影武者徳川家康(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 1098
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174174

感想・レビュー・書評

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    網野善彦さんを読み終えると
    隆慶一郎さんを手にしたくなる
    隆慶一郎さんを読み終えると
    網野善彦さんを手にしたくなる

    座右の書棚には
    このお二人の文庫本たちが
    並んで いつでも出番を
    待ってくれています

    ちなみに
    そのすぐ横には
    沖浦和光さんと
    塩見鮮一郎さんが
    並んでいます

  • 読み切った!
    うっかり終盤の酒宴のくだりを通勤途中の電車内で読んでしまって、ハンカチを目に当てつつ…となってしまいました。。

    下巻ではついに家康(二郎三郎)が避けたいと思っていた大阪の陣が起こってしまい、顛末とその後が描かれています。
    正直なところ、もう少し陰惨な展開を予想していたので、結末が思いのほか優しいもので虚を突かれたようになりました。でも、良かった。

    手元に置いて、折々読み返していきたい本です。
    こういう本に出会うために、数をこなしているので。

  • 関ヶ原後の豊臣家問題。何故に15年間も攻め滅ぼさなかったのは子供の頃からの謎であった。滅ぼす気があるなら1611年の二条城会見は無駄でしかないし、豊臣家に見方しそうなのは加藤清正、福島正則ぐらいだから力押しで十分ぐらいにしか思っていなかったが、滅ぼしたくない二郎三郎と滅ぼしたい秀忠と言う仮説でみていくと妙な説得感があった。
    平和を守るギリギリの攻防、しかし最後は豊臣家側の暴発で滅亡。フィクションとわかっていても最後まで迫力がありのめり込んでしまった。本当に面白かった。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    いまや二郎三郎は、秀忠を自在に操る家康なみの智将であった。彼の壮大な夢は、江戸・大坂の和平を実現し、独立王国=駿府の城を中心に自由な「公界」を築くことだった。キリシタン勢力を結集した倒幕の叛乱を未然に防ぎ束の間の平安を得るが、秀忠の謀略から遂に大坂の陣の火の手が上がる。自由平和な世を願い、15年間を家康として颯爽と生き抜いた影武者の苦闘を描く渾身の時代長編。

  • ボリューム満点だったけど、最後まで面白かったです。戦国時代を生き抜いた英雄たちが、老いて益々盛んな活躍ぶりは格好良かった。長く続く江戸の泰平の礎を築き上げた、っていう家康の偉業も、一般市民だからこそ、って考えれば結構すんなり腑に落ちるかも。とんだろくでなしと思わせられ続けた秀忠も、結果的に家康から英才教育を受けたことになると考えれば納得。そんな諸々を考えながら、最後の酒盛り場面の美しさに胸を打たれつつ、読了させて頂きました。素晴らしかったです。連載時、リアルタイムで知っていながら手には取らなかった漫画版がちょっと気になります。でも「花の慶治」に比べて人気が劣るところを見ると、そっちはイマイチなのかもしれないですね。

    • hs19501112さん
      いえいえ、漫画版「影武者徳川家康」、めっちゃ面白かったですよ。機会が合えば、ぜひ読んでみてください。

      「・・慶次」よりも原作に沿った作...
      いえいえ、漫画版「影武者徳川家康」、めっちゃ面白かったですよ。機会が合えば、ぜひ読んでみてください。

      「・・慶次」よりも原作に沿った作りになっていて、高校生だか大学生だかだった自分には、かなり読みごたえありました。いよいよこれからが面白くなるぞというところで、連載打ち切り・・


      アンケートでの人気投票至上主義だったジャンプ連載には、合わなかったのでしょうね・・・

      大人が読む
      「モーニング」
      「ビッグコミックスピリッツ」
      あたりでならば、原作の最後まで連載続けられていたのかも。
      2017/12/23
  • いよいよ最終巻。豊臣家の最期、家康(二郎三郎)の最期が分かっているだけにページを進めるうちに心苦しくなってきた。ただ最後の最後まで二郎三朗を守る、六郎、風魔が素晴らしく、そして最後の六郎の涙に、こちらもおもわず涙が。ほんとうに読み終わりたくないと思わせる本であった。それとともに、史実の謎をここまで小説に落とし込んだ著者の力量に感服。

  • 上巻、中巻と続いてきた徳川家康=二郎三郎の権力固めと二代将軍、秀忠との確執も集大成。

    冒頭の戦いで二郎三郎の影となり戦い続けてきた甲斐の六郎の腕が切り落とされてしまうという衝撃の展開。しばらく戦線から離脱した六郎は、中盤には不動金縛りの術を極めて復帰する。上巻、中巻でもいわゆる肉弾戦的な戦は何度も描かれてきたが、六郎のこの術が加わったことで、下巻の戦はそれまでとはまた違う趣になっている。

    あくまで豊臣家への恩義を忘れず豊臣を活かしたい二郎三郎と、執念を燃やして豊臣を滅ぼしたい秀忠。最終的には豊臣側の自滅とも言える振る舞いにより、史実通りに二郎三郎=家康は豊臣を滅ぼすことになる。

    そして終盤にかけ、一気に世の流れは当然ながら若い秀忠のほうに傾き、二郎三郎は静かに人生を閉じていく。ただし、自分の亡き後、秀忠が自分の子どもたちを殺すことのないよう、周到な仕掛けと細工を施してから。

    この小説は終わり方が好い。満身創痍でこの世を去っていく二郎三郎を、完璧な勝者として舞台から去らせてはいない。かと言って、悪役を担い、生き残って徳川幕府を継いでいく秀忠が勝者かというと、それはまず間違いなく違うというぐらい完膚なきまでに叩きのめされた状態で終焉を迎えている。
    では誰が勝者だったのか。戦乱と策謀の世を生き抜いた者か、子孫を残し系譜を存続できた者か、あるいはただ単に何もなさずとも生き永らえた者か。

    言えるのは、二郎三郎は自分の信念のままに家康として生き抜いたということ。そして、この小説がもし史実だったら、これほど痛快で、なおかつ家康の関ヶ原以降の変容を適切に説明しうる解釈はないのではないか、ということ。

    最後に。
    徳川家の系譜を見ると、二代秀忠から続いていた将軍の系譜は七代目の家継で途絶えてしまう。そのあとを継いで八代将軍になった吉宗は、秀忠が殺そうとしていた頼宣の孫。以降、十四代家茂まではこの家系が将軍職を襲っていく。そして徳川家最後の将軍である慶喜は、同じく秀忠が殺そうとしていた頼房の家系。

    即ち、徳川家の正統として権力を欲していた秀忠の系譜は七代目までで絶たれ、その後の徳川の繁栄を担い、さらに徳川の世を終えるという重圧を担ったのは家康の系譜ということになる。さらにこの小説で言うならば、二郎三郎が家康を装った関ヶ原以降に生まれた頼宣と頼房の子孫ということになるので、「徳川家康」とその嫡子である「徳川秀忠」の「徳川家」による治世は七代目までで終わり、その後は「二郎三郎」の血筋が世を治めていったということになる。

    これだけでも、この小説を読んだ者ならば痛快至極なのである。

  • ★大阪冬の陣の開戦は妙にあっさりしていた。上巻、中巻の流れとは違う、寂しさを感じた。

  • 著者の作で最初に読んだのが、本作。歴史、時代小説家と言えば、司馬遼太郎をあげる人は多い、自分もそう思うが、この本を読んで放心した。その後、著者の殆どの作品を読んだ。
    著者は元々、脚本家。師事していた寺田寅彦がなくなった後、小説を書き始め、急逝したために作家になってからの実働は僅か5年。ある意味、このジャンルで言えば司馬氏より、凄い本を書いた人なのかもしれない。
    著者の作品の根底に流れるテーマ、重要は登場人物には、封建時代の階級社会の外の人々がある。道々の者、傀儡子、山の民。そして吉原の人々。関ヶ原の戦いの中で、家康は命を落とし、影武者だった者が、江戸時代の礎をつくるという物語、その話の壮大さに驚くが、著者が追っていったのは、何だったのだろうか。
    以前、著者が通ったお店に行ったことがあるが、とても自由で、和やかな、居心地の良いお店だった。

  • 二郎三郎、甲斐の六郎、島左近、風斎、
    秀忠、柳生宗矩
    忘れないように、主要人物たちを記録!名前見ただけで読中の興奮が甦る!息子のお守りをトーマスに任せ、私は貪り読む、読む、読む……通勤中にも読んでいたら、朝礼で社長の話を聞きながらも私の頭の中を巡っていたのは「家康と……六郎が……」、もうそればっかり。
    読後に心地好い疲労感がありました。一人の人間の人生を丸々追体験したかのような錯覚。私まで、わが人生に一片の悔い無し!と叫んで本を閉じたくなるような、非常に充実した読書タイムとなりました。

    昔「葵 徳川三代」という大河ドラマがあり、家康は津川雅彦が、秀忠は西田敏行が演じていた。家康の気紛れに翻弄される気弱な秀忠、という図式がそのドラマによって私の中に出来上がっていた、が、史実というものは、法律みたいに、色んな解釈の仕方があるということを本書通じて知りました。

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