ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後 上 (11) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181615

感想・レビュー・書評

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  • 名雄であり盟友同士でもあったカエサルとポンペイウスの世紀の決戦ということで非常に楽しみにしていたのだが、期待値が高すぎただけに拍子抜け。ポンペイウス側が善戦した戦いもあったものの、ワンサイドゲームであっけなく感じた。ポンペイウスは落ち目だったのであろうか。全盛期のときであればもっと張り合えていたのだろうか。
    両陣営の駆け引きや戦いの際の戦法なども細かく書かれていたのだが、塩野先生の説明文が個人的には分かりにくくて絵が浮かばない場面も。そこがもう少しスッと入ってくるともっとストーリーに入りこめたかもしれない。

  • カエサルとポンペイウスの雌雄を決する11巻、「ユリウスカエサル ルビコン以後」

    とくにファルサルスの会戦は、アレキサンダーのイッソスの会戦、ハンニバルのカンネの会戦、スキピオのザマの会戦を引き合いに両者の戦術を説明してあって、最高に面白かった!
    次巻を即、読み始めよう。

  • ■評価
    ★★★✬☆

    ■感想
    ◯半年ぶり(?)のローマ人の物語。ガリア平定後、元老院最終勧告を受けたカエサルは、ルビコン川を武装したまま渡河して元老院(ローマ)に対して反旗を翻すところまでがルビコン以前の上中下巻。そこからローマ国内外で内戦、ポンペイウスとの対決あたりまでが本作(上)の範囲。
    ◯カエサルの「賽は投げられた」の言葉自体は有名だが、投げた後どのようにしてローマ内乱期を乗り切ったのかはよく知らなかった。
    ◯内乱期中、基本的にカエサルはピンチ。ガリア戦記で右腕だったラビエヌスはポンペイウスにつくし、新たな右腕のクリオは北アフリカで大敗して戦死。食料も少ないしポンペイウス側に比べて歩兵・騎兵も少ない。そんな中細い勝ち筋をリスクテイクして手繰り寄せている印象がある。

  • ルビコン河を渡って次々と犠牲を払わずに町を攻略。
    スペイン制覇マルセーユ陥落

    ギリシャへポンペイウス追撃
    ドゥラキウム攻防戦で敗北

    すっかり勝った気になって浮かれているポンペイウス軍相手にファルサルスで完勝。

    「アレクサンドリアでポンペイウスの死を知った」

    その流れでアレクサンドリア戦役
    >ハリウッド製の歴史スペクタルとしては格好なシーンの連続
    >だが史的にはすこぶる簡単な戦役なのであった

    カエサルはクレオパトラと二ヶ月の休暇を過ごす…

    この前の巻では感傷的になる部分が多かったけど、この巻は敗者を特に気の毒と思うこともなく、ただただ面白かったです。

  • ガリア戦を終え、元老院との対決から、ポンペイウスとの戦いとその勝利。
    クレオパトラ登場。

    「ルビコン川を渡る」「賽は投げられた」というのが、イタリアから外に出るのではなく、その逆だというのは初めて知った。カエサルについては知らないことばかりだな。

    もうひとりの主要人物キケロについては、名前だけは聞いたことがあったけど、カエサルと同時代の人物で、その言動はこうだったとは知らなかった。

    いや勉強になりますね。
    しかも面白い。

  • 法の下での軍の解散と帰国を命ずる元老院の最終勧告を無視して、ルビコン川を渡ったカエサル軍。現体制打倒を目論むカエサルと元老院側のポンペイウスの対決が始まります。カエサルの動向を知りポンペイウス派は首都ローマから逃げ出します。
    内線状態になってもカエサルは「自らの考えに忠実に生きる」ことを他の人にも等しく課すことを願い、会戦の回避や捕虜の釈放を実行します。作者もこのことについては、人権宣言にも等しい、と特筆していますが、確かに潔くその人間性に魅了されます。さらにカエサルは対決の最中にも政治的な課題に着手、数々の政策を実行し自らの立場も法律に則った執政官に就任。正統な地位で武力を行使します。
    舞台はイタリア半島からアドリア海、ギリシアへ、兵力や物資でも優勢なポンペイウス軍との闘いは激闘を繰り返し、時には敗北も喫しながらファルサルスの決戦へ。紀元前48年8月8日でした。この時も巧みな戦術と人心の掌握にかけては誰にもひけをとらないカエサルは部下の士気を高め、ポンペイウス軍を敗走に追いやったのでした。エジプトを頼って逃げたポンペイウスは、カエサルの追撃を待つまでもなくアレクサンドリアの港で殺害されます。エジプト王の側近たちの裏切りにあったのでした。ポンペイウスの最後は哀れの一言です。
    こうしてカエサルはエジプト王朝の内紛の仲裁役になり、かのクレオパトラが登場します。かのクレオパトラの鼻が低かったら…の下りの作者なりの解釈もあり、2人の関係性にも触れていてなるほど!と興味深く読みました。様々な会戦場面の戦術は図入りですからこの辺り興味のある方にはお勧めの巻。

  • ユリウス・カエサルがルビンコン川を超え、ローマに迫ったとき、政治を牛耳っていたポンペイウスは体制を整えるためにギリシアに下がる。 でも、それは敗北であった。

  • 13巻に記載

  •  2巻6冊におよんだカエサルの物語も終わってしまった。あらためて彼の偉大さには脱帽だ。いかに何も知らなかったに驚く。これ世界史で習ったのだろうか。シェークスピアはまともに読んでないし。まさにスーパースター。その末路のあっけなさも含めてだ。しかし、あまりにも本人が偉大なので、暗殺者たちはもちろんまわりでいろいろ画策する対立者の卑小さが目立ちすぎる。キケロなんてこのていどだったのか。アントニウスはもちろんのことクレオパトラすら形無しだ。ただ、そういうときでも人間性というのは偽れないもので、13冊目にあるマティウスのキケロへの返書には感銘を受けた。小人物もいれば大人物もいる。これはいつの時代でもどこの世界でも同じなのだ。というわけで、女たらしでありながら女性に愛されたことも含めてカエサル賛歌に終始したこの2巻、まあ著者の主観もかなりはいっている気もするが、すこぶるおもしろく読めるということは保証する。

  • 内乱記の扱う内容。
    ポンペイウスとの対決はとても面白い。
    名指揮官同士の最高の戦いだと思う。

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