自家製 文章読本 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168197

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ語やエスペラント語、漢文。外国語と日本語を対比して、日本語の特性を分析。

    日本語の音韻に注目し万葉集から芥川龍之介まで古今の名著を紐解いて、文体・表現方法を解析する国語の本。

  • とんでもないものを読んでしまった。読んだあとでは読書感想が書けませぬ。というわけにはいきませぬ。

    読んでいるうちはおもしろくてうんうんと能天気だったけどな~。

    もう20年前に書かれたものだから、ネット社会には対応していないだろうが、文章は文章。

    ようするに「良い文章を書くには良い文章をたくさん読みなさい」

    なあんだ!

    いえいえうそ。文章の読み方、書き方、井上ひさし流のユーモアと博識に裏打ちされ分析されていておもしろく、読んだら文章がうまくなること請け合いの読本であった。

    が、私に適応したかどうかは今後を待たねばわからない。

  • 文章読本として三島丸谷はじめこき下ろしてるくせにその実用性は足元にも及ばないという感想を見受けたが、そもそも井上ひさしは文章読本など書く気はまるでなく、文芸作品として他の文章読本をいじり倒し、茶化し、弄び。そしてそれらを書いた作家たちを最大限にリスペクトを現してしているのだ。特に丸谷才一版の多岐にわたる引用をパロディにして、その上で既存の文章読本に内容をなぞらえて新解釈を加える力業。エッセイというよりも読み物としてとてもスリリングだ。

  • 【推薦者】M.K@チーム・C'est-toi-グミ 師範

  • ヒトが言語を獲得した瞬間に始まり、過去から現在を経て未来へと繋がっていく途方もなく長い連鎖こそ伝統であり、私たちはそのうちの一環である。一つ一つの言葉の由緒を尋ねて吟味し、名文をよく読み、それらの絶妙な組み合わせ法や美しい音の響き具合を会得し、その上で何とかましな文章を綴ろうと努力するとき、私たちは奇蹟を起こすことができるかもしれない。……。たしかにヒトは言葉を書きつけることで、この宇宙での最大の王座「時間」と対抗してきた。芭蕉は五十年で時間に殺されたが、しかしたとえば、周囲がやかましいほど静かさはいやますという一瞬の心象を十七音にまとめ、それを書き留めることです、時間に一矢報いた。閑かさや岩にしみ入る蝉の声はまだ生きている。時間は今のところ芭蕉を抹殺できないでいるのだ。……。書庫から鷗外漱石露伴を取り出し彼等の文章に触れるとき、私たちはこの三大家が文章に姿を変えてちゃんと生きていることを確認する。その瞬間に時間は折り畳まれ、ヒトの膝下にひざまずくのである。

    唐の思想家 韓愈 2歳で父母を喪い、14歳で兄を失い、孤児となったが、恐るべき勉強家で…文章の力で暴れ狂う鰐を説き伏せ退治してしまった。「科目に応ずるとき人に与ふる書」比喩が四通八達

    佐藤一斎を三嘆させた手紙
    奥羽の博労、亀

  • 20年ほど前、学生の時分に一度読んでいるはずなんだけど、こんな本だったっけ、という印象…

    もっとさくさく読める感じのイメージだったのだけど、自分の読解力が落ちているのかもしれない><

    同じ時期に同じ作者の「私家版 日本語文法」も読んでるはずなのでそっちと混同してるのかも。

  • 「巧い」文章を書くためには、書き続けるしかない、と思う。
    文章を書くというのは、先ず書き始め、そして、書き上げなければならない。
    その繰り返しが、「書く技術」を向上させるのだと思っている。
    要はスポーツと同じで、反復練習ということ。
    もちろん、反復する行為は、効果的な「お手本」を据えることが重要だけど。
    これもスポーツと同じ。間違ったフォームで反復練習しても、向上はまず無い。

    とまあ、どうでもいい持論から始めてみました。
    本書には、「正しいフォーム」が幾つも提示されていると感じたからです。
    しかしながら、フォームを知ったからと言って、向上に繋がるわけでもない。
    そのことを稚拙な文章で書いてみよう、と思った次第でした。

    本書は、文章そのものの面白さを知ることが出来る一冊です。
    いろいろな表現や手法、類型化や主義主張が盛り沢山。
    「日本語による表現」というものを改めて考えてみる切っ掛けになると思います。

  • 1990年 読了

  • 想像していたよりも難しい内容だった。
    「文章読本」は、谷崎、三島、丸谷など大家が著しておられる。本書井上本はそれらも引用しながら展開されてゆく。
    しかし文章の形態を定義づけたり、日本語との関連、そして書き手側と読み手側の違い……。
    このような本を書ける作家は、文章や日本語を本当に真面目に考えているということがよく分かる。
    数ある「文章読本」だが、きっとどれも素晴らしいものなのだろう。

  • 井上ひさしの文章論。
    どんなものかと読んでみたけれど、古い作品の引用が多く、よくわからなかった。
    上級者向けというのかな?
    とにかく、文章力の向上に役立てたいと気軽に読む話ではない。

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著者プロフィール

井上ひさし

一九三四年生まれ。上智大学仏語科卒。「ひょっこりひょうたん島」など放送作家として活躍後、戯曲・小説などの執筆活動に入る。小説では『手鎖心中』で直木賞、『吉里吉里人』で日本SF大賞および読売文学賞、『腹鼓記』『不忠臣蔵』で吉川英治文学賞、『東京セブンローズ』で菊池寛賞、戯曲では「道元の冒険」で岸田戯曲賞、「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞および読売文学賞、「シャンハイムーン」で谷崎潤一郎賞、「太鼓たたいて笛ふいて」で毎日芸術賞および鶴屋南北戯曲賞など、受賞多数。二〇一〇年四月死去。

「2021年 『さそりたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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