残るは食欲 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101184555

作品紹介・あらすじ

幼い頃から食べることが好きだった。母手作りの素朴な家庭料理を、家族で囲んだ温かな食卓――。大人になった今は一人で作って一人で食べて「私は天才かっ」と一人で叫ぶ。季節外れのローストチキン。深夜に食したホヤ。カビの生えたパンだってちょいちょいっと削れば、あら美味しい。少し孤独。けれど食欲全開、今日も幸せ。雑誌「クロワッサン」の連載をまとめた極上の食エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「クロワッサン」で連載された食にまつわるアガワさんの庶民派エッセイ集。
    ダンフミさんのつぶやき“残るは食欲”よりタイトル頂いたらしい。この二人の仲良しは羨ましい。
    最後は、そこですよね。私は苦手食材が多いから 人生かなり損してるなあ。食欲を娯楽にできていない。アルコールも数十年飲んでないしー。
    せめて美味しい新茶でもいただきます。新茶はキロ単位で購入よ!

  • 晩飯にご飯が炊けてなかったとかで、豆腐一丁を湯豆腐にして食されたという話が、いくら銀座の豆腐だからと言って夜中に腹ペコになるだろうなと思いましたね。都会人だなあとも思いました。

  • 阿川佐和子さんが結婚出来て良かったと思う反面、一生一人で楽しく居て頂くのも有りだったなあと思ったり。殆ど母親レベルの年ですが、あのお茶目なお姉さん感は凄いですね。相応にしわも有るしスレンダーって訳でもないのに、なんだかとっても可愛らしい。
    そんなお茶目なプリティーおばちゃんが食について語る話です、お茶目で特別役に立たないという食エッセイに必要なものが網羅されています。

  • アタマがちょっと疲れた時に
    よむと、阿川佐和子のもつ 人間的な良さと
    チョコマカさが なんとも言えない。
    独身女性をつづけている 女子で
    残るものが 『食欲』というタイトルも
    いいなぁ。その飾らなさ。
    そして 食は 母親の味、昔ながらの味、
    という 過去から現在につながる 時間軸の中にある。

    食事をいただくまえの 思いっきりの空腹が
    一番のシアワセと言う。たしかに 食欲のマックスの時だ。
    夜遅く 小腹が好いた時に 湯豆腐 って ありだね。
    確かに、食べたくなるが インスタントラーメンより
    健康な感じがする。
    あのとき食べておけば良かった という 未練の味。
    それは、やはりひきづるんだよね。
    ごはんに汁をかけて食べるは 子供の時に好きで
    よく食べていて、父親にしかられた覚えがある。
    レモンライス は 食欲のない夏にはいいね。
    食欲に対する脑の指令系統が単純直結型と自ら自認するのが
    清々しく、なんともいえない 潔さがある。

    自分の料理は、自分で食べて、自分でほめる。
    一人で生きていくんだ、フン。私は 天才かっ
    というのが 全てに凝縮される。
    こうやって本になれば、みんなで食べているようなものだ。

  • 久々に佐和子さんの本を読む。いいですねぇ。文章のゴロというか、語感、表現から単語まで、自分がこう書きたいという思いとまさに同じなのである。

    食べ物への愛着や、料理展開も私好み。エッセイで読む限り、とても多くの共通点を共有していると思うのですが… 世が世なら、是非とも三顧の礼をもって奥さんとしてお招きして、面白い夫婦生活を送れていたのでは?とも思うのですが… ただ、当方、ノッポの女優さんの年季の入ったファンなので、途中で浮気なんかして修羅場となっていた恐れもあります (フムフム)。

    この手の空想は昨日今日始まった訳ではないのと、空想である事理解してますから大丈夫です (何が大丈夫なのか分かりませんが) 。何れにせよ、是非お一人様のお食事から解放してあげるお手伝い位はさせて頂きたいと切に願っております。ご馳走しますので如何ですか?佐和子さん?

  • 語り口が滑らかでとても読みやすいエッセイ。これくらい肩の力を抜いていいんじゃないかなと思わせてくれる。
    残るは食欲といいながら、執着しすぎないのもいい感じ。
    新しいことを取り入れたり、アレンジしたりする姿勢もすてきだなと思う。

  • 食べ物のためには、時間も労力もお金も厭わない…!という感じではなくて、身の回りにある食を楽しんでいるんだなぁと感じた。しかしその割には変わったものを食べられている。このエッセイを読んだら、冷蔵庫を開けると、さあ早く食べておくれと言わんばかりの視線を送ってくる野菜やお肉たちがありありと思い浮かぶはず。時に試したくなるレシピも参考になる。

  • 2006年から2007年、雑誌『クロワッサン』に連載された、食にまつわるエッセイ集。美味しそうで、ユーモラスで、お手軽に読むのに良いです。

  • 夜、読んではいけない本。
    耐えがたい空腹感に襲われるはめになる。
    チラっと載っているレシピを試してみたくなる。
    食を楽しむことは人生を豊かにする。
    羨ましい限り。
    登場する食材、食品が何であれ兎に角魅力的。
    美味しそう。
    お腹減った。

    表紙を荒井良二さんが手掛けていると後書きで知り、二度美味しい。

  • 夏バテして食欲のない時に読むとちょっとなんか食べてみようかな…という気持ちになる

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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