おれの血は他人の血 (新潮文庫 つ 4-8)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171081

感想・レビュー・書評

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  • 意味不明なゴタゴタ劇かと思ってたけど終盤に近づくにつれてちゃんとほんとに血のはなしだったし、複雑で滑稽な人間模様もおもしろかった。
    後半のしっちゃかめっちゃか抗争の場面らへんからとつぜんグロくなってきてうお〜と思った。
    こんな血まみれ騒動のあとにも絹川の戻ろうとする場所が会社だったのが皮肉っぽくて虚しかったです。

  • サラリーマンの衣川良介は、「マーチンズ」というバーで、大橋組という暴力団に所属する三人のヤクザに絡まれ、怒りにわれをうしなって、ふだんの彼のすがたからは想像できないような力で三人を殴り倒します。そのようすを見ていた沢村という男が、鬼怒川に取引をもちかけます。彼は、大橋組と対立する左文字組という暴力団に所属しており、布川の腕っぷしの強さを見込んで、組長のボディ・ガードにスカウトしたのです。こうして、ふだんは平凡なサラリーマンであるはずの布川は、町を二分する二つのヤクザの抗争に巻き込まれていくことになります。

    布川は幼少のころから、怒りにわれをわすれて、自分自身でも気がつかないうちに激しい暴力の衝動に支配されてしまうことが何度かありました。そのような状態に陥ったときに「エスクレメントオ」と叫んでいたと教えられた彼は、東京の伊丹という友人に依頼して、自分の身体を流れる暴力的な血の由来についてしらべようとします。

    作品中でも言及されているハメットの作品から想を得たハードボイルド小説ですが、過剰なエネルギーが作品世界のくびきを突き破っていく展開には、著者らしさが感じられます。

  • 内容紹介
    いつもは小心なサラリーマンの俺だが、いったん怒りだすと意識がなくなり、怪力を発揮してあばれだす。しまいには、人を殺してしまうかもしれない……俺はそれが怖い。三人のヤクザをいっぺんに叩きつけた俺のスゴさを見込んで、対立するヤクザの幹部が用心棒になってくれと頼んできた。それが、小さな都市を壊滅させる大抗争の発端だった。ハードボイルド・タッチの痛快長編小説。第6回星雲賞受賞作。

  • 今読んでも面白いってのが凄い!筒井さんのは読みやすくて分かりやすい!

  • 怒りに我を忘れる「おれ」。バーで絡まれたヤクザを半死半生にしてしまう主人公を恐怖する女店員達という設定がリアルだ。この事件をきっかけに新興都市で勃発するヤクザの抗争がエスカレートする様は著者の得意とするところ。スラップスティックというよりもハードボイルド的な味付けが心地よい長編SF。情景が思い浮かぶ筆致に、読書スピードが加速して読了。面白かった!

  • 人から薦められて、久しぶりに読んだ、時をかける少女以来多分30年ぶりくらいに読んだ筒井康隆作品。

    薦められた理由を暫し考えさせられる作品ですね。
    えぇ〜すくれめんとぉ〜

  • 父親から薦められた、最初の本。この本のせいで←
    ギャングやマフィアものが好きになりました。
    圧倒的強さ。

  • 絶対選んで読まないタイプの本だったが、たまたま巡り会わせた。
    ジャイサルメールでミカ!って本をくすねたんだが、カバーの中身が違ってそれがこれだった。スタッフは日本語が読めないからな。
    インドでは本を読む時間が出会う本の数を凌駕してるので読んだがまあギャグなんだろうな。ギャングギャグ。

  • 設定がおもしろいもはもちろん、主人公が変身するときの突き抜けるような気持ちよさは、筒井康隆ならでは。エスクレメントオオオオオオ!

  • 読んだのはずいぶん前だから記憶の彼方にいってしまった。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

筒井康隆の作品

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