家族八景 (新潮文庫)

著者 :
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レビュー : 561
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171012

感想・レビュー・書評

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  • 人の心が読める能力があるからといって、どんな場面でもうまく立ち回れるわけではなく、醜い感情をリアルに見せつけられてしまったり、知らないほうが幸せだった事実を知ってしまって苦しんだり、主人公・七瀬の苦労は尽きない。
    七瀬が無事にピンチを切り抜けられるか、どきどきしながら8編を読み終えた。

  • 表面上は穏やかに暮らす家族。
    しかし激しく迸る心の声は互いに罵倒し合う。
    ときに老いを直視せず
    ときに不貞を働き
    ときに馴れ合い
    見下し
    無関心で
    奪うことだけ考え与えようともしない
    その哀しいほど独りよがりな心の声を、テレパス少女はずっと聴いていた。

  • 精神感応能力者・七瀬を主役にしたサイキックSF短編シリーズは、初読から時日が経っているにも関わらず、強く印象に残った作品。初めは自分の能力をひた隠しにするだけなのだが、壊れた家族関係の家々を渡り歩くうちに、攻撃的、実験的に能力を使うようになっていく七瀬。各編とも不幸な結末が用意されているが、中でも「亡母渇仰」の最後は戦慄を覚える。心理ホラーとしても成り立ってしまいそうな構成で、時代を超えた面白さを感じる。

  • 登場人物がほぼ例外なくゲスいなぁと思ったけど、現実に身の回りにいる人たちも同じような思考をしているもんなのかもしれない。

  • 登場人物の死に際の描写が生々しくてゾクッとしながら読んだ。恐怖を感じながらも夢中で読んでしまった。
    ほかの話も、悲しかったり恐ろしかったりと昼ドラを見ているようなドロドロ感があったけど、不思議と続きが読みたくてページをめくってしまう。

  • とにかく読みやすい。途中で飽きない。

    人の心が読める女性が、家政婦として働く先の家族を見てどのように感じ立ち回っていくのか。

    働く先はコロコロ変わり、それぞれに色が濃い。

  • 筒井康隆の本を読むのは初めてな気がする。

    読み始めて暫くしても、
    全然違和感はなかったのだが、なんと1975年の作品のよう。
    自分が生まれる前の作品とは感じさせないのはさすが著名なSF作家だからか。

    内容は皮肉が効いていて中々、面白かった。
    筒井康隆の代表作は時をかける少女だと、
    wikiを調べて知ったので、これも今後当たってみよう。

    本のあらすじは、人の心を読むことが出来る超能力を持った少女が、家政婦(お手伝いさん?)をしながら、色んな家庭を渡り歩き、
    各家それぞれのねじ曲がった醜悪な人間模様を見て回るというもの。

    超能力をもった面白い主人公の物語なのだが、
    とにかく主人公の性格はとても褒められたものではない。

    まぁ一言でいうと度を超したのぞき趣味というか。

    わざわざ他人の心の醜い部分を読み取っては悦に浸っているようにしか見えない。
    人の心を読めるんなら、わざわざそんな疲れることをしなくても、
    楽に生きていけるのにと思う。

    タイトルのとおり、
    この小説は主人公の超能力を通して、
    家族の崩壊、いかに好き勝手なことを考えているかを描いている。
    大抵が相互の不信、不倫、金の問題などなど。
    エゲツない描写が面白い。
    多分30年前の筆者の問題意識なんかが反映されているんだろうけど、
    昔の家族も今の家族も考えていることは大して変わんないんだろう。

  • 2017.1.12(木)¥150+税。
    2017.3.30(木)。

  • 十数年ぶりの再読。8つの短編連作集。1972年…… テレパシー能力者の七瀬はお手伝いとして派遣されて働くのだが…… 8つの家庭の様相を描く。人の内面がわかる彼女は神視点ですべてをお見通しなのだが、やはり人間であり神にはなりきれない。人間の内面の醜さと悪意をシニックに描く。軽くであるがフロイト理論などが使われている。何よりも、母性というものの恐ろしさよ…… 全部で200ページの短い作品で、筒井作品の中でも一般にわかりやすい題材でこの著者入門としておすすめする作品。何度か漫画化やドラマ化されている。同じヒロインの続刊あり。著者三度目で最後の直木賞候補作。

  • 生まれつき相手の心をすべて読める能力を持った家政婦の女性。そんな彼女を通して見た8家族の人間模様を描いた小説。

    昭和47年の作品だけあって描かれている場面、場面は古さを感じますが、それだけに人間心理(恨み・妬み・ひがみ・虚栄心……)は時代が変わってもそう変わらないんだなということが哀しいほど分かりました。

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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