ブンとフン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 855
感想 : 99
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168012

作品紹介・あらすじ

「ブンとは何者か。ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉遊びの天才!
    キリトリ線にのりしろに、なんてお茶目なのか。
    一から十までふざけているようでいて、そこには皮肉があったり平和を祈っていたり…。
    だけど、押し付けがましくなく、サラッと語ってしまうところがいいなぁ。

    処女作ということで、きっと荒削りなところもあるんだろうけど、同時にエネルギーもある気がする。他の作品も読んでみたい。

  • 劇作家の井上ひさし氏の処女作。ああ、小説ってこんなに自由奔放で勝手気ままでいいんだなぁ、と嬉しくなる作品です。「世のお母さんたち」に読まれたくない部分にはノリシロがあり、このページを糊で貼り付けてしまうように、などという指示が出ていたりして、著者の遊び心にもニヤニヤしてしまいます。200ページぐらいですが、一日で一気に読めます。

    何せ刊行されたのがもう40年前ということで、登場する有名人や時代背景なんかはさすがに古いですが、随所に出てくる言葉遊びや語呂合わせ、著者の豊富で奔放な想像力と悪ふざけ、そして世の中への風刺は今でも鮮やかに輝いてます。きっと、これから数十年後に読んでも、やはり同じような色彩とシニカルな視点を読者に与えてくれるのだろうと思います。

    ナンセンス文学であり、世界への皮肉や批判も内在している風刺文学でもあるこの作品、時々本棚から抜き出して読めば、声を出して笑える時間を与えてくれるでしょう。

  • 作者が使う日本語は本当に生き生きしている。テレビや演劇といった分野で磨かれた言葉選びのセンスは活字になってますます輝く。こういう風に自在に文章が扱えたらどんなにか書くことが楽しいかと思う。
    作品としては児童読物の体裁をしているが、作者がこれを書いた時代背景からして、既存の旧体制を打破し、新しい価値観の創出を求める60年代の匂いが感じ取れる。思わず笑ってしまう馬鹿らしさでそれを表現できるのがナンセンス作家と呼ばれる井上ひさしの魅力だろう。
    改めてご冥福をお祈りする。

  • 最初の方はくだらない作品かと思って読んでいたけど、後半は結構良いことが書かれていた。

    人は地位や名誉やお金に恵まれると、本当の自分がわからなくなる。だからブンはそういったものを盗んだと書いてあり、確かにそうだなと思いました。

    お金がなくても、良い地位じゃなくても、本来の自分はあるはずで、楽しく日々を送れるはずです。子供の頃の私達がそうであったかのように。社会に出るとどうしてもお金とか地位とか名誉に目がいってしまいます。

    30年前にこのような子供も読める小説の中で上記のことが書かれていることに衝撃を受けました。

    大人も子供も読むべき本。特に今のこの世の中を生きる人達に読んで欲しいです。

  • 面白くて大好きだった。読み返したい。

  • 《のりしろ》とか《キリトリ線》とか、韻とか諷刺かとか、間違いなく子供も大人も楽しめる本

  • 中学生の時好きだった本。久しぶりに読んだ。昔はくだらなさが好きだったけど、大人になって読んだらなんだか深い気がした。

  • 昔、新聞連載されて挿絵が漫画っぽく、読もうかなと思った記憶がある。今回初めて読んだが、破茶滅茶で元気が出るパワフルな内容である。新聞連載といえば『偽原始人』もあったなぁ。2019.9.2

  • 井上ひさしさんの「他人の血」という作品を少し前に読んで、面白かったのかそうでないのかを確かめたくて手に取りました。ブックオフなどに行ってもなかなか作品が無くて、あちこちで探してやっと見つけました。
    井上さんは、まさに筒井さんの兄貴と言えるくらいのヘンテコ小説で、ヘンテコ小説が大好きなワタシはまたどこかで作品を見ればまたどこかで買ってしまいます。

  • 初読

    読んだつもりになってたけど読んでなかった?
    挿絵に見覚えはある気がするのだけどなー。
    小学生の時に読めばよかったなー!!と心から後悔
    こういうタイプのユーモア、好きだったのよ…
    外国の実在の固有名詞のモジりとか、大好きなパターン。

    文学ミュージカルね。
    音の響きのテンポの良さ、センスの良さに今更ながら驚嘆。
    井上ひさしがご存命なら、フリースタイルバトルを面白がったのではないだろうか。

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著者プロフィール

井上ひさし

一九三四年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数。二〇一〇年四月死去。

「2021年 『さそりたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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