ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181523

感想・レビュー・書評

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  • 建国から約250年間続いた王政に変わり、市民集会で選ばれた二人の執政官が統治する共和政に移行したローマは、その時代、地中海の先進国だったギリシアのポリスに視察団を派遣します。当時のアテネはペリクレス時代であり繁栄と力を誇っていたのですが、この政治体制をローマは何故か模倣しませんでした。その後ローマは貴族対平民の抗争で80年間揺れ動きます。そして、紀元前390年ケルト族の来襲によって深刻な打撃を受けます。そこから、周りの民族と勢力争いを繰り返し、同盟を結んだりしながら紀元前270年前後にイタリア半島の統一を成し遂げます。ここまでがこの巻で書かれています。民主主義の創始であるアテネの政治体制、軍事国家だったスパルタのことなど、ギリシアの都市国家と比べてローマはどうだったのか。高度な文化を築いたギリシアが衰退して、ローマが興盛をつづけられたのは何故か。それはローマ人の開放性にあるのではないかと指摘しているのです。

  • ローマが共和制になってから、イタリア半島を統一するまでの物語。
    このあたりから、アレクサンダー大王のif(もしもアレクサンダー
    大王が東ではなく西に進んでローマと対決していたら)や、
    アッピア街道が検察された背景、財務官アッピウス、戦術の天才
    ピュロスなど、政治システムとそれに関わる人物がより
    描かれるようになっており、物語として読むことができた。

    イタリア半島統一までの物語を読むにつれ、
    「ひとまずの結び」で塩野七生氏が述べている、
    「古代のローマ人が後世の人々に残した真の遺産とは、
    広大な帝国でもなく、二千年経ってもまだ立っている遺跡でもなく、
    宗教が異なろうと人種や肌の色がちがおうと同化してしまった、
    彼らの開放性ではなかったか」
    というローマ評が実に的確であると言わざるを得ない。

    偏狭なナショナリズムはいずれ行き詰まりをみせる。

  •  ペルシア戦争後のギリシア史と,ローマがイタリア半島を統一し,カルタゴとの戦争を始める直前までが物語られています。
     やはり塩野さんは戦争の叙述をなさると上手いなと思います。興隆期のローマの記述は読んでいても気分が前向きになります。また,共和制ローマがどのようにローマ連合を構成し,それがどのように昨日したのかということと,その利点を淡々と述べるのも塩野さんらしい記述だと思って読み返していました。

  • ローマ人の都市国家がローマで王政で始まり、二人の執政官と元老院と市民集会からなる共和制に移行して、イタリア半島を勢力圏に治めるまでの物語。日本ではまだ縄文時代だけど。。よくこれだけの文明の差に追い付いたな。二千年以上かかったけど。

  • ローマ人の起源はやはりギリシヤから来ており、題名通りローマは一日では完成出来ず、紆余曲折があり、完成されていった。

  • 共和政ローマ。「ラテン同盟」から「ローマ連合」への国のかたちの変化。周辺地域との戦い。貴族と平民の対立。山岳民族サムニウム族との戦い。南イタリアへの進出。ターラントとの戦い。ターラントが雇った北部ギリシアのエピロス王国の王ピュロス。天才戦術家ピュロスとの戦い。ピュロスとターラントとの軋轢。戦闘を継続できなくなったピュロスの帰国。

  • 紀元前5世紀~前3世紀頃の古代ローマならびに周辺諸国の興亡について書かれた史伝。

    当時のローマやギリシャのポリスなどの社会構造、諸外国との戦役における駆け引きなど、いくつかの視点でローマ世界について書かれている。

    特に、私は、現在の日本と照らし合わせ、何か現状打開の知恵があるのではないかと思いをめぐらせながら、本書を読み進めた。

    例えば、ペロポネソス戦役中のアテネ。この国は、優秀な人材が多数いたにもかかわらず、滅亡の一途をたどってしまった。この理由として、自国滅亡の危機を身をもってささえようとした者はいなかったと筆者は述べる。

    また、アテネとならぶギリシャの強ポリス、スパルタ。質実剛健で戦力も高かったが、閉鎖的な民族ゆえに、結局、弱体化してしまった。

    一方、戦力・国力ともに弱小国家であったにもかかわらず、ローマは着実に力をつけ、後に大帝国へとのし上がる。大国家にならしめた所以は、高い愛国心、戦争で勝利すると敵側を国民として受け入れてしまう柔軟さ、そして、模倣の民と軽蔑されるくらいに、他民族から学ぶ国民性。戦争に負けても、必ず何かを学び、それをもとに既成の概念にとらわれないやり方で自分自身を改良し、再び起ち上がる性向にあった。

    国際競争力が低下しつつある日本。ローマもケルト人の侵略等、数々の破滅的打撃を被っている。それでも、国力をつけつづけたこの国のように日本がなれるのか?それとも、アテネのごとく人材の国外流出、または政治無関心に陥ってしまうのか?はたまた、このまま国際社会から目を背けスパルタのようになってしまうのか?

    時代も民族も異なるローマの物語を理解したところで、日本の諸問題を解決できるわけはないとは思うが、参考になる点はおおいにあると感じた。

    物語自体の愉しさゆえに、このような考え方もさせてくれた、良書。歴史とは本来愉しいものなのだと思った。次の物語を早く読みたい。

  • なんともロマンいっぱいのローマ史。
    一つ一つのエピソードが小説にでもしたいような、魅力がたっぷり。
    ローマの貴族が、なんとも格好いい。
    独裁官に任命され、15日で戦争を終わらせ、16日目には官を返上したとか、幼い後継者を残し、護国のために一族玉砕とか。
    現在の政治屋に読ませたい。

  • この下巻では、ローマ共和制になって中頃からケルト族の来襲まで書かれています。

  • 2019/7/19読了。いよいよローマがイタリア半島を支配下に。政治的なシステムを含めて、ようやく頭の中に地図のイメージが入って来た。今後の読書をどうするか?やはり、次のステップ三巻ハンニバル戦記へ突入。しかし、
    その前にともっと俯瞰する視点、視野を学びたいと難しめな「教養としての世界史の学び方」と今日的な視点の東アジアが熱いので、「歴史戦と思想戦」の2冊をあえて挟みました。疲れそう〜。

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