吉里吉里人(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168166

感想・レビュー・書評

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  • うーむ。設定や言い回しは面白いのだが、物語の展開のテンポが今ひとつ。もっと、読み進めたら、盛り上がってくるのか、中、下巻に期待。

  • かつての師に勧められた事を思い出し、読んでみた。

    日本でとある村が吉里吉里国として独立を宣言したというあらすじから、御伽噺のようなものを想像していたが、国とはなんなのか、考えさせられるものになった。
    吉里吉里人は、独自の言語や通貨を持ち、資源等も自給体制を整えて、政治的な大義名分なども掲げている。明治、昭和の大合併でのマイナス面を考えさせられた。
    また、「国」の定義は民族の括りだけではないという事を再認識させられた。

    主人公に関しては、初めはいけ好かない印象だったが後半には同情のような感情が芽生えた。

  • 空前絶後。
    奇想天外。
    抱腹絶倒。
    前代未聞。
    なんと言い表せばいいのか分からない。
    日本から独立した、吉里吉里国。
    日本の中にあって、日本ではない国。
    吉里吉里国で繰り広げられる、悲喜劇が幕を開ける。


  • くだらないユーモアで笑いっぱなし、唯一無二の圧倒的な引力を持つ大名(迷)作。
    井上ひさしに特別な思い入れは無いが、本作品に関してはボリュームに怖気付かず是非読んでほしい。
    壮大な群像劇仕立て、一冊約600p(×3冊)の狂ったボリュームだが、あっという間に読ませてしまう所に、当時の井上ひさしのギラつく力量を感じる。

  • 下巻に

  • 上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』のような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。

  • もはやアナーキストとしかいいようのない、痛快無比のコメディである。もっと早く読めば良かった。

  • 吉里吉里語がわかる笑

  • 岩手の山奥の人が吉里吉里国として分離独立しようとするところから、国とは何か、国民とは何かを考えさせる作品。授業でやりました。

  • いずれいずれと思いつつ、やっと読み出したのは刊行後34年目か......(>_<)。
    頭のいい人が徹底的におふざけすると、こんなのができるんだね( ´ ▽ ` )ノ。筒井康隆がよくやるやつだ( ´ ▽ ` )ノ。
    俺ぁ東北人だがら大体のとごぁ分がっけど、よそのすとだづにはこれ、本当読みづれぇべな( ´ ▽ ` )ノ。
    にしても、内容の割に長すぎるな(>_<)。
    筋を無視して突然主人公のバックストーリーが何十ページも挿入されたり(なんと、アルジャーノンのパロディー!)、テーマと関係のない感想や連想がダラダラ続いたり......(>_<)。
    東日本大震災がらみで再注目されたらしいけど、そういうシリアスなものを求めて読んだ人はガッカリするだろうね( ´ ▽ ` )ノ。
    まあ、中巻以降どうなるか、お楽しみ( ´ ▽ ` )ノ。
    2015/06/29

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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