黄昏: たそがれ (新潮文庫 い 36-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101183176

作品紹介・あらすじ

伸坊さんとイトイさん、1歳違いの昔馴染みが出かけた小旅行。春雨に煙る鎌倉を発ち、初秋の日光、イーハトーブの花巻へとめぐる。交わされるのは、驚くべき蛸の能力や、迦葉山の天狗の気持ち、治療師のボスが呟く言葉の謎……とりとめもなく魅惑的で、行く先々に笑いの花が咲き誇る。面白いオトナふたりの、めくるめく無駄話だけをぎっしりつめこんだ、素晴らしき雑談紀行。

感想・レビュー・書評

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  • 『二人、たそがれた後は、別々のお家に帰ります』

    雑談紀行とあるが、9割雑談のちょっと変わった旅のお話。鎌倉や日光など馴染みある観光地を旅したのかと感心したが、ほとんど地の話があるわけでもなく、旅をきっかけに無限に広がった会話をただ楽しんだ。

    田中泰延さんの「会って、話すこと。」にて、人と話す時で大事なことは自分のことや相手のことを話すのではなくて、一緒に同じものを見てそれについて話すことだと書いていたように記憶しているのだが、まさしくその通りで。そして、ボケてボケてボケたおす。ということもあって、本書の中でそれも存分に楽しむことができると思う。

    黄昏ていたはずが次第になぜだか笑っちゃう、そんな楽しい一冊だった。どこを区切って読んでも面白いので、通勤や短い読書時間におすすめ。

  • おじさんふたりの雑談がこんなに面白いなんて。糸井さんが「突然」繰り出す脈絡のわからない話題と妄想、合いの手とエピソードと妻話が面白すぎる伸坊さん、ウマが合うってこういう関係なんでしょうね。ずっとくだらない話が続く関係って素晴らしい。

  • 文庫で読んだ。初出は2009年とか。
    あまり二人が一緒にいる印象がなかったけれど
    年が一つ違いだったり仕事をいろいろやってきたりしているんだな。
    二人の面白いと思うところ、しつこくいじるところに微妙な違いがある。
    伸坊さんがあちこちで「本人」になってるところがオカシイ。
    天狗の活躍っぷりと奥様のプロ意識に笑う。
    おじさん同士のバカな話って好きだ。

  • 旅行中のゆるゆるとした会話。久しぶりにゆるい本を読んだ気がする。

  • なんて肩の力の抜けたやり取りだろう。読んでみてその内容から、「黄昏」という表題の言葉になんだか俗世からの解脱っていうんでもないけど、世界の好い所に溶け込んでさらっと希薄になった楽さを感じた。「黄昏」っていうけど、元気じゃんっていう明るさもありますね。
    糸井さんのおもしろ雑学、たとえば西遊記の沙悟浄は河童じゃなかった!だとかからの話の展開には妙味がありますし、伸坊さんはいろいろな人物その本人になってしまう芸風をお持ちなので、天狗になったときの話だとか、いちいち笑えてしまうし、楽しくてしょうがない400ページの読書体験になりました。無駄話のおもしろさですよね。私語を慎みなさいなんて学校では言われますが、その私語をしてしまうのはすごく楽しいからなんであって、その楽しいんだという原点を、私語の禁止という抑圧から取り返すという効能を、この本は持っています。

  • のんびりした本です。写真のお二方の笑顔がまた可愛らしくていいな、と思いました。

  • めっちゃいい

  • なんのためにもならないものが、それでもやっぱり人には必要なことがある。ゆるーく、読むの、大好き。

  • 糸井重里と南伸坊が、各地の観光地を巡りながら話した会話を収録。
    観光地の紹介本ではなく、とりとめのない話をつらつらと語る。

    だらだら読むには最適。
    どうでもいいような会話に、くすっと笑ってしまう。
    力を抜いて読める本。

  •  最高だ。 馬鹿馬鹿しさの極みというか、こんな他愛も無い話を延々続ける両人の関係に羨望の心持ちさえ湧いてくる本。糸井さんと伸坊さんの周辺の交友関係とか相関図がある程度判っている人には更に面白さが増す内容になっていると思う。掲載されている写真も実にほのぼの緩い感じで良い。いいなぁ〜♪ こんな関係。

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著者プロフィール

1948年群馬県生まれ。株式会社ほぼ日代表取締役社長。71年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞、文筆、ゲーム制作など幅広い分野で活躍。98年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。近著に『かならず先に好きになるどうぶつ。』『みっつめのボールのようなことば。』『他人だったのに。』(ほぼ日)などがある。聞き手・川島蓉子さんによる『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP)では「ほぼ日」の経営について明かしている。

「2020年 『いつか来る死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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