影武者徳川家康(中) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174167

感想・レビュー・書評

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  • 史実や文献につなげるのには唸ってしまうけど、説明が入ると少し退屈に…
    そこを気持ちの良い傑物達のエピソードで補ってくれてる。
    家康優勢のままであるものの、下巻では時の経過が秀忠に味方していってしまうのかな…少しそわそわしている。

  • 二郎三郎からすべての権威権力を奪い自分のものとしようとする秀忠。秀忠将軍継承、二郎三郎息子の徳川家継承、風魔と柳生の戦い、すべてがリアリティーの伴った白熱した描写である。
    松平忠輝、他の作家からは愚か者扱いされているのに著者は好奇心の強すぎる好青年、何カ国語もしゃべれる外国人の星と定義して、岡本大八キリシタン事件、大久保長安と伊達政宗の陰謀を絡めて描いているところは、本当に興味深く読ませて頂いた。

  • 秀忠を牽制しながら着々と護りを固めていく二郎三郎。甲斐の六郎の活躍が光る。おふうの子供への愛着。同族を斬らねばならなかった柳生兵庫助の悲しみ。たくさんのドラマがありました。すごく面白いのだが、並行して起こる様々な出来事で登場人物が多勢すぎて混乱するのが難。そして秀忠があまりにも駄目駄目すぎる。下巻を楽しみに…。

  • 駿府の城構えを進める二郎三郎。もはやこの巻では彼の名字を呼ぶことはなくなった。もう本物か影武者か、どちらでも良いくらいの存在感があるのだ。将軍・秀忠と柳生宗矩の暗殺計画を見事にかわす二郎三郎軍団だからこそ、さらに秀忠の怨みが増幅し、緊張感が高まっていく。計略により駿府に残置された形になった柳生忍びの殲滅作戦は、柳生の道統を継ぐ兵庫助による厳しく悲しいものだった。六郎とおふうの間に子ができた。青蛙の藤左と二郎三郎に瓜二つの伴天連・ソテーロの登場。最後は後陽成天皇弑逆の危機が出来し、下巻に続く。

  • 上巻の最後に征夷大将軍の地位を得た徳川家康こと、影武者世良田二郎三郎。
    この中巻では自らの命を守るため、堅固な砦となる駿府城を建てつつ、箱根山に拠点を持つ風魔衆をも引き込み、徐々に盤石の態勢を敷いていく。資金面では日本各地の金銀山を家康直轄とし、さらに南蛮貿易にも手を伸ばすなど、やることなすこと抜け目がない。さらに側室との間に子どもも次々と生まれ、「徳川家康」という実在の人物の実際の活動を下敷きにしており、うちいくつかは創作であるとは分かっているものの、これだけのことを60歳過ぎてから成したのか、と驚嘆せざるを得ない仕事ぶり。

    家康の影武者を主役に置いている関係上、対立軸として上巻で既に馬脚を現している二代将軍、秀忠がとにかく卑劣で酷薄非道な小者に描かれているので、実際にどんな人物だったのか何度か確かめたくなるほど。上巻でも思ったが、この作品に書かれていることが真実なのではないかと錯覚するような場面も多々あり、小説としての密度の濃さを堪能できる。

    この巻からはキリシタンや外国人も重要なアクターとして多く出てくる。彼らの考え方と世良田二郎三郎の信念とがリンクするあたりも読み応えあり。本筋も脇道も含め、楽しめる場面は数えきれない。

  • ★秀忠が非常に悪人に描かれているので、実際どんな人だったのか知りたくなった。

    ★松平忠輝カッコいい。

  • 上中下巻の超大作。
    中巻では、ついに征夷大将軍になった家康の影武者二郎三郎が、二代目将軍になる秀忠とパワーゲームを繰り広げます。小細工から大仕掛けまで、中にはクスッと笑えるようなモノもあって飽きさせません。
    話の筋としては大きな動きは無いものの、それでも一気読みできる面白さ。下巻が楽しみです。

  • 二郎三郎が秀忠を押さえこむあたりが爽快。
    今後忠輝が秀忠に対して、どの様な楔になっていくのか楽しみ。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。

  • 歴史物は登場人物が多く、堅くて読みづらいイメージがありましたがこの作品は表現が平易で登場人物もある程度固定されていたので読みやすかったです。

    登場人物の行動理念が丁寧に描写されるので、すごいことやアホなことをしても納得感ができ、とても面白かったです。
    私は特に中巻が好きです。

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