- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171333
感想・レビュー・書評
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難しいけど、オモロイ
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これは騙された!あっぱれお見事!と陳腐な感想が出てしまうほど読後感の気持ちよさが素晴らしい
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何人かのBOOKチューバーさんが紹介してたのと、
「推理小説史上初のトリック」、「前人未到のメタ・ミステリー」などの煽り文句(?)に惹かれてGET。
郊外の別荘地でひと夏のバカンスを楽しもうと、前途有望な男女が集まる。
その中の一人の女性がピストルで撃ち○され、また一人、また一人、と○されていき…テなお話。
230ページちょっとでスイスイ読めるんだけど、序盤から絶妙に違和感ある描写もあって「むむむ…」となりながら読み進めていくうちに、
警部さんが「ハッ!」となるような一言を言ってから、「やっぱり!」となる展開は凄いしさすがだなとか感じさせてくれる。
犯人当てとしても優しめで、解決編のところを読みながら前に戻って読むっていうのも楽しかった。
犯人がものすごくジコチューなのだけマイマス(笑) -
これはずるくない?と一瞬思ったけど、序盤はすんなり受け入れて読んでたわ…途中に挟まれるから分からなかったんだ。違和感はあるけど、上手に誤魔化しながら書かれていてすごい。しっかり騙された。
話の内容あまり好きじゃないかなと思ってたけど、最後まで読んで少し気持ちが変わった。私の苦手な終わり方じゃなければ良かったのになぁ… -
幼い頃、自分がふざけて犯した過ちで、同い年の従兄弟重樹の身体を傷つけてしまった「おれ」は、彼のために一生を捧げようと決意する。そして、20年間、公私ともにわたり、重樹に尽くしてきたおれだったが、ある時、2人に馴染みの深いロートレック荘を訪れることになり……
ミステリ読みであるならばと、薦められた作品。平成2年の出版らしいけれど、のっけから昭和の香りの漂う内容。そして、トリックはというと……
なるほど、つい最近こんな感じのミステリ(もしかしてオマージュ?)を読んだところ。会話でつまづいて、ぎくしゃくする時はこのトリックを疑った方がよいのかも。古色ゆかしいミステリといった感じで楽しめました。 -
・ページ数が少ないためサクッと読める。
・短い話にも伏線は張り巡らされており、叙述トリックを短時間に味わえる。
・最後、参照ページ付きの答え合わせ(笑)があるため、初心者にオススメ。
・叙述トリックとしてはある意味「わかりやすすぎる」。意地悪になりきれない著者の優しさ?
・ただ、トリックに途中で気づいても「作者やってんなー!」とニヤニヤしながら読めたので、それはそれで面白かった。
知人から叙述トリックといえばこれ!と勧められたので期待値が高くなってしまったのかもしれません。
前評判なしで発売当初に読めた人が羨ましいと思う作品でした。 -
作者の面白い試みがされている作品。
ページ数は230と少ないので一気読みできる。
文章が読みづらいところがあるが、最後まで読むとその理由も致し方ないことはわかってきます。回答編も親切設計。
どうしても読みづらい点があるので、そこはマイナス評価だが、一度は読んでおくべき作品。 -
まんまと騙された。
お気に入りの一冊。 -
表紙のメタトリックって書いてあるので,探しながら読んだ。途中で何となく分かってからは、あんまりおもしろくなかったかな。お屋敷物なのに、なんかもったいない。登場人物に魅力をあんまり感じなかったからかな。
メタトリックは最後に「おーそうだったのか~」ってびっくりするのが醍醐味なので表紙に書くのはいただけないね(+_+) -
素直に騙された〜!読み終えたあとの疑問やモヤモヤも残らない良い本でした。短時間でサクッと読めて分かりやすいから人にも薦めやすい。救いの無さがつらいけど…!笑 面白かった!
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多彩なジャンルをモノにし、2012年にはライトノベルにまで手を伸ばした筒井康隆の膨大な作品の中でも、ミステリーの長編作品は2つとされている。ドラマ化もされた「富豪刑事」と本書「ロートレック荘事件」である。
本書はロートレックの絵画が飾られた洋館で起こった美女3人の殺害を巡るミステリである。小説の叙述形態を生かしたメタ的なトリックが肝であり、「この地の文章は一体誰の思考なのか・・・?」と気になりながらも読んでいるうちに、その疑問が全てトリックで回収される様子は見事であり、筒井康隆の高い文学的技法の操作能力を楽しめる。 -
かつて「時をかける少女」や「七瀬ふたたび」などSF小説の名作を読んだ事のある人には筒井康隆の文体はこんなだったかな?と思ったのではないだろうか。
クラシカルな翻訳小説のような印象が、まず第一だ。
また、ロートレックの絵画が会話での説明と共に、本の中に挿し絵が組み込まれているが、読了後には果たしてこの事件にはロートレックに何かしら意味があったのか、自分の読む力では不明だった。
評判は良いにも関わらず、自分との相性は今ひとつの一冊だが、筒井康隆は素晴らしい作家だと思うので、懲りずにまた何か手にしたいと思う。 -
破天荒なSFからスタートして後年には文学を目指した筒井康隆。そのこと自体には毀誉褒貶があるけれど、この本については彼の文章技巧が冴え渡り、最後に爽やかな読後感を残す。伏線は様々に張られている。しかし気づかない。人の思い込みを上手に活用して、我々を手玉に取っているのだ。
避暑地の別荘に新進気鋭の画家を巡って三人の令嬢の思惑が交錯し・・・という舞台設定はアガサ・クリスティ以来のミステリーの伝統を踏まえており、時代設定が1990年前後でありながら古色蒼然としたやりとりが展開されるあたりも何かのオマージュか、と楽しめる。そこに虚飾や劣情といった毒が回ってきてこその筒井文学なのだが、その辺も次第に明らかになってくる。
加えて、背景小道具の一つに過ぎないにもかかわらず、ロートレックの絵をふんだんにあしらう贅沢さには当時の筒井康隆の人気が偲ばれる。断筆宣言なんてする必要あったのか、と思い起こしても詮方ないのだけど。 -
完全にミスリードされ続けたままラストを迎えてしまって驚くよりも先に「は???」となってしまった。よくよく落ち着いてどういうことだったか考えるとすさまじい作品……
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トリックは巧妙というよりは狡猾。だが、全ての謎を明らかにする仕掛けは、大胆かつシンプルで感心させられる。共感できたというとおかしいが、犯行動機も久々に良い。違和感と読みにくさを感じながら読み進めなければいけないのが少し難点か。
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確実に再読を決めたのですヽ(〃Д〃)ノお勧めしてくれたお友達人´∀`).☆.。.:*ありがとうですよ!11
確実に注意深く読んでいたつもりだったのですけど、全然甘かったああああああああヽ(〃Д〃)ノ -
何を書いてもネタばれになってしまいそうな作品です。フェアかアンフェアかはともかく、本当に驚きました。予備知識なしで読んで欲しい一冊です。
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見事に騙されました。
最近はミステリをよく読むので、注意深く読んでいましたが、ある一行に衝撃を受けました。
最後に、犯人からとても丁寧な解説があるので安心して読んでください(笑)
きっと騙されます! -
おもしろかったぁー!こういうミステリー大好物です♫作者の思う壺にまんまとはまり、「え?え!え!?」と前のページに戻って感嘆する、紙書籍ならではの読み方を味わうことができるのも楽しい。
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筒井康隆の『富豪刑事』に次ぐミステリー作品である。康隆の領分ではないが、『富豪刑事』の素晴らしさは語るまでもなく、本作も期待感と共に読み始めた。
舞台はロートレックの絵画だらけの別荘「ロートレック荘」。そこに集まった金なしの芸術家と金持ち一家、そして美女たち。芸術家が結婚相手を選ぶ中、邸内で殺人事件が。そして、殺人は警察の監視の中も続いてゆく。
序盤は康隆にしては珍しく落ち着いた入りで、中々発展がない。しかし、ミステリーファンには何も無いところに鍵があることはご存じなはず。そして終盤の衝撃の種明かし。
王道を踏まえつつ、新たなトリックで読者を魅了する、康隆の底を窺い知ることは難しいだろう。また1つ、素晴らしい作品に出会えました。 -
久々の筒井さん作品。面白かったです。私自身、絵画についてあまり詳しくないのですが、それでも楽しめました。犯人当ては私には少々難解でした。最後の最後で驚きました。
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1人隠されてた。びっくり。感動。もう一回読みたーい。
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アート小説の一冊と言っても過言ではないかもしれない。叙述トリックなるものの初歩に当たるのか?
誰がしゃべってる話か、判然としない点で煙撒き殺法全開だ!といったところ。 -
本書は速読をおすすめしません。そういうことか…!ときっとなってしまうからです。