- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101168289
感想・レビュー・書評
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亡くなった人とのやり取りによって、
普段考えない考え方ができる。
違う見方で、深く考えることが出来る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
技巧に舌を巻きつつ、それ以上に、題材たる広島の重みを感じざるを得ない。
中学生が読むのは良いことね。 -
短いので軽く読めるけれど、深い重い。でも前を向ける。
世界は残酷だ。でも、生きている人は前を向いて生きていかなくちゃいけない。それが生きられなかった人に対する努めで、次に生きる人への義務だ。死んだように生きていてはいけない。 -
戯曲ですが読みやすかったです。
考えさせられる場面もありますが、全体的に平穏な物語でした。 -
★4.0
戯曲ゆえにセリフが活き活きとしており、美津江は宮沢りえに、竹造は原田芳雄に姿を変え、映画の記憶をまざまざと思い出させてくれた。同じ日に同じ広島で、生き延びた人と命を落とした人。その境界は曖昧で、美津江のように思う人は多かったのではないかと思う。本当は、後ろめたく思う必要なんて全くないのに!前口上に記されていた「いつまでも被害者意識にとらわれていてはいけない」の一文に、ただただ驚くばかり。その意見を口にした人は、自身や近しい人が被爆していても同じことが言えるのか。辛いけれど、ほっこり優しい1冊。 -
舞台は昭和23年の広島。
自分だけ生き残った女性が、自分だけ幸せにはなれないと思えいるところ、父親が幽霊になって励ましていく。
シナリオ。 -
とても短いので、戯曲を初めて読む人にも薦めやすいのではないかと思う。
ちょっと甘い感じもするが、声高に戦争の惨禍や悲劇を訴えるのではなく、普通の人間のささやかな日常を破壊する恐ろしさを通奏低音のように流し続ける。幽霊の父は、実際には父を見殺しにしたと思っている娘の妄想かもしれない。妄想が死にそうな人間を支えることってあるものね。
しかし映画では宮沢りえが娘。美人すぎて違和感あり。もっと普通っぽい人が良かった。本には美人でないが愛嬌があるって書いてあるんだから。 -
ユーモアが恐ろしさを倍増
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同名演劇の脚本。
広島の原爆から生き延びた美津子は、自らを幸せになってはいけない、と戒め、好きなひとができても、恋することを禁じていた。
しかし、自称・美津子の恋の応援団長である父の竹造は、そんな美津子の恋が実るよう、影に日向に、美津子を説得する。
竹造のコミカルな振る舞いと、美津子を脅かす被爆体験の恐ろしさの両方が伝わってきて、妙に迫力のある話。
文章でも伝わってくるのだから、舞台で見ると本当に心揺さぶられるものがあるのだろうと思う。
広島ことばは難しかったけど、その分リアリティがあった。