スープ・オペラ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 721
レビュー : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101184531

作品紹介・あらすじ

ルイ。独身。35歳。女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。一人残されたルイの家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。初老だけどモテモテのトニーさんと、年下の気弱な康介。唯一の共通点はスープ好き。一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。そして叔母さんの恋の行方は?温かくキュートで少しだけ辛口の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 映画の予告がおもしろそうだったので、
    まずは原作を読んでみました。

    題名どおりおいしそうなスープがでてくるのですが、
    それがなんともおいしそうなこと。

    みんなでごはんを作ってたべたり。
    そんなゆったりした時間と、
    人との出会いや関係性について描かれています。

    曖昧な人間関係でも一緒に暮らしたいくらいに好きな人。
    不思議な関係だけど、幸せそうでとても素敵だなぁと思いました。

    スープのように温かくて、ほっこりする、
    とても好きなお話なのでした。

  • 家族じゃない男二人との共同生活は、スープで繋がれてて…。
    人のやさしさがたくさん詰まった小説。映画になってたとは知らなかった。
    鶏がらスープ、私も作りたくなった。

  • 阿川佐和子のエッセイは読んだことがあったが、小説は今回初めてかもしれない。
    関係性が曖昧であっても、心地よいものならそれでよしとする考え方は素敵だなと思った。現実では知らない人やよくわからない人に対して過敏になりがちだからこそ、この3人の空気感が羨ましくなる。
    自分でとる鶏ガラスープが美味しそうすぎたので、今度挑戦する予定。

  • 35歳独身女性がタイプは違うが、共通点はスープが好きである男性二人との共同生活を送る物語。肌寒い日には心も体も温めてくれるスープが身に染みてほっこりとさせてくれる。男性との共同生活は波乱があったり、大人の恋の場面を見せたり、恋人や仕事との関連の繋がりでない関係でお互いに暮らすことの大変さはシェアハウスでの暮らしは単なる男女が同じ屋根の下で暮らすのとは違って、男女の関係が出てきてしまうのかなと感じてしまう。トニーさんがいい味を出していた。鶏飯も美味しそうで、鶏ガラから丁寧に取ったスープを食してみたい。

  • 長年一緒に暮らした叔母さんが還暦前に恋に落ちていきなり出て行った。
    一人家に残された30代半ばの女性。
    そんな家に初老の絵描き老人と若い男性が転がり込んできて不思議な同居生活が始まった。

    3人だとバランスがいいのに2人になるとなんか落ち着かない。
    曖昧でハッキリしない、そんなことがあってもいいねって言うお話。
    恋愛、結婚、家族…重い内容もあるはずなのに全然重く感じない。
    楽しくほんわか読めるお話でした。

    阿川佐和子さんのエッセイを読んだことがなかったですが、この小説はちょっと日常ではあり得ない設定を、身近なことを交えて書かれていて、重くなりがちなところもふんわり柔らかく感じました。

    頑張ってる人にちょっと一休みの為におすすめしたい一冊です。

    図書館スタッフ(学園前):ema

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    帝塚山大学図書館OPAC
    http://lib.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410004447

  • 初めて阿川佐和子さんの本を読んだけど、面白かった。
    こういうジャンルの本は普段あまり読まないけど、
    読みやすかった!
    もどかしい感じが、何かいい。
    トバちゃん、サイコー(笑)

  • 阿川佐和子さんの小説初めて読んだけどシンプルに面白かった。
    主人公のルイと同い年で独身っていうところにも何となくシンパシーを感じた。結婚を意識しないわけじゃないけど流れに任せる感じでいいかな、と思ってる辺りとか。

    ルイを女手ひとつで育ててくれた叔母のトバちゃんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
    ひとり残されたルイの家に、ひょんなことから初老の画家トニーさんと年下のライターである康介が住み着くことになり、三人の奇妙な共同生活が始まる。

    単純に、こういうの羨ましいなと思った。
    ひとりはちょっと淋しいけれど、家族を築くとなると煩わしさも感じる。そんな人にはちょうどいい環境。
    基本的には干渉し合わないけどきちんと決め事もあって、今で言うシェアハウスのような暮らし。
    そうは言いつつ当然うまくいくことばかりではなくて、一緒にいれば微妙に恋愛っぽいことになったり、歯車が噛み合わなくて居心地が悪くなるような出来事もあるのだけど。そのリアルさがスパイスになっていて、少しの痛みを感じたり。

    常識を重んじて周りの目を気にする気持ちも持ちつつ自分らしく生きる。ルイはそういうバランス感覚を持っていて、自然に周りを赦して包み込むことが出来る女性。
    優しいから振り回されることも多いし流れに逆らえないこともあるけれど、最後の部分はきちんと自分で決めて押さえるところは押さえている。

    個性豊かな登場人物だらけで読んでいて楽しかった。謎に手品が得意なルイの職場の教授とか、口が悪いんだけど実はそんなに悪い人ではなさそうな大御所小説家とか。
    トバちゃんの奔放さも素敵で、こういう風に振る舞える人に憧れるなぁと思った。

    そして何より出てくる料理が美味しそうな小説。阿川さんと言えば料理エッセイも書かれているはずなので、描写がほんとに美味しそう。
    ちょっと深刻なシーンでも料理の描写が入り込むだけで和らぐんだということも発見。落ち込んでいてもお腹は減る、みたいな、女性ならではの冷静さなのさも。

    楽しくて少し切なくてそして美味しい、そういう小説でした。

  • 阿川さんてこういう展開多いよね。スープはおいしそう。

  •  食事シーンやお料理の描写が秀逸すぎて読むとお腹が空いてくる一冊。ルイちゃん、トニーさん、康介の一見奇妙な共同生活は、たまに不協和音が流れることはあっても、良い具合の距離をおいたり、そっと静かに見守ることでまた穏やかな空気が戻ってくる。そんな三人の関係に憧れる。
     ありそうでなさそうで、でもひょっとしたらあるかも?と思わせるような、大人風味のファンタジーのようで、読み終わるのが寂しかった。

  • 図書館で。この方のエッセイは面白かったけどそういえば小説読んでないなあと借りてみました。面白かったです。

    登場人物にそれほどの悪人が居ないってのは読んでいて楽ですね。トニーさんはなんだかあやふやな存在ですがその曖昧さが魅力なのかな。完全に安心できる存在でもないけれども危険でもなさそう。あれは3人というバランスが良いんでしょうね。二人だと緊張するけれども3竦みだと丁度良い、みたいな。
    そして出てくる料理が美味しそう。鶏ガラのスープかあ… ウチではあまりしたことが無いな…と思いましたが少し前に宅配で届いて調理した際母にあれこれ言われてカチンときたのを思い出しました。トバちゃんとルイさんのやり取りではないですが近親者ならではの心やすさと苛立ちはわかるなあと思ったり。

    ただ、個人的には何で主人公はずるずると押し切られてしまうかな、と不思議に思いました。ナナコさんとの食事というか小説家とのセッティングは大分非常識だ。アレを許せるって相当な人だなあ…と思いました。

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著者プロフィール

阿川佐和子

1953年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。99年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で第15回講談社エッセイ賞、2000年、『ウメ子』で第15回坪田譲治文学賞、08年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。12年、『聞く力――心をひらく35のヒント』が年間ベストセラー第1位、ミリオンセラーとなった。14年、第62回菊池寛賞を受賞。

「2019年 『いい女、ふだんブッ散らかしており』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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