ハンニバル戦記(上) ローマ人の物語3 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2002年6月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784101181530

みんなの感想まとめ

歴史的な戦争を舞台に、ローマとカルタゴの激しい対立が描かれる本作は、ポエニ戦争の背景やローマの独自の社会システムについて深く掘り下げています。特に、ローマの軍団や指揮官の任期、戦後処理の仕組みなど、歴...

感想・レビュー・書評

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  • 物語はまだ始まったばかりなのに、すでに心をぐっと掴まれてしまった。

    古代ローマの壮大な叙事詩の序章として、歴史という名の舞台に重厚な幕を上げる一冊だった。

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容について。

    ローマとカルタゴの戦いという大局に加え、ハンニバルの父・ハミルカル・バルカの意志や戦術、そしてローマ人たちの柔軟で合理的な判断が交差するさまは、読み進めるたびに興奮を覚える。
    中でも、敗戦した将軍を責めるどころか再登用するローマの懐の深さには、現代の組織にも通じる視座を感じさせられた。

    また、地中海の覇権をかけた激しい海戦でローマが「カラス(コルウス)」という新兵器を投入する場面では、劣勢な者が知恵と制度で突破口を切り開く姿に胸が熱くなった。

    まだハンニバルという名将は本格的には登場していない。
    しかし、この巻で張り巡らされた伏線や緊張感は、次巻以降の展開をよりドラマチックなものにしてくれるに違いない。

    少年時代のハンニバルが父から受け継いだ“宿命”が、どのように歴史を揺るがしていくのか——想像するだけで胸が高鳴る。

    続編ではついに、ハンニバルがアルプス越えを含む壮大な戦略を実行に移すことになるのだろう。
    英雄がどのようにして生まれ、ローマに挑むのか、その瞬間を一刻も早く目にしたい。

    シリーズ第1巻を読み終えてはや4年近くが過ぎました(꒪д꒪II

    でも、面白くなってきた( ¯꒳​¯ )ᐝ

    待ちきれないという気持ちが、すでに次のページをめくる手をうずかせている。

    <あらすじ>
    ローマとカルタゴが激突した第一次ポエニ戦争を中心に描かれています。まだハンニバル本人は本格的に登場せず、彼の父・ハミルカル・バルカがローマと対峙する姿が物語の主軸です。

    この巻では、海軍力に優れたカルタゴに対し、ローマが急ごしらえの艦隊と新兵器「カラス(コルウス)」を用いて挑むという、まさに“発想の転換”が光る戦いが描かれます。ローマは海戦に不慣れながらも、柔軟な戦術と制度化された軍の運用で勝利を重ね、ついには講和に持ち込むことに成功します。

    また、敗戦将軍に対するローマとカルタゴの対応の違いも印象的です。カルタゴでは敗者は処刑されることが多いのに対し、ローマでは失敗を責めず、再び執政官として登用する柔軟さが描かれています。

    この巻は、ローマの合理性や柔軟性、そして制度の強さが際立つ一冊であり、ハンニバルという英雄が登場する前夜の緊張感をじっくり味わえる内容です。次巻でのハンニバルの本格登場が待ち遠しくなる構成ですね。

    本の概要
    紀元前三世紀後半、イタリア半島を統一したローマは、周辺諸国にとって無視できない存在になっていた。そのローマに、紛争絶えないシチリアの小国が救援を依頼。ローマは建国以来初めて、海を渡っての兵の派遣を決める。しかしそれは、北アフリカの大国カルタゴとの対決も意味していた――地中海の覇権を巡って争われ、戦争史上に残る大戦「ポエニ戦役」、その前半戦を描く。

    著者について
    1937年7月7日、東京生れ。

    学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。

    1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008-2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。

    • 本ぶらさん
      塩野七生というと、自分は『男たちへ〜フツウの男をフツウでない男にするための54章』と『再び男たちへ〜フツウであることに満足できなくなった男の...
      塩野七生というと、自分は『男たちへ〜フツウの男をフツウでない男にするための54章』と『再び男たちへ〜フツウであることに満足できなくなった男のための63章 』なんですけど。←古っw
      今だと、タイトルに「男」とか「フツウ」とある時点で流行らないんでしょうね(爆)
      2025/07/17
  • ローマ人の物語、ポエニ戦争編の1/3です。
    文庫本版は3冊ともかなり厚さが薄いので、これなら上下巻で2冊でもよさそうなものですが話の区切り目が3冊にした方がよかったのかもです。

    そんな1冊目ですが、ポエニ戦争で有名なハンニバルが登場する直前で終わります。勝手なイメージですが、この頃はまだまだカルタゴ側が押せ押せムードなのかと思ってたら結構押されまくってますね。ローマ人オリジナルの海軍はここで初めて登場したはずなのに短期間での躍進ぶりがすごいです。流石のローマ人。

    何となく面白くなっては来たのですが、十字軍ほどのぐいぐい感がなく、なんでだろう?とずっと考えてたんですが、ローマ人の場合、ローマの社会システムや軍団の構造など、解説要素が多いからかと思い当たりました。もちろん塩野先生のローマ愛あってのものですが、物語に入り込みにくい…。これは最後までこうなのか、それとも最初のうちだから我ら詳しくないモノたちへの解説が多いのか。。先が長いだけにこの調子がどこまで続くのか気になりますが、とりあえず先に読み進めます。

  • ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上)」(塩野七生)を読んだ。

    第一次ポエニ戦役と戦役後のローマについての話

    テンポ良く進むのでつい引き込まれて読んでしまうのだが、ここに書かれているローマの独自システムには驚かされる。
    指揮官の任期だとか戦後処理と言うか敗戦国への対応とか上げればキリがないよ。

    次はいよいよハンニバルかな。

  • ▼オモシロイ。大変に楽しくなってきました。世界史に疎いので、「へええなるほど」もあるんですが、これはつまり、「講談師・塩野七生さんが語る疾風怒濤のローマ史」なんですね。語り口。

    ▼源義経についての学術本、あるいは伝記。あるいは「平家物語」を「古典を読もう」みたいな本で読む。それも良いのですが、やっぱり司馬遼太郎さんの「義経」を読む方がそりゃオモシロイ。それに似ています。
     ただ、司馬遼太郎さんほど、「フィクション物語風」には語らない。例えば言えば、会話体で進めるようなことはしないんです。じゃあだから学術書なのかというと全く違って。やっぱり、講談師が語る平家物語、みたいなあたりが一番近い気がします。

    ▼紀元前の時代の、今でいうと中部から南イタリアを支配したローマと、地中海を挟んだアフリカ、対岸に蟠踞するカルタゴ。このローマとカルタゴの激突が描かれます。もう、客観叙述なんだけど「ベン・ハー」を見ている気分になります。そしてカルタゴの英雄・ハンニバルが次巻からローマに挑む・・・・という終わり方。ワクワクです。
     この本は、なるほど「学び」の前に「面白え」が無いとあかん、という情熱があります。それと文庫版が戦略的に薄いのも、ナイスです。持ち運びに便利。

  • シチリアを巡るローマとカルタゴの戦い。ローマのゼロからの海軍があれよあれよとカルタゴに勝っていく。読んでいて、カルタゴの焦りと困惑が伝わってくるようだった。でも、まだハンニバルは出て来ない。さぁ、遂に次巻でハンニバルの大活躍が読めるはず。楽しみだ。

  • ハンニバル戦記上中下は高校の世界史では次のように書かれるそうです。↓著者の「読者へ」より引用。

    >イタリア半島を統一した後、さらに海外進出をくわだてたローマは、地中海の制海権と商権をにぎっていたフェニキア人の植民都市カルタゴと死活の闘争を演じた。これをポエニ戦役という。カルタゴを滅ぼして西地中海の覇権をにぎったローマは、東方では、マケドニアやギリシア諸都市をつぎつぎに征服し、さらにシリア王国を破って小アジアを支配下に収めた。こうして地中海はローマの内海となったー

    >↑これ以外の諸々はプロセスであるがゆえに愉しみともなり考える材料も与えてくれる、オトナのための歴史である。

    この上巻では第一次ポエニ戦役から第二次ポエニ戦役が始まるまでのことが書かれています。

    決して海外進出をくわだてたわけではないと思うし、海や象とのかかわりかたが面白い。ローマ人も他の国の人たちも魅力的です。

  • ローマがシチリアを巡りカルタゴ(今のリビア)と争う。 そのカルタゴにハンニバルが現れる前の第一次ポエニ戦役。 ローマは大きくなるために多くの戦争を勝ち抜き、その中で戦役をシステムとして扱った。

  • 第1次ポエニ戦役の後期と、第2次ポエニ戦役までの約23年について記述した本。

  • 本書のような歴史書を読む意義は前書きに書かれているメッセージが全てを物語ると思う。歴史を利用するのではなく、知識として持っておくだけではなく当時の人間たちに想いを馳せることでこそ真の学びを得ることができる。

    書名にもあるハンニバルと言えば、誰でもどこかで聞いたことがある名前…とは思うが、ど素人の私は彼がローマの敵であるカルタゴの名将であることすら知らなかった。そして上巻ではまだ登場しない。
    ローマ人は選挙や抽選で毎年人が入れ替わることを前提とした軍隊・政治のマニュアル設計をされていたというのが面白い。現代社会でも全く同じことが各所で叫ばれているではないか。そして、勝利を収めた後の油断と敗北…これもまた人間の本質であり2千年以上経った現代でも何も変わっていないのだ。
    だからこそ歴史を学ぶ意義があるのだと痛感

  • カルタゴほんとに、強いと思いました。まさか、二つのでかい山脈を象で超えてまうなんて!驚きのドッキーですよ!でもそのあと、負けちゃったのが残念だったね。(お前もしや、カルタゴ派か!裏切り者め!)(ぎやぁぁぁぁ!)

  • 古代ローマ時代、まだ小さいローマがライジングする契機になったポエニ戦役について描かれる。
    シチリア島を舞台に、大国カルタゴとの戦争はこれからとても長く、カルタゴのハンニバル、ローマのスキピオ等、魅力的な英雄が登場してくる。今回の3は、ハンニバルの父ハミルカルがようやく出るくらい。
    塩野七生さんの読みやすく小気味よい文体が心地よい。それにしてもローマって本当にスゴい。

  • イタリア半島を支配下に置いたローマは、シチリアを巡って、北アフリカのカルタゴと対決することに。
    シチリアのシラクサと同盟し、カルタゴとの間に第一次ポエニ戦役が勃発。
    ハンニバルの父、ハミルカルが出てくるも数度の海戦の勝利の末、ローマが勝ち、シチリアを制圧。
    ハミルカルはハンニバルを連れ、スペインを統治し、ローマに対抗する準備をし始める。

  • 第一次ポエニ戦争のお話。この時はハンニバルもスキピオもまだ出てきてなくて、泥仕合感のある時代

  • 紀元前264年から133年に渡る130年間はローマ人にとってはポエニ戦役を中心とした対外戦争の時代であったといいます。ギリシアが国力を衰退させ、地中海諸国で力を誇っていたカルタゴと対戦する経緯が書かれてあります。本のカバーにあるカルタゴの金貨がその経済力を物語っていると解説があります。この巻ではカルタゴの将軍ハンニバルはまだ少年でチラリとしか登場しませんが、今後どのようにローマが大国に立ち向かっていくのか楽しみなところです。ローマ人のシステム好きによる軍隊のマニュアルや欧米人の今に至る肉好きはこの時代のガリア人やゲルマン人に由来するとあったりしたのも面白かった部分です。

  • カラスの発明の話が示唆深い。
    カルタゴと価値基準が違うローマだから先に実現できたもの。他国の文化や治世などをそのまま生かしながら大きくなってきたローマとより支配的なカルタゴという性質の差もここでの結果に現れたのだろう。
    カラスの発明が個人的に目を引かれたが、逆にカルタゴの性質があったから実現できたこと、ローマに実現できなかったこと、それぞれ違う形として表れたものを見ていくと歴史から学ぶ楽しさがある。

    カラスのような兵器を許せない美意識がカルタゴの経済発展の一因ともなっているのかな。美しいものは他者から見ても魅力的だから。

  • 退院して自宅療養で通院リハビリしながらこのシリーズを読んでいる。
    本著は第一次ポエニ戦役から戦役後の第二次ポエニ戦役前までを扱っている。「ポエニ」とはラテン語で「カルタゴ人」をいい、ギリシャ語では「フェニキア」で表すとのこと。第一次は、陸戦が得意なローマが海戦が得意なカルタゴを海戦でカルタゴを破った。戦役期間は紀元前264年から241年の23年間だ。平たく言うと「シチリア島」の取り合いだ。現在では当たり前のようにイタリア

  •  第2巻はハンニバル戦記、すなわちローマとカルタゴの間のポエニ戦役だ。などと今だから言えるが、読む前は何も知識がなかった。古代ローマの有名な出来事だから、授業で名前くらいは聞いた気がするが、中身はまるで覚えていない。が、読んでみるとすこぶるおもしろい。もちろん歴史の授業が悪いのではなく、ひとつひとつのイベントに費やせる時間はわずかだからしょうがない。興味のある人は本書を読めばよいのだ。ハンニバルとスキピオの好対照が、項羽と劉邦にみえてくるから不思議だ。天才だが孤高狷介でもある前者は敗れ去る運命にあるのだろう。それにしてもローマ人や制度の闊達さには舌を巻く。こうして地中海の覇者となったのもむべなるかなだ。勝者と敗者はあっても正義と非正義はない。戦いが終わればノーサイドで、いっそ清々しい。それから二千年以上たっても人間は一歩も進歩していない。

  • 読了日 : 2023年11月29日

  • 今のところ、ローマ以外の話の方が面白い塩野さんの本だが、「ラテン同盟」→「ローマ連合」を経て、同盟国や属州の扱いの始まりとインフラの考え方がわかるのは面白い。

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