ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181622

感想・レビュー・書評

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  • カエサルによるローマのシステムの章。
    血湧き肉躍る描写がないので、少し退屈な12巻になったが、ふとカエサルから250年後に中国に誕生する諸葛孔明を思い出した。カエサルも孔明も一人ですべてを考えるスーパーマンだったが、劉備亡き後一人ですべてを背負ってその心労で五丈原で逝った孔明に対して、カエサルはいくら働いてもバイタリティーが尽きない頑強な肉体と精神を持っていたんだなと感じた。そんなカエサルも暗殺されるが、その後は次巻にて。

  • 改革で大忙しのカエサル。それにしても、戦ってばかり。今で言ったら、働きっぱなしのカエサル。部下の失態に感情的にならず、常に俯瞰でみて、冷静に対処。カエサルが来れば、全てが丸く収まる。「来た、見た、勝った」はかっこよすぎだ。

  • ポンペイウス派の残党もアフリカで一掃され、ついにローマの新生に着手するカエサル。終身独裁官となり、事実上の帝政を開始。しかし、不満分子に暗殺され、その生涯を閉じる。
    戦闘の描写もさることながら、ローマの制度改革に取り組むカエサルの手腕に脱帽。相当仕事ができる人。

  • カエサル50歳~55歳

    カッパドキア地方ゼラでポントス王ファルナケス一蹴
    「来た、見た、勝った」←マルボロ

    北アフリカ属州東岸に上陸
    タプソスの会戦でスキピオ大破ヌミディア王ユバ追撃

    凱旋式で敗者代表
    ガリアはヴェルチンジェトリックス(彼だけその後殺められる)
    エジプトは王女アルシノエ(クレオパトラの妹)
    ポントスはファルナケスの息子の一人
    ヌミディア王の日は王の5歳になる王子(ローマで成人後マウリタニアの王位についている)

    スペインムンダの会戦でポンペイス派破る。ラビエヌス戦死。

    本格的にローマの改革にはいります。
    カエサルのしたことだけではなく、過去からその後現代までのいろいろなことが書かれています。

    頭の良い読者には繰り返し同じことが書かれているように思われるかもしれませんが、私にとっては頭の中が整理できて良いし、現代へ繋がっていく内容については理解が深まって楽しめました。

    次の巻ではカエサルとお別れしなくちゃいけないんですよね…。

  • ローマ世界全体を手中に治めたカエサルによる諸改革を概説。
    これが一人の手になるものとは信じがたいが、だからこその政治的・軍事的天才なのだろう。

    生涯敵対した小カトーから観たカエサル。

    「清廉潔白に生きることを何よりも重視し、曲がったことならば何でも反対した彼のような人物にとって、カエサルのように、クリーンでもなければ身持ちもよくなく、野望となれば並はずれており、借財があろうと苦にもせず、政治をしても戦闘をしても勝ち、民主的に振る舞うわけでもないのに支持者に不足せず、そのうえこれらを陽気に進めてしまうような男は、許すことのできない存在であった」(p80)

    その小カトーは、カエサルとの戦闘に敗れ、自死してしまう……。

  • 来て、見て、勝った
    そしてカエサルは殺された

  • 上巻を読んでからだいぶ間があいてしまったなぁと思い、ブクログでの読書記録を見てみたら、なんと上巻を読んだのは1年前のこの時期でした…。
    シリーズを読み始めたころは、月に1冊くらいのペースで読みたいな…なんて思っていたのに…反省。
    今回も前の巻の内容をうんうん思い出しながら読むハメになってしまいました。

    ポンペイウスとの対決に勝利し、ローマの内乱を鎮めたカエサル。
    本書ではその後のカエサルの動向と、新体制樹立のための改革全般について詳細に述べられています。
    カエサルの改革の内容を見ていると、グラックス兄弟がどれだけ先見の明を備えていたのかがよくわかります。

    また、勉強不足で知らなかったのですが、カエサルは造本の方法について提案していたのですね!
    当時のローマでは巻子本が主流だったのですが、カエサルは巻物を切断して紙の束にし、それらを綴じて本にすることを考えたのだそう。
    必要なところをすぐ読めるように、という効率重視の発想はカエサルらしいです。
    この提案は当時のローマ人には評判が悪く採用されなかったとのこと(当時は長い巻物を繰る方がかっこいいとされたようです)。
    しかし、その後中世から現代に至るまでカエサル流の造本がされているというのだからすごいです。

  • エジプト平定後、来た、見た、勝った (Veni, Vidi, Vici)で有名なポントスに勝ち、ポンペイウス派の残党とのタプソスの戦いで圧勝。会戦における包囲殲滅戦の応用系だ。そしてローマ内政改革、都市計画、公共事業などカエサルの頭脳に収められていた新しい統治様式が明らかになる。そして最後ペルシアの大国パルティアとの雪辱戦を果たすその目前、紀元前44年3月15日にカエサルは14人に刺され死んだ。
    子飼いの第10軍団の従軍拒否に、「望みは何か?」、「退役を許す」、「市民諸君、給料・報酬はすべて約束どおり支払う、ただしすべての戦いを終え、凱旋パレードの後だ」のエピソードは人間を知り尽くしたカエサルの器の大きさを言い尽くしてあまりある。

  • ゼラの戦い。「来た、見た、勝った」。アフリカ戦役、タプソスの会戦、小カトーの自殺。ローマにもどったカエサルの凱旋式と国家改造。スペインに逃げ込んだポンペイウス派の残党との戦い。ムンダの会戦。ラビエヌスの戦死。社会改革。

  • カエサルは、リーダー

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