- Amazon.co.jp ・本 (627ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171029
感想・レビュー・書評
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接待担当課長の収賄、企業の養子社長の苦悩と蒸発(懐かしい。今なら失踪か)などに端を発した俗物的評論家を集めた梁山泊プロダクションを核として、当時のマスコミや急進的女性団体、世相に対する風刺を効かせたドタバタ劇を堪能した。亭主の失踪を追って妻が、俗悪評論家の犯罪行為の疑いを抱いて刑事が、吸い込まれるように梁山泊ビル内に囚われてからの籠城戦が本書の見せ場だ。456から463ページの街頭インタビューは、著者の痛烈なマスコミ・世論批判でもあり壮絶。享介の最期の回想シーンは演劇出身の著者らしい。
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ドタバタでグロテスクで、読んでいる最中何度か吐き気がした…けど面白かった!エリート意識や選民意識が強くいっぱしの批判を口にする評論家、体面ばかり気にする警察、センセーショナルであればそれでいいメディアと、それを何の考えもなしに面白がるだけの大衆など、あらゆる方面に向けて皮肉がききまくっていて痛快。ブラックユーモアに顔をしかめたり笑ったりしながらも、自分が作中に描かれている大衆とどこが違うのか、もしかすると一緒じゃないだろうかと考えてしまう。
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いやぁスゴイ。始めはそれなりにまともな人から、嫌悪感を伴う人になり、しまいには犯罪者が集まって梁山泊か。度量が広すぎる。ラストは連合赤軍事件のパロディか。多分事件直後だったと思うのでよく書けたと思う。寛容な時代だったのかな。本作品より5年後くらいに刊行された、井上ひさしの某小説に質感が似ていると思った。(こちらもスゴイ)
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嫌いじゃない。
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うひゃあ、という場面があったような。短編と覚えていたけれど長編だったのか。
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しょーもなさすぎて感動すら覚える。
満足度7+ -
10代後半の頃に読んだ本。読み直してみた。昔読んだときほどワクワクとはしなかった。
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みんな気が狂っています。
が、狂いたいように狂っている人は幸せそうです。
笑える話ですが、読んだ後悲しくなりました。 -
「生理」「痰」「火事」「万引き」など、汚物や一風変わった物に対する
常軌を逸したこだわりを持つエキスパートが集まる話。
あらゆる病気に罹っても平気な爺の話は凄まじかった。
読んでてひきつけを起こしそうになったほどの描写。
筒井先生は一線を越えてしまった狂気の人を書くのが
本当に上手くていらっしゃる…。
ラストは神風を彷彿とさせそうな勢いと潔さと滅茶苦茶ぶり。
面白かった!!