エディプスの恋人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 243
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171135

感想・レビュー・書評

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  •  『家族八景』=家族、『七瀬ふたたび』=国家、『エディプスの恋人』=神、の七瀬三部作最終章。

  • 三部作の三部目。
    これまでとはちょっと違った内容になったが、これはこれで面白かった。
    もう一度三部通して読んでみたいと思える作品。

  • 前作「七瀬ふたたび」から続けて読むと、「あれっ」と違和感を感じる。その違和感を、主人公も同様に感じているというのが面白い。
    主人公と一体化しながらも、私は同時に神の立場でもある(厳密に言うと筒井氏が、か)。
    ふたつの視点を改めて意識しながら、物語の謎を追っていく。物語の中にも外にも自分がいる不思議さ可笑しさを思い切り楽しめる。

  • 筒井康隆、初めて読んだが面白かった。読みやすい。三部作の他の小説も読んでみたいと思った。

  • 日本のSF作品の中では、既に古典名作的ともいえる七瀬三部作を読み切りました。最初の「家族八景」を読み始めてから少し時間が空いていたのですが、次の「七瀬ふたたび」と最終巻の「エディプスの恋人」は、昨日と今日で読んでしまいました。「家族八景」が発刊したのが私の生まれた年と同じ1972年ですから、相当古い作品とも言えるのですが、今まで読む機会がありませんでした。それでも「七瀬ふたたび」は何度かドラマで放送していた記憶があり、タイトルは知っていたので、SF作品としては何度も映像化されている代表作というのも頷けます。

    この三部作と呼ばれているのは、テレパスを持つ火田七瀬という主人公でESPをテーマにした作品というところが共通ではあるのですが、各作品の趣や構成は随分異なっています。それでも「エディプスの恋人」以外は何度も映像化され続けてきており、特に「七瀬ふたたび」は超能力ものの典型とも言え、時代を超えて何度も映画化をされているのも分かるエンターテイメントの要素が揃っています。

    最終的に主人公が生き延びれないという読者としては寂しい結末ではあるのですが、趣の異なる三作を通して悲壮感はあまりなく、テレパスの主人公である七瀬の目を通した社会や世界観の描写に感情移入させられます。最終作の「エディプスの恋人」では、宇宙意思という壮大なSFテーマにまで七瀬の目を通じて表現しており、同じ主人公で3つの作品が楽しめるオムニバス的な構成でもあります。それでもやはり超能力ものとしては「七瀬ふたたび」が王道で、主人公以下が全て抹殺されてしまう結末はさておき、色々なエスパーとの邂逅や謎の抹殺集団との闘いといったエンターテイメント溢れる作品でしょうか。

    これだけの有名な日本SF作品でしたが、今まで読む機会がなかったのが不思議なくらいでした。期待通りの面白さではありましたが、たったの三作で終わってしまっているところが寂しくもあり、だから名作として残ったのかもしれませんね。それでもこれだけ魅力ある主人公であるわけですから、読者としてはもう少し活躍する作品をみたところです。エスパーものでこれだけ面白かったのは、スティーブンキングのファイヤースターター以来でした。機会があれば映像化された作品も観てみたいと思います。

  • 他の七瀬シリーズとはちょっと違った七瀬でしたが、よかったです。

  • 2013/9/29

  • 神の視点を手に入れたときに『存在と時間』を読んだことを思い出すっていうのが、いまだによくわからない。でも面白かった。

  • ギリシャ神話のような神ではなくて、別の神を期待していた。

  • 七瀬三部作の最後。面白いし、読みやすいしきっちりと世界が描かれているんだけれど、荒唐無稽感も拭えなかった。他の二部と比べて映像化されにくいのは、技術的な問題よりも「意志」というネタで「何でもあり」になってしまった世界をまとめるのが難しいからではないか。

    「意志」の行動原理は人間には理解できないのかもしれないけれど、やっぱり、そこに共感できないということは作品として成立できていないのではないかと思う。「ああ、まさにこうでなければならないんだ・・・」という情景が描ききれていないのではないか。作者はもっと「意志」の存在について語りたかったことがあるのではないか・・・。

    この三部作はそれぞれ別と考えたほうがいいですね。それぞれ多次元宇宙での別個のものとして・・・。個人的には「幼年期の終わり」よりも「スラン」が好きなんです^^;

    ということで、作品そのものを否定するものではないので、個人的好き嫌いから星三つまで。

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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