旅のラゴス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7831
レビュー : 930
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171319

感想・レビュー・書評

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  • 夏フェア本にラインナップされていた旅のラゴス。久方ぶりに読まずにおったことを後悔した一冊。これはマジで読んだ方がよいよ。筒井さんだけあってSF要素あり。主人公ラゴスの旅の一生を綴った物語。どこか人を食ったところがあるラゴスはその性格ゆえに旅人とならざえるを得なかったんじゃ無いかというのが自論だ。時には人さらいにあい、時には王国の王様として祭り上げられ、波乱万丈な人生だが、それすら楽しんでいる様が愉快だ。

  • 青年期からラゴスとともに長い旅をして、多くの人に会い、窮地に追い込まれたり好機に恵まれたり、そして老年期になり、気がつけばこんなところまで来てしまったという気持ちになる。
    旅の目的は…やはり旅であるから、結末がどうあれラゴスの旅は続いていくのだろう。

  • 各章で風が吹き抜けるような隙間を感じるのは、読者にラゴスの旅との一体感を与えようとしてのことかな。ラストも、少し先に目的地が見える平原の中で終わるようで、個人的にはとても心地よかった。女性描写が好きになれないので-1

  • 初の筒井康隆。

    主人公のラゴスは、一生分の人生を費やす旅をする。たった230ページなのに、その間には数十年の月日が経ち、とても長い物語を読んだかのような気分。

    旅先で出会う人々やその生活の描き方はそれなりに丁寧で、しっかりと紀行小説として成り立っている。そんな中にも、ワープやら読心やら完全記憶やら浮遊やら、超常能力が散りばめられているんだけど、それは人々の生活に自然な形で浸透していて、ファンタジーとSFのなんとも言えない絶妙な塩梅を生み出している。

    有能で人当たりの良い主人公が旅をするという意味では、
    パウロコエーリョの「アルケミスト」っぽい。
    そして地球ではないどこか別の惑星で、少し不思議な能力を持った人々と出会って行くという意味では、ルグィンの「ハイニッシュ・ユニバース」シリーズを思い出した。

    ただ、物語のテンポは普通で、登場人物には特段感情移入できず、可もなく不可もなくと言ったマイルドな読後感。
    SF的なエッセンスがもっとあれば良かった。

  • 人生とは旅であり、目的は何でも良い。その時々の自分に従って時間を費やすことが人生を豊かにし、人生を旅たらしめるのだと思う。

    大きな事件やどんでん返しがあるわけではないが、メッセージがストレートに伝わってきた一冊、

  • 結構いい本だとオススメされていることが多いので読んでみた。SFとファンタジーが混ざったような内容で好み。壁抜け芸人とかちょっと馬鹿馬鹿しいのも良いよね(褒めてます)。主人公ラゴスの、一つの場所にいられないって、自由ではあるけど孤独だよね。まさに人生は旅。

  • いつもの皮肉めいた短編ではなく、長編。
    内容も含めて新しい筒井康隆を感じた作品でした。

    主人公ラゴスを通じて、
    どこかずっと留まれる自分の居場所がなくとも
    旅をしている状態が居場所になりうるのだと
    考えさせてくれました。

  • 各編と各編の繋がりが、すごい淡白で、あっさりしてるけど、テーマは深い。
    旅を通して、人生とは、人間の営みとはを考えさせられる。

    人生は終わりなき旅。
    あらゆる分野の知識を得ても、年老いて母国に戻っても、知識を実践し人々に適切な幸福をもたらしても、決してそこに定住しない、満足しない。
    結婚をしても、安寧な生活があっても、二度も奴隷になっても、意思を貫く。

    最期死に出の旅となり、同じ境遇の老人と会い引き止めにあっても、それをはねのけて歩み出すラゴス。
    人生は終わりのない学問なんだなと感じた。


    読むと旅がしたくなる。

  • 読み終わった後はラゴスと共に長い旅路を終えたような感覚を味わえた。
    大人になってからあからさまな魔法だとか超能力といった作品に苦手意識を感じていたけど、旅のラゴスに出てくる魔法(?)はなんだかスッと入ってきて読んでいて心地よかった。
    むしろ好きな世界観。ラゴスのように自然と人が集まってくるような、教養のあって素直な人間になりたいと思わせてくれた作品。

  • 1984年から1986年に不定期連載された作品。
    最初、諸星大二郎っぽい世界観だし、主人公が旅した街で起こるエピソード集的な話かと思ったら違った。
    主人公ラゴスの青年期から晩年を追った一つのきちんとしたストーリーになっていて、かなり真っ当なお話だった。

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著者プロフィール

筒井 康隆(つつい やすたか)
1934年大阪市生まれ。日本を代表するSF作家の一人と目され、小松左京、星新一と並び「SF御三家」と称されることもある。
1981年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1993年に断筆宣言を行ったことは大きな話題になった。1996年断筆解除後には、2000年『わたしのグランパ』で読売文学賞、2010年に第58回菊池寛賞、2017年毎日芸術賞をそれぞれ受賞。2002年には紫綬褒章も受章している。
代表作のひとつ『時をかける少女』は度々映画化、アニメ化され、多くの読者に愛される。ほか『日本以外全部沈没』、『文学部唯野教授』、『旅のラゴス』、『残像に口紅を』などは機会あるごとに話題となり、読み返されてきた。

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