ローマ人の物語 (11) ユリウス・カエサル ルビコン以後(上) (新潮文庫)
- 新潮社 (2004年9月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181615
感想・レビュー・書評
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ポンペイウスとの戦いって、
教科書上だとあっけなく終わるから
なんだか圧勝なのかと思いきや
カエサル側って色んな不利の上での戦いだったんだな。
諸外国との関係もちゃんと理由があっての
行動と分かるから面白いし、カエサルの才能が
本当にすごい人だと思う。 -
カエサル、ポンペイウス、クレオパトラと私でも聞いたことのある方々が出てくるので、どんどん読み進めることが出来ました。
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カエサルとポンペイウス、担がれてしまったいきがかり上、気が乗らないまま戦ったのが伝わってきた。クレオパトラはいつ出てくるのかと思ったら、ようやく巻末で登場。出会いはカエサル、かなり晩年だったのね。今までのフラットなカエサルを見ていると、クレオパトラの美貌に騙されてっていうのは盛られた話だなと思う。次巻が楽しみ。
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カエサルの墜ちていく感はどうしても書きたくないんですなぁ、この作家は。というか単に当方が無知な天邪鬼なだけかもしれませんが、何かこうメリハリが無いんですよね、このお方の作品は。
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この巻では、カエサルの壮年期の紀元前44年3月までの前半。
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壮年後期 Virilitas 紀元前四九年一月~前四四年三月
著者:塩野七生(1937-、北区、小説家) -
元老院最終勧告によって国賊とされたカエサルが、ルビコンを超えてポンペイウスを戴く元老院派と対決をする。
とはいえ、元老院派を構成する議員たちは、キケロや小カトーであってもリーダーシップを発揮するということはなく、この戦いは事実上は三頭政治の二頭を担ったカエサルとポンペイウスの戦いと言ってよい。
まず、スペイン、南仏属州で、そしてギリシア、最後にエジプトと場所を変えて展開されたこの戦いにおいても、カエサルはあくまでカエサルであったと思う。
ドゥラキウムでの敗退の後のファルサルスでの鮮やかな逆転、兵士のストライキや退役要求(という形をとっての賃上げ要求)に対する、相手の心理を巧みに読んだ対応等、ガリア戦役でのカエサルと同じような強力なリーダーシップを見せている。
ガリアではなくローマ領内で戦われたことから、敵や戦場となった都市、領内での地元の有力者への対応は、被征服者に対するそれとは異なっていたが、それとても、カエサルのグローバル国家としてのローマ国家の像からすると、一貫した考えのもとに行われていたものなのだろう。
ただ、『内乱記』によって現在にその過程が伝えられているこの戦いについては、『ガリア戦記』のようなポジティブな色彩は感じられなかった。
カエサル自身は、都市国家として元老院による集団指導(エリートによる支配)が限界を迎え、帝国としてのシステムを備えた新たな国家像を描いていたわけだが、旧来の国家像との対立がカエサル対ポンペイウスという形で戦われたこと自体は、カエサルにとっては哀しみをもって受け止めていたのだろう。
いずれにしても、元老院派の平定は、カエサルがローマにもどって国家のシステムの改革を行うためには避けては通れない過程だったのだと思う。