エロチック街道 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171173

感想・レビュー・書評

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  • 舞台『ジャズ大名』千葉雄大&藤井隆出演で奇想天外なコメディ、筒井康隆の小説原作 - 横浜など4都市で - ファッションプレス
    https://www.fashion-press.net/news/104762

    ジャズ大名
    https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04193/

    筒井康隆 『エロチック街道』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/117117/

  • ニヤニヤしながら読んでしまった。
    特に日本地球ことば教える学部、また何かそして別の聴くもの、歩くときは面白かった。
    あるものを別の角度、ひねくれた角度で見る筒井ワールドどっぷり。
    1番残った文章は、インタビューのたとえ不便であってもちっとも不便ではないと言い切る強さが必要です。

  • 18篇の短編集。『虚人たち』と同じように、段落下げを極力少なくした作品が多い。映像で言えば、長回しを楽しんでほしいということか? 表題作がやはり印象的。温泉隧道が、本当に交通機関のように使われている街。そして、そこには湯女のような女性が登場するが、題名ほどに淫靡な内容ではなく、むしろ健康的なエロティシズムを感じた。

  • 筒井康隆は高校の頃にたくさん読んでいたが、最近はめっきり触れなくなってしまっていた。とは言っても関心がなくなったのではなくて、少しずつ古本屋などで著作を集めていたし、ときどき雑誌に新作が発表されれば読んでいた。
    しかし短編集をまるまる一冊読むのは久々だ。数ヶ月前に「世界はゴ冗談」「人類よさらば」を読んだが、過去の名作が収録されている短編集はほとんど触れていなかったと言ってもいい。だから、本書を読んだとき、面白さや読み応えとともに懐かしさも溢れてきたのは、それだけまだじぶんに筒井康隆愛が残っていた証拠だろう。
    短編集「エロチック街道」は、タイトルに反してそこまで官能的な話ではない。筒井康隆が言う「色気」なら満ち溢れているが、「残像に口紅を」のときのような濃密な性描写があるわけではまったくない。
    だが、タイトルに対して少し期待していた人たちは、それで項垂れてはいけないだろう。かこに収録されているのはどれも珠玉の作品揃いで、ホラーやスラップスティック、パロディ、言語実験等々、読む者の脳を揺さぶってくる、ほかでは味わえない要素が詰め込まれている。
    筒井康隆の小説を読むと、まともに喋れなくなる。本当の話だ。なぜなら、我々はふだん好きなように話したり書いたりするが、それは自然と身についた言語感覚によるものであって、彼の文学は、そうやって「自然と」身についてきた感覚をすべて切り崩してしまうからだ。読めば読むほど、正しい日本語の文法や言い回しが分からなくなる。だから彼の小説を読むときはいつもヒヤヒヤしてしまい、ほかの美文とうたわれる作家の作品を読むときのような悦びは味わえない(もちろん、筒井自身は書こうと思えばいくらでも、美文を書ける作家だというのは分かりきっている)。
    だから我々読者は、波に乗るように、ただ現前する言語の群れに身を任せるしかない。そうすれば、きっと言い知れない別の視野が開けてくるだろう。もちろん、そこまでの道程は、読者の自己責任だが。

  • 本のタイトルにある「エロチック街道」は現実感と異世界感が合わさって良かったです。

    他の短編は「ジャズ大名」を除くと殆ど意味がわからなかったです。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    見知らぬ夜の街。裸の美女に案内されて、奇妙な温泉の洞窟を滑り落ちる…エロチックな夢を映し出す表題作。江戸末期、アメリカより漂着した黒人たちと、城をあげてのオールナイト・ジャムセッションが始まる!底抜けに楽しい傑作「ジャズ大名」など、幻想小説、言語実験、ナンセンス、パロディ、純文学にいたるまで、著者独自の迷宮的世界を見事に展開する、変幻自在の18編。

  • 言語実験的な短篇やパロディが多いため、かなり人を選ぶ。筒井入門には向かず、どちらかといえばかなりコアなファン向けの短篇集である。「昔はよかったなあ」は昔を振り返る老人の話だが、その昔の話はどれも時代設定がめちゃめちゃでアトランダムに並んでいる。具体的な年号が出てこず、そのどれぐらい昔か分からないという点も老人の独白らしくていい。「インタヴューイ」は噛み合わないインタビューを描いた作品。「寝る方法」「冷水シャワーを浴びる方法」「歩く時」などはそのタイトル通り、寝る方法や冷水シャワーの浴び方、歩く時の足の様子を偏執的に描写した短篇で、オチらしいオチはないもののその描写力には相変わらず脱帽するばかり。「また何かそして聴くもの」は謎かけとギャグのオンパレードに言葉遊びを交えた短篇である。「偏在」は文字通り視点の偏在を描いた短篇で、キャラクターの視点と内面をカメラのように実験的に色々と変えているのが面白い。読みにくいものの、小説を書いたことのある人間ならその技法に舌を巻くだろう。個人的に一番のお気に入りで、また今まで読んだ筒井康隆の短篇で、現時点で一番面白かったのはこの「ジャズ大名」である。異国の地に流れ着いた黒人3人が音楽好きの大名に拾われて地下の座敷牢でセッションをするという短篇である。殿が異国の人間と会うことに最初は難色を示していた家老が、実は陣太鼓の免許皆伝であることが発覚し、たまらずオフビートの練習を始めるというくだりは非常に面白かった。地下の座敷牢がもぐり酒場のようになり、熱に浮かされたように演奏を続ける大名と家臣たち、半ば狂気的で狂騒的な演奏を終えて夜が明けると、幕府の時代が終わりを告げ明治時代が始まっていたという終わり方も非常に良い。ジャズと大名という突拍子もないネタを現実的に描く筆致と、テンポの良いストーリーと冴え渡るギャグが一級品の短篇である。やや実験的かつ前衛的だったため本来は星3だが、「ジャズ大名」が好みだったので星+1である。この短篇だけでも買う価値はあり、人に勧めたいと思わせる短篇である。

  • 短編集。映画「ジャズ大名」の原作が収められている。

  • 2017.1.12(木)¥100+税。
    2017.3.22(水)。

  • おもろいけど むちゃくちゃ
    なんのこっちゃ って感じ

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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