ブンとフン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 814
レビュー : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168012

作品紹介・あらすじ

「ブンとは何者か。ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。

感想・レビュー・書評

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  • 劇作家の井上ひさし氏の処女作。ああ、小説ってこんなに自由奔放で勝手気ままでいいんだなぁ、と嬉しくなる作品です。「世のお母さんたち」に読まれたくない部分にはノリシロがあり、このページを糊で貼り付けてしまうように、などという指示が出ていたりして、著者の遊び心にもニヤニヤしてしまいます。200ページぐらいですが、一日で一気に読めます。

    何せ刊行されたのがもう40年前ということで、登場する有名人や時代背景なんかはさすがに古いですが、随所に出てくる言葉遊びや語呂合わせ、著者の豊富で奔放な想像力と悪ふざけ、そして世の中への風刺は今でも鮮やかに輝いてます。きっと、これから数十年後に読んでも、やはり同じような色彩とシニカルな視点を読者に与えてくれるのだろうと思います。

    ナンセンス文学であり、世界への皮肉や批判も内在している風刺文学でもあるこの作品、時々本棚から抜き出して読めば、声を出して笑える時間を与えてくれるでしょう。

  • 作者が使う日本語は本当に生き生きしている。テレビや演劇といった分野で磨かれた言葉選びのセンスは活字になってますます輝く。こういう風に自在に文章が扱えたらどんなにか書くことが楽しいかと思う。
    作品としては児童読物の体裁をしているが、作者がこれを書いた時代背景からして、既存の旧体制を打破し、新しい価値観の創出を求める60年代の匂いが感じ取れる。思わず笑ってしまう馬鹿らしさでそれを表現できるのがナンセンス作家と呼ばれる井上ひさしの魅力だろう。
    改めてご冥福をお祈りする。

  • 面白くて大好きだった。読み返したい。

  • 《のりしろ》とか《キリトリ線》とか、韻とか諷刺かとか、間違いなく子供も大人も楽しめる本

  • 言葉遊びの天才!
    キリトリ線にのりしろに、なんてお茶目なのか。
    一から十までふざけているようでいて、そこには皮肉があったり平和を祈っていたり…。
    だけど、押し付けがましくなく、サラッと語ってしまうところがいいなぁ。

    処女作ということで、きっと荒削りなところもあるんだろうけど、同時にエネルギーもある気がする。他の作品も読んでみたい。

  • 中学生の時好きだった本。久しぶりに読んだ。昔はくだらなさが好きだったけど、大人になって読んだらなんだか深い気がした。

  • 昔、新聞連載されて挿絵が漫画っぽく、読もうかなと思った記憶がある。今回初めて読んだが、破茶滅茶で元気が出るパワフルな内容である。新聞連載といえば『偽原始人』もあったなぁ。2019.9.2

  • 井上ひさしさんの「他人の血」という作品を少し前に読んで、面白かったのかそうでないのかを確かめたくて手に取りました。ブックオフなどに行ってもなかなか作品が無くて、あちこちで探してやっと見つけました。
    井上さんは、まさに筒井さんの兄貴と言えるくらいのヘンテコ小説で、ヘンテコ小説が大好きなワタシはまたどこかで作品を見ればまたどこかで買ってしまいます。

  • 初読

    読んだつもりになってたけど読んでなかった?
    挿絵に見覚えはある気がするのだけどなー。
    小学生の時に読めばよかったなー!!と心から後悔
    こういうタイプのユーモア、好きだったのよ…
    外国の実在の固有名詞のモジりとか、大好きなパターン。

    文学ミュージカルね。
    音の響きのテンポの良さ、センスの良さに今更ながら驚嘆。
    井上ひさしがご存命なら、フリースタイルバトルを面白がったのではないだろうか。

  • 今まで読んだ本の中で最も突飛でくだらない。著者のあとがきを読み、世の中の常識へ疑問を投げたものだと言う点で納得がいった。ギャグの連発が天才だと思う。

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著者プロフィール

1934年、山形県生まれ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係などを経て文筆業に入り、戯曲やテレビ脚本で数々の賞を受賞。主な著書に『手鎖心中』(直木三十五賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など多数。1984年に結成した劇団「こまつ座」の座付き作者として、自作の上演活動も行った。2004年、文化功労者に選ばれ、09年には日本芸術院賞恩賜賞を受賞した。
2010年4月9日、逝去。

「2020年 『文庫 野球盲導犬チビの告白』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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