エディプスの恋人 (新潮文庫)

著者 : 筒井康隆

• 新潮社 (1981年9月29日発売)

感想・レビュー・書評

[hpsさんの感想 · 2015年5月15日]

いきなり七瀬が高校の教務課事務員となっている。あの壮絶な前作のラストから、続きはどうなったんだ？　多元宇宙の平和な方の七瀬なのかよ、といささか拍子抜けというか、多元宇宙という名のものとご都合かよ、と落胆するような感で読み始めた。

違った。

香川智広のために働く絶対的な「意志」。暴力的な神。それは、その多元宇宙の神となった母親の存在によったのだ。七瀬と彼が恋に落ちるのも「意志」によるのだ。だから七瀬はこの世界に連れてこられたのだ。
七瀬は、ノリオやヘンリーを思い出す。七瀬が望むなら現れるその人びと、しかし七瀬が望まなければすぐ消えてしまう、そんなもの。一体自分とは、しかし「意志」に逆らえず七瀬は行動してしまう。
決して小さく綺麗にまとめない、筒井康隆だなあと感心しました。

[karunoさんの感想 · 2015年5月12日]

３部作の最終巻。前半はミステリーっぽかったが、後半は、ＳＦらしい、現実にはない　スケールの大きい背景定義。論理的になんだか分からないのがＳＦなんであろう。

[sykm1024さんの感想 · 2014年10月5日]

七瀬三部作の最終巻。
ただ、三部作といっても、それぞれ世界観は全く違うし、スケールも違う。

今作は圧倒的にスケールが大きく、途中から少し置いてけぼりにされたように感じたほど。
私の好みを言えば、哲学にまで発展していく今作よりも、日常の中に七瀬達超能力がひっそりと潜んでいた前二作の方がわくわくして読めた。

[miegorengさんの感想 · 2014年9月12日]

筒井康隆っぽい壮大さの狂言回しに
シリーズで使用した七瀬を
主人公にしたって感じで、
他の人たちがどうなった、辺りからは
完全に物語はメタの世界に入り出して
七瀬はコマに成り下がってしまった。
嫌いじゃないけど、
やっぱり初めての時をよこどりするのは
無しでしょ‼︎(>_<)

[yoshi2013さんの感想 · 2014年7月22日]

三作目はなんとも壮大なストーリーですね。何故、七瀬は二作目で絶体絶命のなかで事もなく生還したのか、過去の出来事を全く語らないのか、前半で調査している智広君のことをなぜいつまでも「彼」と言い続けるのか、終盤で全て明かされ雲が晴れる気分に。
絶対的存在になる前の母親はなぜイマイチな頼央を選んだのかが分からない。まぁそんな些細なことをつついてもしょうがないほど話は一挙に急展開するんですけどね。
三部作は見事に関連性を持ちつつもそれぞれ違ったテイストで楽しめます。

[バランスボールさんの感想 · 2014年6月25日]

母親が神様になった話

[aliceiwlさんの感想 · 2014年5月4日]

『七瀬３部作』の最後だけど、前２作と繋がりが、なかなか見えないので戸惑う。
ちょっと話を大きくしすぎの感は否めないかなと。

[季結さんの感想 · 2014年4月12日]

七瀬シリーズ最終巻。

[douzoさんの感想 · 2014年3月17日]

二作目が無かったことになっているかのような仕掛けは、おもしろかった。話が壮大で、家族八景好きな私にとってはあまりにも壮大で…。世間が女性化してきているという指摘は、30年も前の作品だけど、いまとリンクしますね。三部作通じて古さがまったく無いのが本当に凄い。ただ、神のような存在となると話が大きすぎて、また、タイトルからわかっていたことだけれども、エディプスコンプレックスというか、そのものを見せられた瞬間は、直視しづらかったでが…おもしろかったです。

[Tonyさんの感想 · 2014年2月11日]

七瀬シリーズ。

著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」