みだれ髪 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101170213

感想・レビュー・書評

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  • 情熱的で大胆で官能的で無垢で奔放!

  • 恥ずかしながら言葉がよく分からず、現代語訳&解説でなんとか読み進んだというのが正直なところ。
    にも関わらず、晶子の熱い気持ちは理屈を越えて伝わってきて胸を打つ。
    与謝野晶子という女性は、愛情も友情も何もかも、すべての情がとても深い人だと感じる。
    はしたないほどの情熱、何も隠さない強さ、恋する相手に対するまっすぐさ。
    かと思えば儚く美しい光景をさりげない言葉で現す表現の美しさ、ちょっとした情景に心乱される繊細さ。
    三十一文字、という文字数が多すぎず、少なすぎず、彼女の心を現すのにぴったりと嵌っている。
    力強さと儚さの両方を持ち、時代も理屈も越えて読み手にまっすぐ刺さってくる歌。

  • さすが…。
    肉食系女子といわれる現代の女性性を超越した積極的かつ率直な歌があふれていた。
    歌を通して通じあい、自分の感情を素直に出せるというのは時代も手伝ってか。
    羨ましくもあり、自由な恋愛を抑圧され、それ自体が罪であるように非難された時代に、ここまで抵抗し、羽ばたいた晶子の感性は強い。

  • 恋=生きる意味だった、人生の一瞬。
    そんな高揚を誇らしげに宣言した詩集。
    時間を越えても色褪せることはない。

  • やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

    臆面なき自己肯定、おのれのお色気惜しげもなく晒しちゃえる女っぷり・・・
    彼女は女の子のインディペンデンスの象徴のように見える。
    しかし同時に、「鉄幹という男性がいてこその晶子」ならば、
    彼女の文学のすべては、ものすごく依存的な気もする。
    その意味で、キラキラと輝く才能のうらの苦悩も見たい気がした。
    彼女は、過剰に主体的に生きていて、
    それと同じくらい、過剰に依存して生きている。

    えーまとまらないけど、要するに
    男の寂寥を洞察することでしか、主体的な行為がない印象を受けたの。
    なんていうか、彼女の生き方は、女のすべてのコントラディクティヴな要素を
    含んでいるようですごく切なくて。
    私これからどうやって恋愛の文脈のなかで
    目を醒まして生きていけばいいのだろうって思ってしまった。

  • 手帳に私なりの現代語訳にかえて、少しずつ、少しずつ読んでいくつもり。恋の、人生の闘争について、後輩としてお話を聴くつもりで。

  • 合唱曲「くろ髪の」を歌うために読んだ

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2020年度第3回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第2弾!

     本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
     川津誠教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。
     展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

  • 言葉が難しかったが、諦めずじっくりと鑑賞。
    最初はあからさまな表現があまり好きになれなかったが、読み進めていくにつれて気にいる歌が増えていき、読み終える頃には短歌の形、リズムが大好きになった。
    彼女が使う独特の色、力強く歌い上げられる官能的な表現、不思議な言い回しによるリズム感が好きだ。
    彼女の人生についての解説も興味深く読んだ。

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著者プロフィール

1878年大阪府堺市生まれ。大恋愛の末、与謝野鉄幹と結婚。処女歌集『みだれ髪』で一躍、情熱的な歌人として著名に。その後、小説、随筆、評論、童話、戯曲など多岐に渡り活躍。『源氏物語』は、幼少時代からの愛読書で、現代語訳も3度手掛けている。1942年没。

「2023年 『与謝野晶子訳 紫式部日記・和泉式部日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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