。
    こんなにドラマチックな事が新年早々、始まっているなんて。
    来年からは駅伝見よう。


    まるで自分も走っているかの様な疾走感。
    上手くいきすぎでしょ!と捻くれた思いも吹き飛ぶくらい面白かった。

    駅伝がスタートしてからの一人一人にスポットが当たった場面がお気に入り。

    改めてスポーツものに弱いと実感しました。

    2015年、素敵な作品で読書始めをする事が出来ました。

  • 好きな本がまた一冊増えました。
    この物語が空想のものでも、それぞれの熱い思いはは真実なんだと思いました。
    走る中で語られた言葉が胸をゆさぶって、何度も泣きそうになりました。だけど、走る走たちをスピードを緩めずに見守りたい思いで読み続けました。
    わたしは走ることが苦手だし、大嫌いです。でも、だからこそ、憧れと尊敬といろいろな思いを抱きながら読み終えました。
    箱根駅伝を来年初めて、家族と一緒に見に行きます。

  • 純度100%の・・・

    の煽り文句の文字の通り、最っ高に密度が濃い、若者達の青春の輝きを描ききった傑作。

    清瀬が直面した切ない現実も、彼の選んだ選択も、十分に納得できるだけの物語が積み重ねられていたことで安堵。

    具体的な数字や成績を描かれてはいないけれど、竹青荘の取り壊し=新寮建設という描写から、走りに目覚めた双子の活躍も想起させられて好印象。

    淡い恋(?)の行方の描写も、なんともこそばゆい気持ちになれて◎。

    文句無しに★5つ、10ポイント。
    2016.01.21.図。

    図書館本で読んだのだけど、手元に置く用に改めて買いたいな、と思った珍しい一冊。……文庫版じゃない方で。



    同じく箱根駅伝を描いた堂場瞬一と、本書の筆者の三浦さんとの、作品から感じられる“箱根歓”の違いも、興味深かった。

  • 私、三浦しをんさんの作品好きだ!その予感を、確信に変えてくれるには十分すぎる作品でした。面白かった!

    灰二(ハイジ)と走(かける)を中心に、箱根駅伝を目指す物語。陸上にまったく縁のない私でも、読み進めるうちにどんどん引き込まれ、後半になるにつれ加速度が増し、まるで箱根の山を颯爽と駆け下りていくランナーのように、一気に読み切ってしまいました。ひとつの目標に向かってみんなで支え合って努力する。ありきたりな感想かもしれないけど、なんかいいなって思いました。

    話の展開は、陸上に詳しい人であればあるほど「そんなの、ありえない!」というものなのかもしれない。でも、それが実現できるのが小説の世界。こうなったらいいな、もしかしたら、現実世界でもこうできるかもしれない、そんな希望を抱けるのが小説の素敵なところだと思うのです。三浦さんの作品は、まさにそんな希望がこめられた、素敵な世界観でいっぱい。すっかりファンになってしまいました。

    作中、ある登場人物が自分をこんなふうに評しています。

    「小心であるがゆえに、プライドが高い。傷つけられることを恐れて、ひとと親しく交われない。そんな臆病な本性を、だれかに知られることすら許せないから、表面上はひとづきあいのいい明るい人間を装う。(中略)でも、悩みを打ち明けられる相手がいるかと問われれば、だれも浮かばない」

    うわっ…、まさにこれ、私自身だ…。そう気付いたとき、この人物におもいっきり感情移入してしまい、心から応援したくなって、気が付いたら涙腺が緩んでいました。こうして深く思い入れることができるくらい、個性豊かな面々を描き出せるのも、三浦さんの素敵さのひとつだと思います。

    ハイジや走、竹青荘のメンバーはその後どんな人生を送っているんだろう。読み終わった今、それが知りたくてウズウズしていて、そんなふうに読後まで楽しませてくれる三浦さんは、やっぱり素敵な作家さんだなぁと思わずにはいられません。さらに続けて他の作品も読んでみようと思っています。

    • hachiさん
      >> nico314さん

      コメントありがとうございます!

      同じ感想を抱かれていたんですね。
      それだけ、しをんさんの作品にはリアリティがあ...
      >> nico314さん

      コメントありがとうございます!

      同じ感想を抱かれていたんですね。
      それだけ、しをんさんの作品にはリアリティがあるということでしょうか。
      個性豊かなメンバーばかりなのに、その誰にも共感できる。
      しをんさんの描く人物には、そんな素敵さがあるように思います。
      すっかりお気に入りの作家さんになってしまいました。
      2013/04/14
    • kwosaさん
      hachiさん

      リフォローありがとうございます。
      これからもよろしくお願いします。

      そろそろ有川浩さんデビューをしてもいいかなと思ってい...
      hachiさん

      リフォローありがとうございます。
      これからもよろしくお願いします。

      そろそろ有川浩さんデビューをしてもいいかなと思っています。
      瀧羽麻子さんも最近気になり始めています。
      2013/04/14
    • hachiさん
      >>kwosaさん

      こちらこそ、今後もよろしくお願いします。

      有川さんの作品は、私はベタですが「図書館戦争」から入りました。
      独特の世界...
      >>kwosaさん

      こちらこそ、今後もよろしくお願いします。

      有川さんの作品は、私はベタですが「図書館戦争」から入りました。
      独特の世界観を描く方で、人気が出ているのも分かる気がします。
      瀧羽さんはまだ1作しか読んでいないので、
      今後また素敵な出会いができるといいなと思っています。
      2013/04/18
  • かつて、箱根駅伝の往路のゴール地点(芦ノ湖)で、実際に箱根駅伝を観戦して、選手やチームの熱気を肌に感じた経験や、

    そもそも、私自身も、中学、高校、大学と、陸上競技のクラブチームに身を置いていた経験から、

    『風が強く吹いている』で描かれている登場人物それぞれの価値観に、共感できるところが多かったように私は思います。


    私は、本文中の以下の部分が好きです。

    「好みも生きてきた環境もスピードもちがうもの同士が、走るというさびしい行為を通して、一瞬だけ触れあい、つながる喜び。」
    (p.599 より引用)


    陸上競技というスポーツは、ある意味で「孤独」なスポーツだと私自身も感じている部分がありますし、
    自分の走りを追及すればするほど、最後は「自分自身との戦い」になっていくものなのです。

    そして同時に、チームや仲間の支えがあり、信頼があり、
    走るという同じ時間や空間を共有して、目に見えない絆が生まれる。

    だからこそ、時に、自分以外の誰かを思い、走り続けることができる。


    『風が強く吹いている』で描かれている世界は、透き通っていて美しい世界だと思った。
    読み終えて、本当に良い小説に巡り合えたという率直な感想を持ちました。

    • HNGSKさん
       ブルーバードさん、お久しぶりです。「風が強く吹いている」読まれたんですね。ありがとうございます。ブルーバードさんも、陸上経験者だなんて。す...
       ブルーバードさん、お久しぶりです。「風が強く吹いている」読まれたんですね。ありがとうございます。ブルーバードさんも、陸上経験者だなんて。すごいです、すごいです。
       私、昨日この作品を読み直してみました。感想は、やっぱりいいなあー!!、に限ります。本当に素敵な作品です。
      2012/10/01
    • まろんさん
      ずっと陸上をされていたbluebird-ryuryuさんならではの深い共感に満ちたレビューで
      読んでいた時の感動が、また鮮やかに甦りました。...
      ずっと陸上をされていたbluebird-ryuryuさんならではの深い共感に満ちたレビューで
      読んでいた時の感動が、また鮮やかに甦りました。
      「走るというさびしい行為を通して」というところ、
      私も、三浦しをんさんらしい表現で、
      「さびしい」からこそ、そのあとの「つながる喜び」の輝きが増して、
      すばらしいなあと思いながら読みました。
      本当に、ひたむきで、美しい作品ですよね!
      2012/10/02
  • 熱くなれる小説、希望を持てる小説ともいえる。著者が「私の本が希望であってほしいと思っています。」とも言っている。著者の筆力と、調査と執筆に6年を費やした努力が、陸上の経験もないただの若者が箱根駅伝に出るというストーリーに、絵空事ではない、現実感、納得さを、与える。そして、世の中にうまく順応できず、不器用にしか生きられないすべての人に「希望」を与えてくれる。

    • KOROPPYさん
      私もこの作品が好きです。
      一緒に応援しちゃうんですよね。

      映画の方も見てみたいなと思いつつ、まだ実現してません。
      私もこの作品が好きです。
      一緒に応援しちゃうんですよね。

      映画の方も見てみたいなと思いつつ、まだ実現してません。
      2012/09/07
  • 昔一緒に暮らしていた人が、高校陸上の経験者でした。お正月のたびに駅伝を見るので、私も強い学校を覚え、ちょっとした陸上の知識をもらい…。黙って見ているそばで、これ見ると一日潰れるなあ、なんて思いながらいましたっけ。

    そのあと、パートナーが変わっても、今度はゆったりと色んな話を聞かせてくれるので、駅伝を見るのが定番の習慣になりました。初詣を済ませ、お重をのんびり詰めて、仲良くお雑煮を食べ始めるころ、スタート。

    お正月のすかんと晴れた空や、のどかな空気は、私の人生の中でも、幸せな思い出の中に数えられるものなのでしょう。

    旅行で訪れた道を、各大学の選手が走ってゆくのも楽しく…選手を覚え、駅伝のファンになり…。

    そうこうしていたら、この作品のアニメを見ました。それがとても面白かったので、では原作を!と今頃になって意気込んで一読。

    『舟を編む』以来の三浦しをんさんでした。

    私はそもそも走ることが出来ないので、走たちのような世界は、想像すら出来ないのですが。

    何かを専門的に打ち込むひとは、皆素晴らしいと思います。駅伝も、大学時代のあの時期だから出る輝き。同じ選手が社会人の大きな駅伝に出ても、確かに感動するけど、また別種のもので…。箱根には、独特の魅力があるように思えてなりません。この小説は、それを見事に掬い取っています。

    オンボロアパートに入居してきた青年たちは、皆、普通そうで何かの事情や思いを抱えています。彼らは陸上経験者ではないし、類まれな才能を持っている、主人公の走でさえ、実力はあっても、かつて高校陸上界を去ったために、自由に走ることはできません。

    そんな、10人きっかりのメンバーを集めて、箱根路走破。正直このお話を、非現実的だとおっしゃる方もいるでしょう。でも、これは『小説』です。

    だから、どうみても箱根駅伝なんて無理でしょ?というメンバーが、いかに戦うのか、本の中で起きている『もう一つの現実』に説得力があれば、それでいいじゃないかと私は言いたい。

    だって、2日で読み終えて、本当に箱根を走ったみたいな体感を、一歩も走れない私にくれるくらい、青竹荘の住人達はキラキラしてて、嫌味がなくて、いいやつだったんですもの。それでいいじゃないですか。

    こんな子たち、どこかにいるかもしれない。
    そして、この本を読んで、駅伝いいなって思って、箱根を走るランナーを夢見て、何年後かに、それが紹介されたりするかもしれない。応援することは私にも出来るから、そんな日が来たら。一度くらいはコースで応援だって、してみてもいいのかも、知れません。

  • 駅伝って、こんなに奥深く、緻密で、尊く、美しい競技だったんだ。
    ああ、来年の1月2日が待ち切れない。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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