- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181080
感想・レビュー・書評
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積んでおいた塩野七生を手にする。
これまでの小説の舞台裏を覗くような、云い足りなかったことを小耳にするようなおもしろみがある。
作者も気楽さからか、感じた内容がそのまま伝わってくる。
解説も、佐々淳行というのも、ポリティカルな塩野氏のテーマにそっていて笑えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何度目かわからないけど再読(?)。
ローマ人の物語だとか、優雅なる冷酷チェーザレ・ボルジアとか、わが友マキャベリとかを書いた塩野七生のイタリアエッセイ。
この人の文体は好き。
この中に入っている話のなかでは、「ハレムのフランス女」が秀逸。
あと、ロッサーナの話も。
司馬遼太郎と同じく、結構バイアスを気にして読むべき作家だけど、やっぱり最初の興味をひくまでに持ってくことが大事だからね。
この人がいなければ、チェーザレもこれほど注目されることはなかっただろうし。
モノエッセイも上手い。
私の持ってる版は平成8年版なのでもう20年以上も前に最初に読んだんだなー。 -
大好きなエッセイです。読んでいて気持ちのいい文章と一流の知見が地中海の潮風を吹き込んできそうです。
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3.5くらい。軽く読め、今まで読んだ「海の都の物語」「ロードス島攻防記」「コンスタンティノープルの陥落」「レパントの海戦」「チェーザレ・ポルジア」の裏事情も知れて、面白かった。
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★2.5ですかね。
正直に申し上げまして、何か惹かれるものがない平板なエッセイだなぁと。何でこの方、そんなに人気あるんだろう?といつも思うのですが、愚民たる当方の個人的な思い込みのせいかなとは思いつつ。 -
イタリアに住んでいるから書ける深みのあるエッセイです。
歴史の話からワインやコーヒーと言った生活に関わる話まで多岐にわたります。
手元の一枚の金貨から国の盛衰、世界情勢に思いを馳せる話が印象に残りました。 -
何気なく買った、久しぶりの塩野七生さんの本。面白かった。古いぶん、筆者が若々しく感じられる。この人も司馬さんも森さんも多作だからまだまだ読むものがある、と思えるだけで安心する。
女というものは、男をおぼれさせようとあらゆる手練をつくすくせに、おぼれるタイプの男には興味を持たないものなのである。184ページ
落語の刀屋を聴きながら、こんなに一生懸命想ってもらえるなんて羨ましいくらい、男の人ってむしろ刀屋の主人みたく始めだけ楽しんで後腐れなく女を捨てたいと思ってるものじゃないのかな(浮雲の感想引きずってる)。なんて考えつつも、本当に溺れてる男には冷ややかな気持ちをもつのもわからなくはない。我が儘はお互い様だ。
ローマ人の物語は途中だし、ギリシア人のシリーズのほうが惹かれるし、エッセイも素敵となると、年末の休みに向けて何冊か調達しなくては。わたしにとって好奇心は生きる希望と同義である。
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新潮文庫 し−12−8
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著者は マキャヴェッリ を研究しているので、もっと きつい文章を書く人だと思っていたが、ソフトなエッセイで 読みやすかった
旅行者目線のエッセイと違い、生活者目線で 日常のイタリアを感じたまま書いた感じがする。旅行者のエッセイのような無謀や無知もなく、安心感、まったり感のある文章で まとまっている
イタリアは 日常の方が 絵画や小説みたいで 絵になる -
イタリアに生活の拠点を置き、ヴェネツィアやフィレンツェを舞台にした歴史小説を数多く執筆している著者が、日々の暮らしのなかで体験した出来事や、執筆のための調査をおこなっているなかで見聞した興味深いエピソードなどをとりあげたエッセイです。
親しみやすい文章でありながら、人間の真実をほとんど冷徹とも思えるような鋭く見据えるまなざしが本書の全体をつらぬいています。文章の調子にはずいぶんちがいがありますが、米原万里のロシアにかんするエッセイに、どこか通じるものがあるように思いました。