- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171326
感想・レビュー・書評
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筒井ワールド全開のシュールな一冊です。 特に「最後の喫煙者」が個人的にお気に入りの作品です。 本書を含め、短編集を何冊も読みましたが、改めて整理しながら再読したいと思います。
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再読。かつての筒井康隆ファンたちは今、誰の本を読んでるんだろう?
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短編18編を収録しています。
「借金の清算」は、ヤクザの兄弟分の会話形式の作品です。任侠物の映画に対する、著者のやや偏愛めいた趣味が現われているようにも感じられます。このことをはっきりと指摘したのは、『男たちのかいた絵』(新潮文庫)に所収の中島梓(栗本薫)による「解説」でしたが、やはりそうなのかという感想をいだきました。
「最後の喫煙者」は、喫煙者に対する非難の声が高まるなかで、最後までタバコを手放すことなく戦いつづける「おれ」の物語です。『笑犬樓よりの眺望』に収録されているエッセイにも、同様の呪詛のことばが見られます。
「傾いた世界」は、フェミニズム批判をひとつの主題としているといってよいのですが、この作品が書かれたのが1989年であり、いわゆるバックラッシュが表面化する以前のものであったことを考慮したほうがよいのかもしれません。当時にあっては、フェミニズムの主張は禁煙と同様にすくなくとも表層的なレヴェルでは正義とみなされており、それゆえ著者のブラック・ユーモアが功を奏したのでしょうが、SNSなどにフェミニズムに対するユーモアの欠如した剥き出しの憎悪があふれている現在では、当時の読者とおなじ心境で本作を読むことは困難であるような気もします。 -
内容紹介
不人気な俳優の鬱屈した怒り、規則に縛られたレストランのボーイの悲哀をコミカルに描く表題二作等、狂気と狂気が激突する全18編。 -
今改めて読むと、微妙にあざというか、薄いというか。
こういうように材料を料理すると面白いでしょ?てな感じで。
自分が若い時は面白かったんだけど、現在読むとちょっと読み応えが違うなぁ、、、 -
1990年刊行の短編小説集。実験的作品、ブラックユーモアと奇想天外な話が集約されている。中でも一文25文字の制限で展開する「レトリック騒動」、現在の嫌煙を先取りした「最後の喫煙者」は傑作。
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今ひとつ、作者の意図がわからない・・・
自分には向いていないのか、自分の読解力がないのか? -
読んだような記憶があるけれど。
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○「夢の検閲官」「鳶八丈の権」「『聖ジェームス病院』を歌う猫」
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2010.12.15(水)。
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昔、確か10年以上前、テレビの「世にも奇妙な物語」で見た、最後の喫煙者の話が忘れられず、ついに巡り会えました。
すごく印象的な話です。
作者のアイロニカルな発想と色々なものの暗示みたいなものが、読んでいて、私の想像を膨らませてくれます。
今読んでも面白いです。 -
なかなかできた作品。面白い。
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「夢の検閲官」「カチカチ山事件」「魚」「レトリック騒動」「借金の清算」「上へ行きたい」「箪笥」「巨人たち」「鳶八丈の権」「火星探検」「のたくり大臣」「「聖ジェームス病院」を歌う猫」「冬のコント」「夜のコント」「最後の喫煙者」「CINEMAレベル9」「傾いた世界」「都市盗掘団」
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ややシュール感が強め。
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表題作「冬のコント」はなかなか戦慄モノである。その他「最後の喫煙者」は何か妙な現実感を伴っていそうな気も……。