塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック (新潮文庫)

制作 : 新潮社 
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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181509

感想・レビュー・書評

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  • 『ローマ人の物語』文庫本全43巻を読み終わり、最後にこのガイドブックを読んでみた。一気に総集編を見る思いで感慨深い。
    遺跡の写真があるのが素晴らしい。頭の中で今までのストーリーが蘇ってきて、現実のものとして、生き生きと動き出す。
    紀元前753年から紀元568年まで、1300年以上にもなる長い話だった。
    ローマ時代と現代とは、技術は進歩したかもしれないが、”人間”自体はなんら進歩していないことを痛感する。また、技術は進歩したとは言っても、いまだ、水道などのインフラあるいは教育施設も充分ではない国があることを思えば、1000年前におけるローマ世界は驚異的だ。
    そういうシステムを作り上げたローマ人の気質、そして、そのローマの興隆と衰退について、現代人も大いに学ぶべきだ。
    しかし、これだけの話を書いた塩野七生はすごいものだ。
    ローマの遺跡巡り、いつか少しずつしてみたいな。

  • 「すべての道はローマに通ず」この言葉が象徴するようにローマ帝国は常に軍事と向かいあっており、帝国を拡張するためのひとつのネットワークであった。

  • 20200726
    (ブクログには文庫版しかないが、読了は新潮社出版企画部編の単行本バージョン)
    出版社・編集者の作品に対する愛情とか著者に対する尊敬が、これほど結実している企画も珍しいのではないだろうか。全15巻のストーリー全体要約も非常に丁寧になされており、写真や資料に対する拘りも素晴らしい。コラムの遊び心も、マニアックで楽しい。インタビューにおける塩野七生氏のことばは、彼等への深い信頼を映しているようだ。この大長編は関係者のパトス(情熱)の結晶。同時代に立ち合えた幸せを噛み締める。


    〈塩野七生氏・粕谷一希氏との対談〉
    ー集中力と持続力。この二つですね。ドンコンというか。鈍と根。(中略)大きな物事を完成させるには必要な資質だと思う。(「中央公論」元編集長・粕谷一希が、塩野七生を評して)

    ー「ローマ人の物語」で最も大事なのは、「物語」という表題ですね。この表題が傑作であって、本来、歴史(ヒストリー)というのは、ストーリーなんだ。歴史にストーリーを塩野さんは回復させた。

    ー料理人も病気になると、味は駄目になるよね。まあ奇跡だと思うけど、塩野さんは15年間よく健康でいたね(笑)。

    ー「ローマの三十万と日本の八百万の神々に頼みました。書いている間ぐらいは生かしておいてくれと。」(塩野)

    ー「自分がたいしたことをしたとは思えないんです。ただ、やった、終わったということだけは実感しています。」(塩野)

    +++++++++++

    〈塩野七生氏・単独インタビュー〉
    ー私がいつも、ローマ人が他の民族よりも優れていた点としてあげるのは、「自分たちの持っているものを徹底的に活用する能力」です。

    ー自分の考えていることは、もしかしたら半分しか正しくないかもしれないというような疑いを、常に持つのが「現実主義者」です。自分は絶対的に正しいと思い出したら、それは宗教なのね。「現実主義」というのは、現実と折り合って適度に行くというんではなくて、むしろ現実と闘うことなんですよ。闘うとは、自分の側がもしかしたら間違っているかもしれないという疑いを常に抱くことです。(それを突き詰めていくと、「寛容」に辿り着く)

    ーやりたいと思っている人はそれをやったらいいんですよ。所詮は、自分自身に対する誇り、だと思います。他の人と同じようなことをやって一生を終えるのは嫌だと思ったり、始めた以上は絶対やり遂げるとか(中略)自分のやりたいことをして生きたいってね。

    ーソクラテスも、人は所詮死ぬんだから、死ぬまでどう生きるか、いかによく生きるかが問題だって言ってくれたわけです。

    ー愛着を感じることと、評価をどう下すか、これは全く別の問題です。なぜなら、愛着を感じた途端に評価が変わってしまうとしたら、歴史を書く資格はないからです。

    ーローマのどの皇帝だって、彼らなりに一所懸命やったんですよ。私は、そうそう簡単に、あんたたちはダメだった、という評価は下したくなかったのです。

    ー今は、ギリシア語でいうとアパテイアという状態。パトス(情熱)が消えて、無気力な状態です。

  • 以前「ローマ人の物語」を読もうと試みたけど挫折。その後もイタリアに対する興味が薄れず、いつか読もうと思っていたところガイドブックなるものがあることを知り読みました。
    漠然としたイメージしか出来なかったローマ史でしたが、概要を掴むことができました。ただしローマ史研究の専門家からは批評もあるようで、歴史小説として捉え、筆者の見解に偏ることなく「ローマ人の物語」を楽しめれば良いのでしょう。
    とは言え、ここまでの大作を書きローマ史を身近に感じられ、現代の日本の政治や生活を考察するきっかけにもなる良書をまとめた著者の熱意に脱帽です。
    著書インタビューもとても興味深く読めました。

  • 『ローマ人の物語』を訪ねる(1巻~5巻編)◆グラフ 皇帝たちの愛した街◆『ローマ人の物語』を訪ねる(6巻~10巻編)◆グラフ 帝国の属州を歩く◆『ローマ人の物語』を訪ねる(11巻~15巻編)◆グラフ ローマ人と友達になるための美術館巡り◆塩野七生インタビュー なぜ、ローマ人は「寛容」だったのか

    著者:新潮社

  • 『自分の考えていることは、もしかしたら半分しか正しくないかもしれないというような疑いを、常に持つのが「現実主義者」です。「現実主義」というのは、現実と折り合って適度に行くというんではなくて、むしろ現実と闘うことなんですよ。闘うとは、自分の側がもしかしたら間違っているかもしれないという疑いを常に抱くことです。』

  • ローマ人の物語を全巻読んだのですが、如何せん長く、ハドリアヌス以降の歴代の皇帝の記憶が薄れがちなので、こちらの本で手っ取り早く復習できます。

  • 「ローマ人の物語」全巻読破して大満足しているのに一冊も買わないのは申し訳ないと思っていたところ、この文庫が出たので早速購入しました。

    単行本に比べて省かれている部分が多いのはやむを得ないです。
    この値段でカラー写真満載
    小さくて軽くて持ち運び便利

    買ってよかったです。
    そばにおいて頻繁に見ます♪

  • 本編は長すぎるのでこちらを読んだ。
    通勤の友にちょうど良い。
    皇帝の個性が分かって面白いが、名前が覚えられない。
    @市立図書館

  • ベストセラー作品ならでは。
    すでに全巻そろって目の前にしたら、確かにこんなガイドブックがなければ、手に取る前に退散してしまうかもしれないほどの長編だということでしょうか。逆に言えば、一巻読むごとに次の一巻に手が伸び、気が付くと最終巻にたどり着いてしまうのですが。
    写真がふんだんで美術館情報もGOOD。また著者とのインタビューも味わい深い。

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