エディプスの恋人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 243
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171135

感想・レビュー・書評

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  • 七瀬三部作の第3作目。

    (1)家族八景(新潮文庫、1975年) (家族ドラマ)
    (2)七瀬ふたたび(新潮文庫、1978年) (テロリストを排除する話であり、迫害を受ける話でもある)
    (3)エディプスの恋人(新潮文庫、1981年) (神話)

    主人公が意図せず、悪気なく大量虐殺を行ってしまう描写が何とも切ない。

  • 筒井康隆的な跳躍したぶっ飛んだ発想は楽しめるが「七瀬」という優れたモチーフをこのような形で描くのはどうなのだろうと思ってしまう。「意志」なる者を描くこの物語は、確かに三部作完結編として「七瀬」である必要があったかもしれないし、「七瀬」である必要もない。

  • ふう。これはちょっとやばかったね。読んだことによって一つ諦めたものがある程に、おもしろかったよ!

    【第328回てるぞう賞 長編部門受賞】

  • 読み終えた率直な感想は「著者は七瀬になんか恨みでもあんのか!?」…七瀬が不憫すぎて怒りすら覚えるほどに…笑 だって、前作の悲しい物語の記憶を消されて、神が近親相姦するための駒に使われて、挙句の果てには、これからもお人形としてがんばりますエンドですからねぇ…これは酷い扱いですよ。

    しかし、このアクロバットで強引な物語の閉じ方が嫌いかといわれると、「筒井康隆ならば許す」となってしまうのが恐ろしいところ笑

  • 最終巻ですがこれでおしまいなのが残念だ。
     やっぱり筒井さんよかったわぁ。作品全般にわたっての「ある」ということの「あり方」への問いかけが、ワタシの思っているあり方と似ているように思います。3部作の最終巻ですがこれでおしまいなのが残念です。
     「七瀬ふたたび」を読み終えたときに職場の同僚から3部作であることを教えてもらい、すぐさま第一作「家族八景」とこの文庫を古書店で購入しました。「ふたたび」で死んでしまった(のではなかったかな?)七瀬がどんなふうに登場するのかという不安はありましたが、その疑問も本作のラストで明らかになります。人間にとっての「ある」ということの相対さ加減がじんじんと感じられる作品でした。

  • 題名の通り、テーマはとても神話的。ミステリー、ラブストーリー的な展開に乗せられて読み進めていくうち、七瀬が突きつけられたのは自分の存在意義というめちゃくちゃ哲学的な問題。

    フロイト、海辺のカフカ、スターオーシャン3などなど、いろいろなものを連想させるのは、根本にあるのがとても普遍的な問題を扱っているからなのか。もしくは、自分の興味、思想にどストライクではまっただけなのか。

    最初に『家族八景』を読み始めたときには、まさかこんな展開になるとは誰も思わなかっただろう。ひとつひとつは全く違う舞台で描かれている物語を、“七瀬”という一人の女性を通して作品化したことにも深い意味があるのかも。

    三部作通して、ホップ、ステップ、ジャンプ!という感じで、久々にハイスピードな読書体験。

  • 七瀬三部作の最後の作品。
    『エディプスの恋人』って、何だろう。それから、前作を読んだ方なら真っ先に浮かぶ根本的な疑問。読んでいくうちに湧いてくる「じゃああの人は…」「そういえばあの事はどうなった…」という疑問。それらがラストに、壮大なスケールで、それにスピード、重さ、勢いを持ってなだれ込んできました。
    三冊の中で一番すらすら読めたと思います。これまた地に足付かない感じで終わるのが良い。これでこそ!

  • 再読
    何度目かの再読。七瀬シリーズ三部作の完結編。
    前作の最後を知る読者にとって、少し不思議な始まり方ではあるが、その謎の答えは後半に明かされ、七瀬という存在の希少性が明らかになる。
    三部作を通じて物語が大きな拡がりを見せ、作者の伝えたいメッセージが読後感として私たちに贈られる。続編を読みたい気もするが、この物語はこれで完結が正しい。
    何度も読みたくなる名作。

  • 七瀬シリーズの完結偏。主人公、七瀬のキャラクター設定以外、世界観が変わるこのシリーズの最後にエディプス・コンプレックスかぁ~、ユング持って来たかぁ~。ラストは「ですよねぇ~」。 昔に読んだときには頭の悪い私は解釈できなかった。今読んでみると「自分(筆者)が作り出したキャラクターを溺愛しちゃダメじゃんっ!」と感じてはみたが だからユングかと納得。筒井さんはすごいです。

  • 七瀬シリーズ三作目。
    人間臭さ→バトル→神
    という感じでシリーズが進む。
    一番最初が一番好みだった。

    何というか壮大だった。
    一作目は七瀬も人間らしくて
    好きだったが、
    どんどん人間味が無くなって。
    でも一字一句もれなく読みたくなるのは
    この作家さんが好きだからだ。

    シリーズ全部超能力で通してほしかったな。

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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