くたばれPTA (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 769
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171197

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。
    昭和40年代に書かれてるのに現代を予言しているかのような、これからの未来が見えるような、
    ブラックのかっこよさを感じます。

  • 筒井康隆のアイディアが冴え渡る至高のショートショート集。わずか10ページ足らずのショートショートばかりではあるが、読み応えがあり、どれもしっかりとオチのついた傑作ばかりである。「猛烈社員無頼控」は猛烈社員という題材にやや古さは感じるものの、新人研修の結果、シバキ主義になったり自尊心ばかり膨れ上がったりするというのは現代でも通じる話で、そうなってしまった男の滑稽さを描いた短篇である。表題作の「くたばれPTA」は表現規制団体の非論理性を鋭く描いた傑作であり、俗悪に権利無しとでも言わんばかりの暴虐ぶりは妙にリアリティがあって笑えない。興味深いのは味方であったはずの子どもたちさえ敵に回るという描写である。子供向けホビーを見れば分かる通り、確かに子どもはマスメディアのコントロールの影響を非常に受けやすい。またパブリック・エネミーは悪という子どもの善悪の基準を植えつけたのは主人公のSF漫画家というのも面白かった。そして子どもの尊厳を得るために悪堕ちするというオチも皮肉が効いてて良い。「女権国家の繁栄と崩壊」はフェミニストが主権を取ったた男以上にマチズモになるという矛盾点を突いているのが面白いが、やや女性蔑視に過ぎる描写が多いので苦手な人は苦手かもしれない。ただこの俗悪さこそが筒井康隆と言っても過言ではない。「20000トンの精液」は処女アイドルが10億の男の慰みものとなって3Dセックスに興じるという物語で、現代のアイドル幻想を端的に表現した傑作である。ルナティックと呼ばれる陰茎にコントロールされて性欲をむき出しにした男性ファンや、嫉妬めいた憎悪の視線をぶつける中年女などの描写が凄まじい。ラストの付き人の男に襲われるというオチも良く、「10億の男と寝たお前がおれと寝るのを嫌がるのか」「有名になることとひきかえに誤解させることを選んだのだ」という台詞のおぞましさは非常にリアルで、声優や地下アイドルに群がる狂信的なファンの言動に対する筒井の予見力の高さに驚いてしまう。アイドルの処女性、いわばアイドル幻想に対して「それはどうでもいいことだったんだ」「まったく、とるに足らない、つまらないことなんだ」言及しつつ犯すというオチは非常にえげつないが、ショートショートとしての完成度は非常に高かった。どのショートショートも名作揃いではあるものの、やや表現が過激なので読む人間を選ぶだろうが、筒井節を楽しみたい人間にとっては必読の一冊である。

  • 筒井さんはページをめくるのがもったいないくらいの作品が多く、ワタシにとってはとっておきの作家さんですが、この作品たちは言葉狩りに対する当てつけというか奴隷根性というか何かそういったものが透けて見えて、心から楽しんで読むことができませんでした。
    でもまた筒井さん、絶対読むからね〜

  • たぶん再読。
    もしかしたら三回目かもしれない。
    古い本なのにおもしろい。
    すごいことだ。


  • 遊歩道

    酔いどれの帰宅
    落語・伝票あらそい
    モーツァルト伝
    ナポレオン対チャイコフスキー世紀の決戦
    カラス
    ここに恐竜あり

  • 2018年1月8日読了。
    2018年17冊目。

  • 筒井康隆の毒ワールドぶりが中々いいですね。皮肉たっぷりで裏切らない展開がとても良いです。
    個人的には「落語・伝票あらそい」がイチオシ。

  • 筒井さんの作品は、どれも先の先の未来を予測して描写されてるところが面白く、また今の現代と比べることができる所が良いと思います。
    歴史上人物系は声を出して笑いました。

  • 図書館/深入りしにくい。バラエティに富んでいてひとつひとつの作品の理解がむずかしくて、うーん、悔しいなあというのが正直なところ。言いたいことはなんとなくわかるけどなあ、みたいな。解説を読んで あ、なるほど、じわじわ…となりました。筒井作品もっと読んで耐性(?)つけたい。笑

  • 短編集

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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