文車日記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 481
感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101175041

感想・レビュー・書評

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  • もう四半世紀ほども昔の受験生時代、古典を頭に入れるのに効果的と予備校の教師に勧められて以来、田辺聖子さんの古典ものを愛読してきた。今回何度目かの再読中、田辺さんの訃報。少なからずショックを受け、途中で本を閉じてしまった。
    本書は、田辺さんが大好きな古典作品について綴ったエッセイ集。やさしく、たおやかな文体から、本当に彼女が古典とその登場人物たちを愛してやまないことが伝わってくる。彼女の視点で語られると、それまで教科書で読んだだけで、敷居の高かった古典の世界が、生き生きと鮮やかに蘇ってくるから不思議だ。登場人物の息吹まで感じられるようで、本を閉じてからも現実の世界に中々戻ってこられなくなってしまうのが難点。何度でも読み返したい名作です。

  • 著者の好きないろいろな日本の古典について紹介・解説した本。

    このひと本当にこれが好きなんだなあって
    読んでて伝わってきて、そして共感する。

    古代文学から江戸、明治、大正、昭和初期くらいまでの
    古典作品が登場します。
    自分ではなかなか読めないから、うれしい。

    いろんな恋物語や戦での男の友情や人生の無常さなど
    昔から変わってないものはたくさんあるんだなと感じます。

    古い日本語に触れるのは、日本人としてだいじなことのように思いました。

    田辺聖子は小説も好きだけれど、
    こういう本もかなり良い。
    言葉の編み方のセンスが光ってます。

  • 最初に読んだのが高校生のとき
    30年近くを経て、再購入

    若かったあの日、何を思っていたのか、私

  • 日本の古典文学の面白さを理解しやすかった!
    小さなお話がたくさんあるので読みやすいし、田辺さんの解釈も共感できて、入り込みやすかった!
    もっと古典の歌系の話を読んでみたいなあと思った♡
    加増先生ありがとう

  • 田辺聖子さんも逝つてしまひましたねえ......もう三か月以上も経つてしまひましたが。
    わたくしが読書の愉しみを知つた頃に活躍してゐた作家さん達が、一人またひとりと天に召されてゆきます。諸行無常であることだなあ。

    田辺さんと言へば恋愛小説のイメエヂがありますが、わたくしは余りその手は読みませんので、ここでは古典エッセイ『文車日記』を登場させるものです。
    「私の古典散歩」といふ副題の通り、夥しい日本古典作品の中から、田辺さんのお気に入りのエピソオドが満載であります。極私的エッセイですが、押しつけがましさなどは全くなく、読みながら心地良さを感じることができます。田辺さん自身が心から愉しんでゐるからでせう。わたくしも久しぶりに古典作品を音読してみたくなつた次第であります。

    古典作品から満遍なく選んで作者・作品の解説をしてくれますが、あへて時系列順に並べず、ランダムに自由に語ります。いかにもふらふらと逍遥してゐるかのやうです。
    登場人物一人にしても、学説上明らかになつてゐない事柄まで奔放に想像し、小説家らしく物語を膨らませてゆくのであります。そして言葉のチョイスが一々素晴らしい。作家だから当り前といふかも知れませんが、田辺さんの文章自体が読者を陶酔させるのです。

    かういふ素敵な文章を書ける作家がまた一人去つてしまつた。合掌。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-807.html

  • 高校生のとき、友達から紹介されてこの本を読んで以来、田辺古典の虜になった。
    こんな風に古典の世界を紹介できれば、古文の授業が楽しくなる学生が増えると思う。

  • 心ときめく一冊。彼女の解釈は本当に分かりやすくて、しかもきちんと考証が入っていて信頼できます。今も昔も変わらない、人生の機微を軽やかに。“おせいさん”節、大好き!

  • 古典についてのエッセイ。短編なので読みやすく、作者の古典への愛が伝わってきます。個人的には『あねとおとうと』が好き。

  • 田辺聖子が綴る古典の名作案内。
    長谷川青澄の繊細な挿絵も絵巻物のようで素敵です。

    読むたびに古典に秘められた日本人の情緒がいきいきと蘇り、著者の古典への愛情と人間に対する洞察力が感じられます。

  • 高校時代に古典にハマった人なら面白いこと間違いなしです。それぞれの作品が田辺さん的視点からピックアップされていて、一つ一つは短くとても読みやすい。ただ、短いからもっと読みたいと思ってしまう・・・。まぁそれは各作品の本編をちゃんと読めってことかな。

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著者プロフィール

1928年、大阪市生まれ。樟蔭女子専門学校卒業。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる……』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。『むかし・あけぼの』『ジョゼと虎と魚たち』など著作多数。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田辺聖子の作品

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